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帰りたい現実逃避

今日は会社に行くもやる気がなく、帰ってから絵を描くことばかり考えて、進むのがやたら遅い時計にうんざりな1日。
帰りたい、帰りたいと考えて過ごす8時間を週五回繰り返して私の生活は成り立っている。ああこんなことして何になるんだろうなんて、役に立たない800円を繰り返す。

家に帰ってきてからも帰りたい気持ちは続いて、不思議に思う。私の帰りたい場所はペイントツールソフトの前じゃなかった。私の帰りたい場所は自分の狭い6畳間じゃなかった。帰りたい。あまりにも帰りたくてなんだか涙が出てきてしまいそうになる。どこに帰りたいのかもわかっていないのに帰りたい気持ちが止まらない。

何にもしなくていい、何にも気を使わなくていい、私が私でいるだけで良かった時間、許してくれた場所に帰りたいのか?とも自問自答してみるもなんだか違う気がする。

私は帰りたい。例えば深夜の喫茶店、例えば知らないホテルの浴槽、例えば近所のコインランドリー、例えば雨の日のネオン街。

気怠い灰色の屋上に帰りたい、ここではないどこかに帰りたい。行き先もわからない電車に乗って、知らない町までなし崩しに、私の知らない生活へ連れて帰って欲しい。

難しいことばかりで嫌になる、それでも続く毎日に、ため息もつけないまま、ベルトコンベアに乗せられたように、同じ時間に同じ場所で同じ行動を繰り返して、同じような愚痴を考えては、何事もなかったように飲み込んで、それでも明日もベルトコンベアに乗って、帰りたいと願いながらおなじ毎日を繰り返す。

帰りたい、ここではないどこか、変わりたい、私ではない誰かに。

今からイラストを描く。やわらかい間接照明の下で。木の机の上で、手を動かして。素敵な曲を歌うバンドへ送るイラスト、イベントで出す友達とのイラスト、今月東京で売るイラストを。ここでしか描けない絵を。



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あいのうそこ
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