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【マッチレポート】国際親善試合:フットサル日本代表vsキルギス代表【2024/09/20】
試合概略と雑感
前説
待望の高橋健介新監督率いるフットサル日本代表の初国際試合。
ちょうどこの試合の裏では隣国のウズベキスタンでフットサルワールドカップが開催中なこともあり、ワールドカップの試合ではなく国際親善試合というのがなんとも悲しいところではある。
対戦相手のキルギスは2024ワールドカップ予選を兼ねたAFCフットサルアジアカップの初戦で当たり黒星を喫したことは記憶に新しく、日本フットサルがリスタートを切るには格好の相手。
キルギスの監督は以前ペスカドーラ町田を率いていたベルナット氏が続投している模様。
日本代表のメンバは先日noteに記したところから、立川アスレティックFCの上村が辞退して、名古屋オーシャンズの甲斐が追加招集、と思いきや直前でその甲斐も辞退。
甲斐の代替選手は呼ばないということで、当初の予定よりも1名少ない体制となった。
メンバー的には左利きのALAが1枚減ったので綺麗なバランスで3セットを組みづらくなった感じかな。
直前のインタビューでは前監督のやり方を踏襲しつつ、自身の色を出していくと語っていたのがどう表現されるかが非常に楽しみ。
試合概略
この試合のスタートはGKに#1フィウーザ、FPに#4橋本、#6石田、#8堤、#9本石の布陣。
試合開始早々からなんかボールが甘い(空気圧が低い)みたい。
まあそれはおいといて。
前監督時代のようなちんたらしたフットサルとは一変。
難しいことをせずにシンプルな二人組の関係と3人目のランニングを組み合わせていく形。
人もボールもよく動き、縦に早くどんどん裏のスペースに抜け出していく。
相手がハーフに引いた場合には3-1のPIVO攻撃、前線からプレッシャーをかけてきた場合にはPIVOが降りてクアトロの形にも変化と変幻自在。
DFも前から仕掛け、GKへのバックパスに対してもプレッシャーをかけていく。
前半残り17分に幸先よく先制すると直後の前半残り16分にも追加点。
いずれもボールを奪ってのカウンターの形。
その後の前半残り14分頃から出てきたセットがキルギスの前プレをうまく回避できず押し込まれる時間が続く。
平行サポートで保持するのか、裏に蹴りだして前進(もしく安全回避)するのかの意思疎通の問題かも。
#14新井はどちらかというとゴール前で仕事をするタイプで構築がちょっと苦手なところも少し関連してそう。
次のセットで話題のUNIVERSAL#15樋口が出場。
初期配置としてはFIXOながら、#11清水と同セットなことで縦のポジションチェンジを多用していた。
続く前半残り7分ほどから#6石田、#9本石、#13長坂の浦安3選手に#8堤を加えたセット。
所属チームで培った阿吽の呼吸があるので当たり前だけど一番流れがよかった。
前半はこのまま2-0で終了。
後半残り15分。
ファールはなかったが#8堤が相手と交錯し少し傷んだ場面。
キルギスはカウンターのチャンスだったがプレーを止めてボールを蹴りだす。国民性ってこういうところに表れるよね。ナイスプレー。
続いて#14新井のシュートが相手GKの顔面に当たったシーン。
トレーナーらしき人が最後になんかを嗅がせて去っていった。
アジア特有の鼻から吸い込むタイプのメントール気付け薬的な奴だな、あれ。
後半も前半に続いてこの試合は浦安+#8堤のセットのリズムがいい。
もちろんこのセット自体がうまいのもあるけど、キルギスDFの体の向きが悪くて裏とられまくりまクリスティ。
追加点もこのセットがしっかり崩して3点目。
後半残り7分。相手DFに飛ばされた#13長坂が体育館の柱に激突。
#13長坂って1試合に1回はふっ飛ばされて痛めてる気がする。
後半残り3分。
キルギス選手にイエローカードが出たシーン。
確かに腕を振り上げてるものの顔には当たってないような気がするけどどうでしょう??まぁ当たる当たらない以前に肘使っちゃだめよ。
試合終了間際にパワープレー返しから#14新井が追加点。
このまま試合終了で新生日本代表は初戦に勝利。
後説
人数的にはFPが12人いたので3セット組めたとは思うけれども、この試合は基本的には2セット回し。
おそらくこの代表チームでも主力を担うと思われるアルトゥールの不出場と、直前に辞退になった左利きのALAの3人目がいないことの影響によるものなのか、もともとそのコンセプトなのかは不明。
この試合のセット分けはだいたいこんな感じ。
前半①:#6石田、#8堤、#9本石 +(#4橋本 or #13長坂 or #14新井)
前半②:#3伊藤(#15樋口)+#7山中+#10金澤+#11清水(#14新井)
後半①:#6石田、#8堤、#9本石、#13長坂
後半②:#3伊藤(#4橋本)+#7山中(#10金澤)+#11清水+#15樋口(#14新井)
