榊PUTTERが製品化されるまでの物語PART2
第4章 所有感
こうしてFirst Runで削り出しノッメンキ(RAW)でも最高のオーラを出すことに成功した榊Putterですが問題まだまだ山積みです。
つぎに次に取組んだ問題はデザインでした。
パターのデザインは所有感へと繋がります。
いくら性能や切削技術が高くてもやはり使いたいと思えるデザインでなければキャディバッグに入れたくないですよね?
というわけで様々なデザインを考えました。
まずは字体。
榊PutterなのでSAKAKIの字体をいろいろと探しパターに刻印してみたものの
どれもイマイチ。
理由は特になく、デザインソフトを通して見てカッコイイと感じてもいざ現物を見てみるとどれもパットしない。
スコッティキャメロンやベティナルディ、ピレッティのデザインを見ると完全に劣ってしまう。
何かが足りないのは分かっているのですがその何かが分からないのです。
しかしあることをきっかけにデザインがすぐに決ました。
それはある日、ある方と待ち合わせた時の話です。
その方に会った瞬間に目に入ったものがありました。
それはバックです。
そのバックは誰もが見ればすぐわかるブランドのバックでしたが、そのブランドが判るマークや字体は見える所にはないことに気が付きました。
つまり何をひらめいたかというと、ロゴやデザインは必要以上に入れる必要はないということです。
しかしもちろんそのバックの中を見れば内側にブランド名が入っています。
榊Putterに置き換えれば世界トップクラスの技術を用いて、時間と費用を費やして制作したこのパターをブランドにする必要があり、デザインやマークを強調する為にパターを作っている訳ではないということでした。
そこで全国から榊Putterのロゴマークオーディションを行いました。
そこで出来上がったのがこちら。
榊という字に丸。といったイメージに見えるかもしれませんが、ちゃんと意味があります。
社長の榊原さんを意味しているのですが周りはバラの花をイメージしてバラ模様で囲ってあります。
そしてこのマークを画像のように一点だけにしてデザインは完成としました。
決して派手なデザインではありませんし、これではどこのメーカーか分からないかもしれません。しかしそれでいいのです。
このパターを気に入ってくれる方が増えてそのうちシルエットだけで朝の練習グリーンで声をかけられる。
「それって榊ですか?」
そんなパターになって欲しいと願いこのデザインにしました。