それは夫婦別姓論とは関係ないです。そもそも日本は今でも夫婦別姓です。
同姓でも別姓でも、好きな方を選べばいい。
それが選択的夫婦別姓の趣旨だ。
だがその前に、
当の昔になくなったはずの「家制度」がいまだにはびこっている状況を、
一度考え直した方がいいのではないか。
結局、その価値観がまだまだ根強いから、
「別姓にすると家族の絆が・・・」という人が出てくるのだ。
今の夫婦同姓の制度は、
妻である女性が「夫の従属」になってしまう状況を作り出している。
この筆者さんは、大きな勘違いをしています。なぜこのような勘違いが生じるかと言うと、海外の歴史に無知であり、日本の歴史に無知だからです。
無知であることは悪い事ではありません。私もまだまだ知らないことのほうが多いです。
そもそも、現在でも日本は「夫婦別姓」なのです。え?そんな馬鹿な?
現行法上、夫婦で異なるのは「姓」ではなく「氏」です。
現行法では、すでに「姓」は廃止されており、「氏」だけが使用されています。
したがって「現在でも日本は夫婦別姓」というのは、正確ではありません。ただし、「夫婦別姓」時代のしきたりは、残っている。
ではその、「夫婦別姓のしきたり」とは何か。それは、中国や韓国を見れば分かります。
中国や韓国では、女性は結婚しても旧姓のままです。つまり「非選択的夫婦別姓」なわけです。
中国、韓国、日本の婚姻制度はとても似通っていますが、日本だけが明治時代にいち早く西洋化して、西洋風の婚姻制度を採り入れました。それが「夫婦同氏」です。「夫婦同姓」ではありません。「姓」は廃止されました。
しかし、制度だけ取り入れても、人のオツムの中身は簡単には入れ替わりません。夫婦別姓時代の家長制的なしきたりは、その後も一世紀以上に渡って、現在までしぶとく残っているわけです。
時代はどんどん変化しているのに、なんでそんな古い考えの人がいるんだ!って憤る気持ちは分からなくもないですが、人のオツムの中身は簡単には入れ替わりません。例えば現在70歳前後の人たちのオツムは、昭和30~40年代には、ほとんど完成されてしまっているのです。
そんな人たちを責めたって、しょうがないでしょう。彼らに考え方を変えろというのは至難の業です。人の寿命が伸びることは、良い事ばかりではなく、このような弊害もあるんだな、と割り切るしかないです。
そして、現在マスメディアや政治家が声を挙げている「選択的夫婦別姓」は、そもそも用語が間違っており「選択的夫婦別氏」と言い直すべきです。
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