最終盤に出場時間の少なかったメンバーを中心に以下のセットを起用。
後半③:#13長坂、#14新井、#15樋口、#16南雲
前後半ともに①のセットは比較的うまくいっていた一方で、②のセットはちょっと期待した結果にはならなかったような印象。
特に後半①セットは攻撃面でのクオリティは抜群。
ただ、この試合では露呈しなかったが守備面、特にフィジカルベースで押し込まれた場合にちょっと厳しい場面が出てくる可能性があるかも。
初召集の#15樋口と#16南雲について。
#15樋口は複数ポジションこなせるという特徴はこの試合でも見せられていた。
もう一つのフィジカル面での優位性については、そもそもこの試合通して#15樋口に限らずフィジカルで引きずりまわされるような場面がなかったので保留。
あとは良くも悪くもプレーのテンポが遅いので、これをリズムを変えられるとみるか、もう少し判断早くしないととみるかは好みかな。
#16南雲の出番は試合最終盤に少しだけ。
出場できたこと自体はよかった。ただし、プレー時間が少なすぎたのと、出場したセットがいわゆる主力メンバーではなかったこともあり、評価自体は難しい。
ともあれ、親善試合としては出場時間の偏りは少し気になるところではあるが、しっかりと勝てたことは収穫。
次は中一日ですぐに第2戦目。
試合後のTVインタビュー
インタビュアー:勝利おめでとうございます。アジアカップのリベンジになったと思いますがこの試合についてお願いします。
健介監督:まずここまで準備したことをしっかり選手たちがパフォーマンスを発揮してくれたことでこの結果があると思っています。
ただ点差ほど簡単な試合ではなかったですし、自分達がうまくいかない時間帯も多くあったので、そこを次の第2戦で修正して挑みたいと思います。
これがリベンジになったという風には思っていないので、やはりワールドカップ予選という舞台でもう一度試合をして勝つことが出来たときにはじめてリベンジだと思っているので、この試合に勝って我々がリベンジできたとは思っていません。
1stピリオド試合経過
この試合のスタートはGKに#1フィウーザ、FPに#4橋本、#6石田、#8堤、#9本石の布陣。
日本代表の得点(1-0)
前半残り17:03。日本の攻撃。
相手のパスをカットした#8堤からのパスにゴール前の#6石田が合わせてゴール。
相手陣地でのキルギスのキックイン。
GKに戻したところに#6石田がジャンプしてプレッシャーをかける。
相手GKは足元で止めてしまいそのまま#6石田のプレッシャーを受ける。
GKが窮屈な体制で蹴りだしたボールを15m付近で#8堤がパスカット。
#8堤からゴール前でフリーの#6石田へ斜めに鋭いパスが通る。
#6石田がダイレクトで合わせたシュートが相手GKの股の下を通りゴール。
新生日本の初ゴールはWキャプテンの一人#6石田。
前半残り16:52。日本の攻撃。
ゴール正面10mの位置からの直接FK。
#11清水がボールを追い越して左サイドに流れる。
#7山中からフリーの#11清水へパスが渡り、ダイレクトでシュートを放つがニアサイドの相手DFに当たる。
日本代表の得点(2-0)
前半残り16:31。日本の攻撃。
相手のボールを奪った#7山中が単独速攻からゴール。
自陣左サイドでの相手のカットインに対して体を当てて#7山中がボールを奪う。
そのままドリブルで中央を突破しゴール左10mの位置からシュート、と見せかけたフェイントでカバーに来たDFをかわす。
GKの1対1の状況からあらためて左足を振りぬいたシュートがGKの脇を抜けてゴール右に決まる。
前半残り15:36。日本の攻撃。
左サイドでボールを持つ#10金澤に対して#3伊藤が縦ブロックでサポート。
#10金澤はドリブルではなく逆サイドから流れてきた#11清水へ縦パスを選択。
ブロックコンテニューの形で抜け出した#3伊藤に#11清水がダイレクトで折り返すもわずかにタイミング合わず。
前半残り14:10。日本の攻撃。
右サイドの#7山中から中央の#11清水へPIVO当て。
#7山中がワンツーを狙い裏へ抜け出すが、DFがついてくるのを見て中に走るコースを変える。
そこに#11清水から丁寧な落とし。
#7山中がフリーでシュートを放つがゴール上に外れる。
前半残り12:08。日本の攻撃。
CK付近のキックインから#9本石がチョンドンでシュートを放つもゴールバーに当たる。
前半残り10:40。キルギスの攻撃。
左サイドでキルギス#3が#10金澤と1対1。
中へカットインして左足シュートフェイントで#10金澤をかわし、切り返した右足でシュート。
これは#1フィウーザが足でブロック。
前半残り10:24。キルギスの攻撃。
ゴール左45度10mの位置からの直接FK。
日本の壁は段差付きの3枚。
シンプルに中央への横パスからフリーでシュートを放つが横っ飛びでセーブ。
#3伊藤が飛び出して下のコースをしっかり消していたものの守備の陣形はこれで合ってた?
