Blurb(ブラーブ)とは?

アメリカの文芸編集者の仕事の一つにBlurberを探しBlurbをお願いすることがある。

Blurbとは短い作品紹介文で、アメリカの本の裏表紙を見ると大抵2、3は載っている。Blurberとはそれを書いてくれる作家さん。ちなみにこれは無償で提供していただくもので「読むよ」っと返事が来ても実際喜んで読んでもらわない限りは書いてもらえない。それだけに信用できるものかと思いきや。。。

アメリカの作家さんには大抵エージェントがついているので、作家さんまたはエージェントの知り合い、またはベテラン編集者なら過去に編集を担当した作家に頼むことがほとんど。つまり、無償だから純粋に感動しているように見せといて、実はコネクションで書いてる。*大手5社なんかになるとベストセラー作家さんを抱えているのでその方の連絡先も知っているし頼みやすい。

その点、コネのない日本の作家さんと平社員によって出版される日本の翻訳本の場合は自信を持って作品の力がBlurberにBlurbを書かせたと私は自信を持って言える。少ない数でも大変誇らしい。

どのように書いてもらう相手を見つけるか、それはひたすら出版する作品と作家さんに接点があるかをとにかくリサーチするのである、単に同じジャンルというわけではなく何に興味を持っているか。連絡先も色々な調査で見つけ出す。

ところで初めてこの言葉を聞いた時なんだか不思議で仕方なかった。Blurbって響きブヨブヨしたスライムを思い出す。

そこで語源をたどると:Coined by American humorist Gelett Burgess (1866–1951) on a book dust jacket at a trade association dinner in 1907. It said “YES, this is a “BLURB”!” and featured a (fictitious) “Miss Belinda Blurb” shown calling out, described as “in the act of blurbing”.

と1907年にBurgessさんがつくちゃった言葉Blrubが定着したようです。どうりで意味不明なわけだ。

私のエージェント(でもまだ契約書をかわしていないのですが。。。)も出版社に持ち込む前に二人ぐらい書いてくれる人を探してみてと言ってきた。大学時代にお世話になった人に頼むとすぐに承知してくれた。

*アメリカの作家さんは日本とは違い色々な出版社から作品を出すことはしません。一つの出版社、一人の編集者と長くお付き合いします。もちろん何らかの理由で(売上が悪かった、出版社の意向と合わなかった、編集者が転職した)他の出版社にうつることはよくありますが、基本ずっと同じところから作品を出版します。

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