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榊Putter製品化されるまでの物語 part7

第10章 ヘッドカバー

前回までのあらすじでこの榊パターが完成に近いてきました。
しかしまだまだ完成には遠い榊パターです。

今回は榊パターを保護する為に非常に重要なヘッドカバーについてお話しします。

まずヘッドカバーとは何か?という事について考えてみます。

ヘッドカバーに求める事はヘッド部分を守る事。

これは普通ですね。

しかし私はそのパターカバーを見てどこの商品なのか?そしてどのモデルなのかが分かることが非常に重要だと考えました。

キャディバックに入っている時にどこのメーカーのパターか判断する基準はカバーしかありません。

その理由からパターカバーは派手で高級感溢れる形がいいと考えました。

しかし榊原さんの会社ではカバーを作る事が出来ない為パターカバーを外注する必要がありました。

そしてもう一つ問題となったのがパターカバーを製作する会社が少ない事とある一定のロット数をオーダーしなければいけないという事でした。

しかし榊パターは受注生産のみでの販売という事と月に数本しか生産できないことからロット数をオーダーする事が出来ませんでした。

そこでパターカバーを1からデザインして頂ける会社を探しました。

そして話を聞いて頂ける事になったのが愛知県にある昭和25年創業の皮革材料専門店 愛産商会"Craft Shop Aisan"さんでした。

そこでまずお願いさせて頂いたのが一般的にあるパターカバーの必要は無いのでパターを保護できるデザインを作って下さいという事でした。

そしてそのお願いからわずか一ヶ月。

愛産商会さんから商品の試作が完成したと連絡があり直行。

そこで見たデザインはこれまでゴルフ界で見てきたどのヘッドカバーとも似つかない物でした。

普通のヘッドカバーは被せたりマジックテープなどで固定するものが多い中で愛産商会さんからご提案頂いたデザインは巻くデザインでした。

私はすぐにそのデザインを気に入り、修正点を加えて商品化する事にしました。

そのデザインがこちら。

画像1

とてもパターカバーには見えませんよね?
実際にパターはこのような感じで収まります。

画像2

このデザインであれば間違いなくカバーを見れば榊パターだと分かります。

そしてこのパターカバーは革の質にもこだわっています。

このパターカバーにはADRIAという革を使っています。

バックに詳しい方であればこの革が何の革か分かりますよね?


こうして榊パターのヘッドカバーが完成しました。

そしてこのパターカバー造りで今では良かったと思っている事があります。

それは愛産商会さんとの出会いです。

もし、大量生産のパターカバー会社で作っていたらこのような斬新なデザインのカバーが完成する事はありませんでした。

もし愛産商会さんが心良く引き受けてくれなければこのような作品が完成する事はありませんでした。

出会いって大事ですね。



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