ふりかえる、ということ

 僕は日常生活の中で「ないもの」にばかり気持ちがいきがちです。あれがない、これがないと、足りないものや手に入らないものばかりが気になってしまいます。例えば皆さんも「もうちょっとお金があればなあ・・・」なんて思うことはよくあることでしょう。あれこれ欲しいと思っている時は、どうしても自分の気持ちはそのことにばかり向いてしまいます。しかし、いったん手に入ってしまうと、そこから心が離れていってしまうことが多いです。今度は「別のものが欲しい」と興味が移ってしまいます。これは物に限りません。「あれができるようになるといいな」と思って私たちは仕事や習い事、スポーツ等を頑張ります。そして、それができるようになるといつしかそれが当たり前のことになってしまいます。一度自転車に乗れるようになるとその後は意識せずとも乗れるというのが一番しっくりくる例えかなと思います。

 数年前の自分と比べてみると今の自分はたくさんのことができるようになっているはずなのですが、いかんせん人間という生き物は現時点での「できない自分」や「満たされない自分」に目がいきがちです。常日頃「自分は少しも成長していない。何も達成していない・・・」という「ないもの」だけに目を向けるような思考に陥ることが多い人は、今の自分が持っている素晴らしいところに目を向けられていない可能性があります。時には自分に意識を向けないと見えてこなかったり、味わってみようとしないと感じられなかったりするものも存在します。

 「あれができたらいい」やら「こんな自分になれたら素晴らしいな」と感じていたことで、叶わなかったこともたくさんあると思います。それでも、大小はあれど抱いてきた憧れを形にし、積み重ねた結果の先に今の自分がいます。積み重ねるものは「1日10分だけでも筋トレをする」「ちゃんと起きて仕事に行く」といった小さな目標でもいいと思います。小さな目標だと一朝一夕で大きな変化をもたらすことは難しいですが、達成することで「健康な身体を目指す」「仕事がめんどくさいけど毎日出勤している偉い自分」といった目標を設定した時に描いた憧れの自分に少しずつ近づいていることは感じることができるはずです。

 ないものばかりに気持ちを向けず、一度過去を振り返ってみることで自分ができるようになったことや手に入れたものをじっくり味わってみる時間を作ってみるのもいかがでしょうか。

 年末年始に積み重ねた自堕落な日々の末にたくさんの脂肪を手にしてしまい、自分の体重にどうしても目を向けたくないうすでした。

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