榊Putterが製品化されるまでの物語Part6
第8章 証明書
前回までのあらすじでようやく自信を持ってパターとして売り出せるレベルまで到達した榊Putterですがここからが本当の製品化に向けての取り組みとなります。
パターを完成させる事だけであれば問題はさほどありませんが製品化させるとなると話は別です。
榊Putterがスローガンは10年後にあります。
第2章でお話ししたパターオーラです。
つまり私たちの目標は既に中古品になった時が目標なのです!
車やブランド物のバック、時計など高級品を新品で購入する方がいるのならそれらを中古で売る方も必ずいます。
そして中古品になってから値上がりする物やほとんど値落ちしない商品があります。
榊Putterはそこを目指したいのです。
10年後の中古ショップで堂々とその価値を保てる商品であって欲しい。
中古になっても手を出せない商品であって欲しい。
そんな願いがあるのです。
その為には榊Putterの証明が必要となります。
誰がデザインして、誰がプログラムをして、誰がフィニッシュをしたのか。
ここまで明確にして初めて価値があります。
そこで証明書を作ろうと考えたのですがここで一つ問題なのは
証明書を無くした時点で価値を失うという事です。
証明書が無くなればそれはもう榊Putterでは無いということになります。
そこで考えたのが証明書を捨てないようにするにはどうしたらいいのか?
ということです。
それは紙で発行するのではなく物で発行するのがベストだと考えました。
そして考えついたのがsus 303で証明書を削り出すことでした。
第9章 証明ボックス
証明書と同時に問題となっていたのが梱包用の箱です。
通常大量生産品のクラブはダンボールなどで梱包をし発送することが多いのですが受注生産で製造する榊Putterは大量生産向きではありません。
そこで受注生産に合ったボックスを制作する為に檜でボックスを制作することにしました。
檜は時間が経つと風合が変わり和のイメージを引き出してくれます。
榊Putterと檜の箱の相性は抜群だ!と考えたのですがここでもう一つ問題が発生しました。
それは防虫処理問題です。
海外に発送する為に制作している榊Putterは当然税関を通過します。
その税関で防虫処理されていない木製の物は通らないのです。
仕方なく木製のボックスを諦め、今度取組んだのは
ジュラルミンケースです。
ここでジュラルミンケースと第8章でお話しした証明書がつながります。
ジュラルミンケースにSUS 303で削り出した証明書を取り付けケースを完成させることにしました。
こうしてケース自体が榊Putterの証明となり、ケースとパターが揃ってと初めて
榊Putterとなります。