右翼も左翼も「父権制イデオロギー」の双生児

このまとめのコメント欄で、「他人 @Messiah_Justo」さんが、とても良いことを言っておられましたので、そっくりそのまま転載いたします。

この世のどこかに世界の事象を一手に握るマニピュレイター(=お父さん)が存在しており、世の中が「こんな風」なのは<お父さん>による収奪と抑圧の結果である、という前提を採用する社会理論を「父権制イデオロギー」と呼びます。「世の中がこんなに素晴らしいのはお父さんのおかげだ」というのも「世の中がこんなに悪いのはお父さんのせいだ」というのもどちらも同じ「父権制イデオロギー」です。
だから…本人の意図はどうあれ、世の中に「諸悪の根源」というものがあって、今起きていることのすべては「それ(=お父さん)」で説明できる、という命題を語る人は、そうすることで「父権制イデオロギー」を宣布しているわけです。このような「お父さん」は世界のあらゆる社会集団の中に存在します。それは「神」と呼ばれることもあります。「資本主義」と呼ばれることもあります。「国王」とか「政府」とか「資本家」とか「ブルジョア」とか「市場原理」とか「歴史の審判」とか「学校の先生」と呼ばれることもあります。
世界のどこにあっても「お父さん」は同じ扱いを受けていますが、場所ごとに呼び方は異なります。もちろん、日本において「お父さん」とは「天皇」のことです。「天皇(=お父さん)こそが我々を無能・無力(子供)にとどめおいているのだ」という「批判」はそのまま「天皇こそが我々の父であり、秩序の制定者であるのだ」と語っているのと同じことになるのです。したがって無邪気な天皇制批判は右翼の天皇論の双生児とように似てくるのです。

いわゆる「反体制イデオロギー」が、どこか甘ったれたお坊ちゃんの主張のように見えてしまうのは、その言動の背景に体制依存が透けて見えてしまうからなんですよね。

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