もう一枚キルギスの#10が#3とスリーオンラインのような形になっていたらやられていた気がする。
前半残り9:30。日本の攻撃。
左サイドの高い位置で#11清水が相手2枚に囲まれながらキープ。
反転しながら左足で出したパスがゴール中央でフリーの#15樋口のもとへ。
右足で合わせるが相手DFと相手GKがなんとかブロック。
前半残り9:03。キルギスの攻撃。
中パラの形からGKと1対1になるが#1フィウーザがブロック。
前半残り5:30。日本の攻撃。
#9本石が降りてクアトロでのボール回し。
右サイドの#8堤がボールを持ったところで#9本石がパラレラのランニング。
それに対してキルギスのDF2枚がつられたところで、#8堤から空いたスペースへ飛び出した#13長坂へ斜めのパス。
#13長坂がダイレクトで合わせるがGK正面。
前半残り4:30。日本の攻撃。
ハーフライン付近左サイドでボールを持つ#6石田に対して、#8堤がブロックでサポート。
キルギスDFが残ったのを見て#6石田は後ろ足パスで#9本石へのPIVO当て。
#9本石はダイレクトでランニングで相手の裏を取ったゴール中央の#8堤へ。
#8堤の左足シュートはゴール左に外れる。
前半残り2:40。キルギスの攻撃。
GK攻撃からアラアラを飛ばされてDFの旋回が間に合わずにGKと1対1になるが#1フィウーザがブロック。
前半残り1:42。日本の攻撃。
#10金澤がスピードで左サイドを縦突破。
右足トゥーキックでファーサイドを狙うがGKがセーブ。
2ndピリオド試合経過
後半残り18:33。日本の攻撃。
右サイドで相手を挟み込みボールがこぼれたところを#11清水が拾い、ゴールまで15mの位置から豪華に右足シュートを放つがGKがなんとかはじく。
後半残り18:30。日本の攻撃。
CKの下げ球をゴール中央12mの位置から#11清水がシュート。
GKがはじいてこぼれたボールを#7山中がシュートを放つが再び相手GKgaブロック。
後半残り17:44。日本の攻撃。
中央の#3伊藤がDFの矢印の逆を突いて右サイドの裏のスペースへ浮き球のパス。
そのパスに走りこんだ#7山中が少し運んでトゥーキックのシュートを放つがキーパーがわずかに触りゴール上に外れる。
後半残り16:09。日本の攻撃。
自陣左サイドの#6石田から相手の裏を取り走り出した右サイド奥のスペースの#13長坂へロングボール。
足を延ばしてトラップするが若干流れて相手がクリア。
そのボールを拾った#9本石が左サイドから中央の#13長坂へパス。
#13長坂は後ろ足でゴールに流し込もうとするが相手GKがセーブ。
後半残り15:51。日本の攻撃。
左サイドのキックイン。
#6石田と#13長坂が近い距離でポジションチェンジしながら最後はピサーダで#6石田へ。
そのタイミングで右サイドの裏を取った#8堤へ#6石田からダイレクトパス。
#8堤がダイレクトで合わせるが相手GKがブロック。
後半残り13:58。日本の攻撃。
左サイドの#13長坂から中央の#9本石へダイレクトのPIVO当て。
#9本石は#13長坂へのワンツーをおとりに右サイドに反転してシュートを放つが、フリーすぎたようで少し力んだかゴール左に外れる。
後半残り13:44。日本の攻撃。
自陣の中央エリアでの#13長坂とのワンツーで#8堤が抜け出すが、相手DFがクリア。
そのボールが#13長坂のもとへ転がり、ダイレクトでフリーの#8堤へ。
#8堤のシュートは相手GKがブロック。
後半残り12:47。日本の攻撃。
右サイドから左サイドゴール前へピッチを斜めに横断した#13長坂に自陣の#8堤からロングボールが通り、#13長坂がダイレクトで合わせる。
シュートは相手GKが触れゴール方向にゆっくり転がるが、相手DFが回収。
