多分それは平和だから
ここ最近、「ジェンダー平等」に関する話題を目にしない日がないくらい、「ジェンダー平等」がある種の流行になってる感はありますが、正直こういう状況って個人的ににはシンドイです。もちろん興味ないわけではないけど私の中でこの話題に関する優先順位は正直言ってそれほど高くないのに、この手の話題ばかりシャワーのように毎日降り注いでくるわけで、その主張や意見が納得できるものなら別に良いんですけど、トンチンカンなことを言ってるなあと思ってしまうことも少なくなく、そういう主張や意見を見かけると黙っていられない病気なので、どうしても何か言いたくなり、そっちにリソースを奪われて、他に自分が言いたいことが言えなくなってしまう、的な。
まあ、そんなのおまえのせいやろって言われたら身も蓋もないんですが。
で、ここ最近なんでこんなに急激に猫も杓子もジェンダー平等、ジェンダー平等ってバカの一つ覚えみたいに騒ぎ始めたかって考えると、思い当たるふしがないんですよね。例えば猫も杓子も原発反対って言ってた頃って、福島第一原発事故という非常に分かりやすいきっかけがあったじゃないですか。あるいはBLM運動だったら黒人青年が警察官に射殺された事件とか。でもジェンダー平等に関しては、そういうきっかけとなる象徴的なトピックが見当たらない。
しいて言えばmetoo運動が嚆矢になったのかな?という気がしなくもないけど、あれはセクハラや性暴力に抗議する運動であって、女性の国会議員や管理職を増やそうって運動ではないわけで、広い意味で「女性の権利」という共通項はあれど、ちょっと手を広げすぎなんじゃないの?って思います。
あるいは2015年に国連総会で採択されたSGDsのほうがきっかけなのかもしれないけど、なんか色んな要求を一気に色々出しすぎてて気持ち悪いんですよね。国会議員の半分を女性にしろとか、女系天皇を認めろとか、選択的夫婦別姓にしろとか、色々詰め込みすぎだと思います。
こうやって、この機に乗じてあれもこれも、みたいなことやってると、一気に反動が襲ってくるんじゃないでしょうかね。それでなくても、「ジェンダー平等」を声高に叫ぶ人は、独善的で、論理的な部分の詰めが甘い人が多いと思いますし。
でも、ジェンダー平等がこれだけ騒がれてる一番の理由って、多分いまが平和だからですよね。他に騒ぐべきことがないってことなんじゃないかと。本当はロヒンギャの問題とかウイグルの問題とか、ミャンマーや香港の民主化運動に対する不当な弾圧とか、深刻な問題も沢山あるけど、みんなそれを他人事としか思ってないからね。日本国内に限って言えば平和。
それと、あの人たちってBLM運動とかmetoo運動みたいな欧米発祥の運動には強い関心を持つけど、ロヒンギャやウイグルみたいなアジアの問題には冷淡な傾向ありますよね。もちろん全員がそうだと言ってるわけじゃないですよ。でも傾向としては確実にあると思う。それって意識高すぎてアジアの未開な国の問題なんてどうでもよいってことなんでしょうかね。