製作費35万円で世界最高のパターを削る
みなさんの使っているパターはどんなパターでしょうか?
世界には多くのパターが存在していますが本当にいいパターとはどんなパターなのでしょうか?
今回は榊原工機さんと共同で開発している榊PUTTERがほぼ製品化に近いた為、
完成品を2本作る事にしました。
因みに1本あたりの製作費だけで¥165,000です。
ぼったくりだ!と考える方も多いと思いますが実は最高のパターを作ると言うことは本来それくらいの値段がかかるものなのです。
パターの値段は製造方法によって異なります。
製造方法は大きく分けて2種類。
鉄を流し込んで製造する「鋳造」そして鉄の塊から特殊な削り出し機器を使って
削りだされる「削り出し」。
鋳造の方がコスト的には安いのですがやや製品誤差が生じる場合があります。
しかし削り出しの切削機器、「マシニングセンター」を使って削り出す場合、
その誤差はなんと1000/1mm
そして従来の削り出し技術は3軸加工。つまりxyzの方向から削り出されていたのですが、今回採用される削り出し機器はなんと5軸。
そしてその切削機器の値段はなんと¥40,000,000。
そんな削り出し機器を使って1つのパターを削り出していきます。
そしてそのマシニングセンターを使って1つのパターを削り出す時間はなんと
24時間。
更にマシニングセンターを1時間動かすのになんと¥5,000のランニングコストがかかるのです!
と言うわけで本気で削り出すだけでも10万円のコストがかかる事になります。
そして次にこだわるのがパターヘッドの素材です。
ヘッドの素材は軟鉄とステンレスの2種類を採用したいと考えています。
ステンレスは303SUS。軟鉄はSS41(SS400)と言う柔らかい素材を採用します。
本来素材代だけでも1つ¥30,000かかるところなのですが業者価格で¥10,000に抑えることができました。
ここまででも¥110,000のコストがかかっています。
そして次にメッキ処理をしなければなりません。
ここで問題なのが削り出されたパターをメッキ無しで使うのと適当なメッキを採用するのでは大きな違いがあります。
通常ノンメッキで作ると熱によって鉄の密度が変化し変形します。
その変形によりパターの形状は変化します。
そして重要なのがパターのメッキは角が多い為、特殊な加工をしないとうまく定着しないと言うことでした。
そこで榊PUTTERはメッキの上に特殊な加工を加えることでこの問題を解消しました。
それがZERO1コーティングとTICNコーティングです。
このコーティングによって鉄本来のフィーリングをキープし季節や気圧で変形することは無くなりました。
しかしこのメッキ処理は1つ辺り¥60,000します。
メッキ処理代だけでも高級パターを買えてしまう金額になります。
しかし最高のパターにはこれくらいの経費は必要となります。
しかしかける費用はそれだけではありません。
最後にパターを削る刃物にもこだわりがあります。
パターを削る際24時間も刃物を使えば当然切れ味は悪くなります。
しかしだからと言って切れない訳でもないんです。
しかし、新品の刃物を使う場合と使い回した刃物を使うのとでは鉄の模様に違いがあります。
その模様を残すために削る刃は毎回新品に取り替えています。
しかしこれにはさほど経費はかかりません。
1本辺り¥5,000程度です。
せっかくなのでこれくらいの経費は費やしましょう!
ここまででヘッド単体を削り出すのに必要な時間は24時間。
そしてヘッドにかかる経費だけでも¥175,000という事になります。
本当に最高を求めて削り出すパターはこれくらいの経費がかかるのです。
詳しい進行状況はYouTubeにて!
https://www.youtube.com/channel/UCfQmWvseoFz6Ec_Dtf4Q0TQ