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香山リカさんは共同通信に怒るべきではないのか?
香山リカさんがご立腹だ。
"香山リカの本名が「金梨花」だということは、10年以上前からネットでは常識だと言わんばかりに普通に記載されていた"
— 香山リカ (@rkayama) April 4, 2020
私は日本人だし本名はそれじゃない。約15年前から何千回も言い続けてきた。なのに今日も新たにこのデマがブログで拡散される。闘いがいありすぎやろ…https://t.co/Rtv6ozOSst
確かに、デマは撲滅されるべきである。
しかし、そもそもデマの発信源は共同通信である。
時系列で追っていこう。
こちらの記事が、中日新聞の紙面に掲載されていたそうだ。おそらく、2019年(昨年)の3月25日付かと思われる。
赤枠の箇所に注目だ。そのまま引用しよう。
また、障害年金の診断も行っている精神科医の香山リカ氏のツイッターに「さすが金梨花さん」などと返信、香山氏の本名も投稿していた。
この記事だけ読めば、うっかり「香山さんの本名は金梨花」と誤解しても仕方ない。デマ記事とまでは言わないが、非常に誤解を招きやすい記事である。仮にも文章を生業としている記者にしては、あまりにお粗末な国語力である。
この文章を正確に読み解くなら、
「さすが金梨花さん」などと返信、(また、それ以外に)香山氏の本名も投稿していた。
という意味であり、金梨花という名前らしき文字と、香山さんの本名は別個なのだが、大変分かりにくい。
ところで、この記事は中日新聞の記事ではなく、共同通信の配信記事である。なので、中日新聞だけではなく、全国の地方紙に掲載されている。ネットでニュース記事を検索したところ、すでに削除されていたが、キャッシュが残っていた。
キャッシュはいずれ削除されると思うので、スクショしておいた。
途中まで読むと、先の記事と全く同じ文面であることがわかるが、最後のほうが違っており
・金梨花という名前は香山さんと無関係
・先の記事では香山さんへの取材の部分はなかったが追加されている
ことがわかる。おそらく、香山さんが記事を見て共同通信に抗議し、共同通信が慌てて訂正したのだろうと推測できる。
ということは、共同通信の記者は国語力がないのではなく、本当に香山さんの本名を金梨花だと思っていた可能性もある。
しかし、記事差し替えで済ませて訂正も謝罪もしないのは「謝ったら死ぬ病」を患っているマスメディアの病理としか言いようがない。
しかし、ネットの記事は簡単に差し替えることができても、一度紙面に刷ってしまった記事は取り返しがつかない。このようにスクショされて、デジタルタトゥーとして半永久的にネットに漂い続けることになる。その原因を作ったのは間違いなく共同通信だ。
しかし、香山リカさんは、デマを拡散するネトウヨには怒っても、そもそもデマの発信源となった共同通信に対しては随分と静かだ。
もしかして、共同通信に対しては、仲間意識でもあるのかな?