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黄色い金魚のお話

幼稚園の時、金魚の塗り絵をした。あらかじめ水で溶いた絵の具が入ったバケツがいくつか並べられ、幼稚園児がバケツに群がった。色が混ざるので筆の二度付けは禁止。金魚を、みんな赤色の絵の具で塗った。私だけ、黄色で塗った。

「〇〇ちゃん、金魚やのに黄色で塗ってる。金魚は赤やのに。黄色の金魚なんかおらんのに。先生に言うたろう。」男の子と女の子が2人で先生を呼びに行った。先生が来て、言ったことには、「ほんまやなぁ。黄色い金魚なんかおらんよ。〇〇ちゃん、金魚は赤やで。」

私はただ、決まった色を塗るために退屈な行列に並びたくなかったし、それに他の色も用意されているのに、使われずに捨てられるのがもったいないと思ったから。黄色なら独り占めできたから。人は色々でいいって、自由、自由って、言葉だけじゃないか。その日から、私は、はみ出し者。

今では、黄色や、青色の金魚もいる。何年も前に、テレビのコマーシャルで見た記憶がある。赤色の金魚になろうとするな。黄色い金魚は圧倒的な人材不足だ。黄色い金魚は間違っているという常識の時代から、私は元々黄色い金魚だったし、今では、私は青と赤が混ざったパープルの金魚。

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