立憲民主党の本多平直議員を叩くのはおかしい。免責特権を知らない馬鹿が民主主義を語るな。
なぜ謝罪させるまで追いつめるのだろう。
そして、これは誰に対する謝罪なのだろう。
例えば、「大麻を解禁しろ」と主張する人がいたとして、その意見に賛成、反対はそれぞれあると思うが、それを「けしからん発言だ」として咎める人はいないのではないか。
言うまでもなく、現行法では大麻は違法である。つまり社会的には、大麻はアカンということになっているのだ。だとすれば「大麻を解禁しろ」は、してはいけない主張、ということになるのではないだろうか。
しかし、そうしてしまったら、何も主張できなくなる。例えば「税金安くしろ」という主張をしたからといって、その人が脱税したがっているということには、ならない。だから、現行法ではアカンことであっても、主張するだけなら、していいはずだ。
もちろん、本多議員の発言が多くの人が首をかしげるものであったことには私も同意する。彼の主張は、民主的な手続きによって否定されるべきだろう。しかし、だからといって、彼の人格を否定したり、性癖を詮索したりするのは、私は良くないことだと思う。単に、法案に対する私見を言っただけで「失言」扱いされてしまうのでは、たとえ法案に欠陥があっても、迂闊なことは言えなくなってしまう。
国会議員には免責特権というものがある。
日本国憲法
第五十一条 両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。
日本の報道関係者は、もしかしてこの条文を知らないのではないだろうか。
国会議員が、その時代やその国の、常識とか、道徳とか、世相とか、そういうものに縛られて、自由闊達な議論ができなくなることは、民主主義の死を意味する。
もちろん、常識的に考えれば、50歳と14歳が性交することは、おかしいし、不道徳だと思う。だが、不道徳であるということと、逮捕に値するか否かという話は、別問題だ。本多議員の発言をちゃんと聞いてないので確かなことは言えないが、彼は「逮捕されるのはおかしい」と言っただけで、「おじさんと中学生がエッチしたって別にいいだろ!」とは言ってないのではないかと思う。
少なくとも現行法では、合法と言ってしまっては語弊があるかもしれないが、大麻のように明確に禁止されているわけではない。つまり、現行法で合法(?)とされていることを、合法のままにしておくべきだと発言したら叩かれるというのは、ちょっと常軌を逸しているのではないか。
身内に甘いという批判も分からないでもないが、だからといって、免責特権を無視して彼に厳しい処分を下すようでは、免責特権は有名無実化してしまう。つまり、身内に甘いことが問題なのではなく、与党に対する揚げ足取りや言葉狩りがひどすぎることが問題なのだ。
私はダブルスタンダードが大嫌いだ。与党議員の「失言」も、野党議員の「失言」も、どちらも庇う。
もちろん「失言」の内容もよるが。