RefRainの雑な小話
エモーショナルポストロックバンド 嘯く雨。2024年12月1日にリリースしたミニアルバム「RefRain」の小話をしようと思う。
制作のスタートは確か5月頃で完パケが上がったのが11月29日かなりギリギリだった。
この辺はずっとそんな感じで進んでいるバンドである。
それでは各楽曲を詳しく書いていくとする。
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1. Strobe Light
ストロボライトはこのアルバムで2番目に古い曲。
5拍子の独特なキメから始まるアップチューン。
仮タイトルで閃光となっていたが、カッコ良すぎるという理由で今のタイトルとなった。
BPMは208アルバム内で最速で嘯く雨。で2番目に速い。
このBPMの中途半端さには僕のやらかしがあり…本来は205で作っていたがドラムのプリプロを制作する際に何を間違ったのか208で録ってしまいもう修正も面倒なのでこうなった。
録ってみて一番化けた曲、レコーディングするにあたりベースラインも後半を再構成して珍しく8分で刻んでいたりして割とストレートな感じにもなっているが、この曲ベースの最高音がE♭、そう1弦20フレットまでキッチリ使っていて下から上に目まぐるしく動くしキメも多い曲。
間奏の最後でオクターブ上がってベースが締めるが、その直後に入るドラムのハットが心地良すぎると思う。
最後の終わったと思わせて戻ってくるフェイントもお気に入り。
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2. 耀る
アカルルは2024年の序盤にできた曲。
ベースのコードプレイから始まるが、当初は全楽器同時だったように思う。
イントロをギターロック前としたものを避ける傾向にある(主にGt.のせいなのだが)そうするとヌルッとAメロにシフトしてしまうのでメリハリとしてベーススタートとした。
以前、Vo.すにこのやっていたPOPバンドの毛色に近いメロとなっている。
タイトルは歌詞に光に関する単語がキーになっているので耀(アカル)という一字にちょうどヨルシカの晴るが流行っていてそこからもらった。
ベースのお気に入り箇所は2BとCメロ後半の裏メロを奏でている箇所で弾いてて楽しい曲になっている。(難易度は高め)
普段こういったフレーズは弾かないように思うのだが、このバンドではそれが出てくるので不思議な感覚に陥る。
やはり自分の根底にはJ-POPのベースが居るんだと気付かせられるし、これだからこのバンドはやめられないんだなとつくづく思う。
何気に今一番聴かれている曲になっている。
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3. 藍
アイはバラードが欲しいとなっていた時期にVo.すにこが持ってきた曲。
普段は点の連続な曲だらけだが、これは詰めすぎないことを意識した。
ただ発作の如く小技を出してしまうことは大目に見てほしい、ベーシストとしてのサガだと思う。
細かく書くと1サビ終わりに2和音のスライドフレーズからのタッピング、落ちサビ前に4弦のルートを右手で押さえたままの左手で1弦をプリング・ハンマリングをやっている。(もちろんコーラスを踏みながら)
ソナー音みたいなのをイメージしている。
その際にGt.トムヤが似た感じで被せてくる…ギターはおとなしく余韻になってろと思ったのはここだけの話ではあるが、ギターのレコーディング中に仕事で一時離脱し戻ってくると凄いギターが録れていた記憶はある。
実は、この曲だけ最初にドラムを付けた人がいつもの人ではなかったりする。
タイトルは勝手なイメージで暖色系だったが、すにこ曰く青とのことだったので歌詞にも愛という単語がちょくちょく出てくるため「藍」という漢字に当てはめた。
4. RefRain
リフレインは最も新しい曲。
存在証明のみたいな曲欲しいよね、ということで作り始めたこの曲はプリプロ制作中にまで色々と肉付けしていった。
タイトルはサビの歌詞だけ先にVo.すにこが上げてきた際、すぐに「こんなんタイトル、リフレインだろ」と言った記憶がある。
繰り返すフレーズに雨という単語が入ったらそうなるのは道理である。
この曲はGt.トムヤが発案した拍子、イントロからAメロは6拍子5拍子で構成されている。
ちなみにBメロ3拍子、サビは5拍子、Cメロは4拍子となる。
2AのVo.すにこのラップはライブでの初披露までメンバー誰もああなるとは知らなかった。
ベースとしても一番の聴きどころは2Aでハイポジションから下降していくあのフレーズ。
プリプロであれをまま提出したらGt.トムヤが爆笑していた。
Cメロでのベースのタッピングリフは初見では変拍子に思われがちだが、4拍子である(リフを作った当初は自分でも変拍子だと思っていた)
ここギターは三連なのでポリリズムになっている。
ベースソロが2度もあるのはアウトロで誰も何もしなかったから入れるしかなかった。(本当)
後半のベースソロは音源ではハイポジションで弾いているが、ライブではオクターブ下で弾いている。
リハ中に弾いていたらベースの帯域がスコッと抜けてしまうとなったため急遽そうなった。
ギターのオク下と、ベースのオク下とではベースの指板の広さ故に瞬時に対応するのがなかなか難しいのだが、確かライブ前日のリハで下げろと言い渡されたため当日ミスらないか気が気ではなかった。
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5. Never e(a)nd Ever
ネバーエンド(アンド)エバーは嘯く雨。の結成初期の楽曲。
この曲をいつ収録するべきか長らく悩んでいたが、ここだろうとなった。
前々からこの曲にはピアノを入れたいと個人的には思っており、仕事での繋がりのあった齋藤奈津子(from イチノイー)さんにゲストで弾いてもらえないかとお願いして快く承諾していただいた。
ピアノのフレーズは丸投げして正解だった。
最後を飾るにふさわしい曲に昇華されたと思っている。
曲頭の弾き語り部分はシンセと合わせての一発録りで疲れもあってか1テイクでOKとした。
ベースの聴きどころはラスサビの裏メロだろうか。
この曲と3曲目の藍は、とある方からAlleva-Coppoloというメーカーの5弦PBを借りてレコーディングした。(この曲なんなら4弦すら使わないが)
その甲斐あってオケの中で存在感がありつつも全体とも馴染む音になっているように思う。
それ以降ずっとPBが欲しくて良い物を探している。
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機材
Black Smoker JB (M-1,2,4)
Alleva-Coppolo PB (M-3,5)
Fractal Audio System FM3
EVA電子 Sound Stabilizer Ⅲ
Summit Audio TD-100
Sonic Research ST-300
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終わりに
それなりに満足のいく仕上がりにはなっていると思う。
まだ良くできるなと思う部分も多いにあるが、個人の尺度なのでリスナーの皆さんには楽しんでもらえていたら幸いである。
2025年はいよいよ嘯く雨。も10年目…いつまで続く分からないが楽しく音楽をやっていこうか。
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アルバムクレジット
Composer M-3 : Suniko Maito
All Lyrics : Suniko Maito
All Arrangement : 嘯く雨。
Drum Support : すずきかずや
Recording / Mastering : Narita Koichiro (studio light stuff)
Cover Design : Suniko Maito
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