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「石破茂はマスコミに推されている」は間違い。石破1番人気のカラクリ。

各種世論調査で石破茂氏への支持が高いことについて、特に保守系の人達から疑問の声が数多く上がっています。

が、結論からいうと、それらの声は全て間違っています。

石破茂氏は、間違いなく、世論調査で圧倒的に高い支持を得ています。

そもそも、世間の人はそんなに政治家の名前を知らない。

世間の誰もが知っている政治家と言えば、安倍総理、小泉進次郎、石破茂、この3人がスリートップなのは間違いないです。なので、無作為に調査すれば、絶対にこの3人が上位になるのは当然です。だって、この3人しか知らないんだから。

これは、去年の5月の記事です。安倍総理と小泉氏が同点で1位、そして3位に石破氏、さらに4位に菅氏が急浮上したというニュースです。

さて、菅氏はどうして急に4位に浮上したのでしょう。

ただ、「令和」と書かれた額を持ってカメラの前にいただけですよ。

そう、政策がどうとか、何を成し遂げたとか、関係ないんですよ。ただ、たくさんテレビに映ったから急上昇しただけです。

なぜ石破氏は知名度が高いのか。

要するに、世論調査における「次の首相」は、ただの知名度調査にしかなっておらず、世論調査の体をなしていないのです。

では、石破氏はなぜ知名度が高いのでしょう。

安倍氏は総理大臣だから知名度が高いのは当たり前ですし、小泉氏はあの小泉純一郎氏の息子さん(しかも若くてイケメン)ということで政界デビュー当初から物凄い注目を集めてました。

しかし、石破氏にはそういったブランドはありません。では、なぜ知名度が高いのでしょう。

1つには、過去3回、総裁選にチャレンジしているということが挙げられます。やはり、総裁選というのは、政治家にとっては名前を売るチャンスでもあります。3度も挑戦している政治家は、今の自民党には安倍、麻生の2人を除いたら他にいませんし、2回挑戦したのも石原伸晃氏だけです。

そしてもう1つは、積極的にテレビに出演しているということも挙げられます。お堅い政治番組だけではなく、バラエティ番組にも積極的に出演されておられます。そして、テレビに出たいがために、ついついテレビ受けの良いことを言ってしまうのでしょう。それが「後ろから撃つ」と言われてしまう原因にもなっているような気がします。

これは小泉氏にも似たような傾向がありますが、小泉氏の場合はテレビに出たいというよりも、マスメディアが勝手に寄ってくるのでついついリップサービスしてしまっている、という気がします。

党内の地盤が弱い石破氏は、総理・総裁になるには、世論の支持だけが頼みの綱なので、テレビ局に積極的に媚びを売り、自身の売り込みをかけているのです。

もしも石破氏が新党結成したら?

橋下さんの言う通り、石破氏が離党して新党結成したらどうなるでしょう。

丁度良いサンプルがあります。

2010年に自民党を離党(受理されず、除名)して、新党改革という政党を立ち上げた、舛添要一氏です。

舛添氏は、現在の石破氏と同様に、世論調査で圧倒的な支持を集めていました。そして、自民党所属議員の立場で、自民党や谷垣総裁に対する激しい批判を繰り返していました。

ところが、いざ新党を結成してみたら、舛添氏以外の顔ぶれがパッとしないこともあってか、政党支持率は伸び悩み、その後の参議院選挙でも僅か1議席しか取れず、舛添氏の期待はみるみる失われていきました。

これも、舛添氏が単にテレビタレント出身で絶大な知名度を誇っていたから世論調査で高い数値が出ていただけで、熱心なファンはほとんど存在せず、地に足の着いた人気はなかったのです。

世論調査からは見えない「支持の熱量」

それに比べると、安倍総理の人気は本物です。一度総理を辞めて、さらに自民党も野党に転落して、政治家としては完全に終わったかに見えたところから奇跡の大復活を成し遂げたのは、再起を信じてやまない熱心な支持者が、日本全国に大勢いたからです。だから、アンチが必死に叩いても安倍内閣の支持率は30%を下回ることがほとんどなかったのです。

「うーん、この中なら石破さんかなー」みたいな、大して考えてない人の一票も、「安倍さん以外に誰がいるんだよ?安倍さんしか絶対ありえねえ!」っていう人の一票も、世論調査では同じ1票ですからね。世論調査の数字だけ見ていただけでは、その支持の中身、支持の熱量は見えないのです。

ホントの人気1位はだれ?

Yahooが行った人気投票では、河野太郎氏が石破氏に大差をつけてぶっちぎりの1位という結果になってます。マスコミ各社の世論調査の結果と大きく乖離してしまっています。どうしてこういうことが起きるのでしょう。

J-CASTニュースの解説はデタラメで、世論調査の仕組みを理解していないとしか思えません。

Yahooの人気投票は、参加者が自ら投票フォームを開き、クリックして送信しなければなりません。「この中だったら石破さんかなー」程度の人が、わざわざそんな作業をするでしょうか。するわけないですよね。

つまり、Yahooの投票に参加する人は、ある程度政治に詳しくて(政治家の名前を最低10人はスラスラと言える)、なおかつ、意中の政治家がある程度絞れている人が多いはずです。

そこで河野氏がぶっちぎりの1位ということは、つまり、今もっとも世間から熱い支持を得ているのが河野氏であるということです。

しかし、河野氏の知名度はまだ石破氏には及ばないため、無作為抽出の世論調査では、石破氏に負けるのです。

しかし、河野氏も知名度を急浮上させており、マスコミ各社の世論調査でも常に2位か3位に入るまでにはなってきてますので、石破氏と河野氏が逆転する日はそう遠くないと思います。

忘れてはいけない、日本未来の党

これは蛇足かもしれませんが、2012~2013年に、ごく短期間だけ存在した日本未来の党のことも言及しておきたいと思います。同党は、世論調査における支持率は低迷しておりましたが、Yahooやロイターなどのアンケート形式のウェブサイトでは圧倒的支持を得ていました。もちろん、支持者による多重投票などもなくはなかったでしょうが、そももそ支持者の熱量が圧倒的に違ったのです。めちゃくちゃ熱かった。日刊ゲンダイなどは、このアンケート結果を信じて、同党が圧勝するという記事を繰り返し書いてました。

しかし、熱かったのは支持者だけで、日本未来の党を支持しない人たちからは冷めた目で見られておりました。結局、最後までこの温度差は埋められず、日本未来の党は世論調査通り惨敗してしまいました。新党結成から選挙までの期間があまりにも短すぎて、十分に政党名を浸透させることができなかったことも敗因の1つではないかと思います。


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