地獄の情シス（はじめに）

一昨年、2度目の転職を経験し、
それまでとは全く違う労働環境の差に唖然とした
ほとんどがプロパーで成り立っている都心の会社は、
そこで働く人たちにとっても、外からくる人は異端であり、
外の世界に興味津々のようなので、少しずつ思い出しながら、
ストーリー形式の備忘録を綴っていきたいと思う

前職についたのは約10年ほど前のこと
新卒から十数年働いた会社を意を決して退職し、アパートから、実家に戻った

辞めた理由は、これ以上、ここに停滞してるわけにはいかないという、
恐怖感だったと思う
入社時から、会社に対して、なんの愛着もなく、それは10年たっても変わらず、
情シスの仕事といえば業務改善が主であるべきなのに、
良くも悪くも、組織的な業務は、与えられた仕事が全てで、
自分の可能性をそれ以上広げることが難しいと思った
実際にそうだったかどうかは、わからない
そういうものでしょ、20代っていうのは

いい会社に入り、いい上司や先輩に、社会人とはどうあるべきか、
情シスとは何をすべきかをしっかり身につけさせてもらったと気づくに、
20年かかった

退職後は、約一年もの間、自由を楽しみつつ、転職活動を行なった
その間に、離婚と、再婚を経験し、まさに人生の転機だった

そして、地方の情報システムという職種の少なさに唖然とした
どこもかしこも情報システム専任ではなく、兼任という立ち位置
それも致し方ないだろうと諦めかけていた頃、
新システムの構築、立ち上げ、新工場のインフラ構築という、
ワクワクと、やりがいしかない会社に出会い、内定をいただく

内定をいただくも、別の会社役員があって話がしたいとのことで、
入社前に再度、埼玉にある本社へと足を運んだ
今度は、どんな相談事があるのかと期待と不安の中、
内定をくださった人事担当者と、役員との三者の面談が始まった

先だって聞いていた課題の確認と、会社の状況の詳細を聞いた
どれもこれも自分の10年の経験の範疇だったので、
チャレンジレベルではあるものの、おそらくいい結果が出せるだろうとの
話をしたと思う
そして、そこでの驚いた一言が役員からあった
「で、開発が終わったら何やる？新社屋のインフラ整備が終わったら何やる？
やること無くなったら、生産管理でもやる？」
開いた口が塞がらなかった
なんと答えたか覚えていない
家に帰る間もなく、人事担当者に電話し、丁寧にお断りした

所詮、田舎の零細企業
少しでも期待した自分がバカだった
また、一から就活のやり直しかなんて思っていた矢先、
再度、人事担当から電話があった
「先日の無礼、お詫びしたい。謝罪と処遇の話をさせていただきたく、
もう一度、本社にお越しいただくことは、できないでしょうか」

おいおい、こんなことあるのか
改めて、人事担当と、役員から謝罪があり、ぜひ採用させてほしいとのことだったので、
快く承諾し、帰路についたのだが、話はここで終わらない
それから数日経った頃、また人事担当から電話があった

この時、就活はエージェントを使っていたわけで、
たくさんの会社の紹介と、履歴書や経歴書の添削など、多くのことをサポートしてもらっていた
そして、いざ会社との契約となったときに、紹介料として、それなりの金額が、
会社に請求されたわけだが、無料の求人サイトしか使ったことがない会社で、
金がかかるなどとは知らなかったとのこと
お金が払えないので、改めて職安から採用したいので、手続きをしてほしいとのこと

どう考えても契約違反
リテラシーもクソもない人事
金のない会社
この時にしっかり気づくべきだった

そして、地獄の情シスが始まった