後半残り11:16。キルギスの攻撃。
ラインカットで入ってきた#14新井が中央でボールを受けて左サイドの#10金澤とワンツーを狙うが、相手DFがパスカット。
そのまま持ち込まれ左足シュートを放つがスライディングしたDFにあたりゴール右に外れる。
後半残り10:54。日本の攻撃。
左サイドの#10金澤と#11清水がカーテンでポジションチェンジ。
フリーの#11清水から前線の#4新井へ浮き球のパスが通る。
#4新井はダイレクトでゴール中央に走りこんだ#10金澤へ折り返す。
#10金澤のジャンピングボレーは相手GKがセーブ。
後半残り10:00。日本の攻撃。
相手GKへのバックパスに対して#10金澤がプレッシャー。
やむなく前線へ蹴ったボールを#11清水がカットしてカウンター。
#11清水は少し運ぶと右サイドでフリーの#14新井へパス。
ワントラップしてシュートを放つが相手GKが顔面でブロック。
日本の得点(3-0)
後半残り9:06。日本の攻撃。
ゴール前に抜け出した#6石田が相手GKとの1対1を決める。
前線の#9本石がキープして時間を作ったのち、一度ボールを下げて構築しなおす。
左サイドでボールを持った#13長坂に対して降りながら#9本石が少し近寄る。
#9本石が空けたスペースに最後尾の#6石田がランニング。
それを認知した#13長坂は中にボールを運ぶと#9本石はブロックでサポート。
フリーになった#13長坂からの中パラのパスがゴール中央の#6石田へ通る。
#6石田はダイレクトで放ったシュートは相手GKの腕の下に当たるが、ゆっくり転がりながらゴールに吸い込まれた。
後半残り8:18。キルギスの攻撃。
ピッチ中央のルーズボールをキルギスが拾い右サイドへ展開。
強引に放ったシュートがゴール前で日本とキルギスの選手がもつれてこぼれる。
倒れたキルギスの選手がそのままシュートを放つが#1フィウーザがブロック。
後半残り8:10。キルギスの攻撃。
続くCK。
ニアに立っていた#13長坂の足に当たったボールがゴールに向かうが、#1フィウーザが肩ではじき出す。
後半残り6:30。日本の攻撃。
#6石田から裏へ抜け出した#8堤へロングボールが通る。
#8堤のトラップに対して相手GKが飛び出してクリアするが、こぼれ球が#13長坂のもとへ。
ゴール中央15mの位置から#13長坂がふわりとシュートを放つが相手DFが何とかクリア。
後半残り4:48。日本の攻撃。
CKの下げ球を#7山中が受けてドリブル。
#3伊藤がブロックに入りフリーになった#7山中が右足でシュートを放つが相手GKがブロック。
後半残り4:21。日本の攻撃。
キックインからの浮き球を#7山中がダイレクトボレー。相手GKがはじく。
後半残り2:56。キルギスの攻撃。
#15樋口から#13長坂へのパラレラのパスが相手DFに引っ掛かり奪われる。
パスをつながれゴール中央からシュートを放たれるが#1フィウーザがブロック。
日本の得点(4-0)
後半残り0:00。日本の攻撃。
ゴールポストの跳ね返りを#14新井が頭で押し込む。
キルギスは残り時間を少なくなったところでGK攻撃を選択。
GKが放ったロングシュートは#1フィウーザがしっかりキャッチ。
パワープレー返しのパントキックは2バウンドしてゴールの左ポストに当たって跳ね返るが、#14新井が頭で押し込んだ。
ちなみに#13長坂もしっかり詰めていた。
#14新井のブザービートでタイムアップ。
データ
1stピリオド出場時間
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2ndピリオド出場時間
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