「ディープステート」と日本会議
ここ最近、有識者、知識人と呼ばれる方々が総出で「Qアノン」バッシングに勤しんでいる。
私もQアノンに対しては批判的な立場なので、そのこと自体には何の異論もないのだが、ちょっとひっかかることがある。
それは、彼らがかつて日本会議について何と言っていたか、と言うことだ。
数年前、「安倍政権のバックには日本会議がいて、政界を支配している」、みたいな主張が、特にネットメディアに溢れていた。
彼らはそのことについてどう総括しているのかなあ。まあ、何も総括してないんだろうけど。
もちろん、左派の全てが日本会議による支配を信じていたわけではない。
元朝日新聞記者の烏賀陽弘道氏などは、この日本会議陰謀説を批判しておられた。
だが、望月衣塑子記者を筆頭に、日本会議陰謀説を信じるマスコミ関係者はとても大勢いたことも事実。そして彼らに共通するのは、安倍政権に対して否定的な考えを持っていたということだ。
映画 #主戦場 を鑑賞。とにかく面白かった。 #ミキ・デザキ 監督も上映後に会見。 #日本会議 が #安倍晋三 というアイコン使い #慰安婦 の強制性をどう排除しようとしてきたか。日本の再軍備化の先に何があるかなど、日本の政治問題を深く検証する作品だ。皆に観て欲しい。 https://t.co/JTrtP1I4tZ
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) May 1, 2019
安倍政権に否定的な人は日本会議陰謀説に飛びつき、トランプ政権を支持する人はQアノンに飛びつく。結局、自分の信じたいことだけを信じるタイプの人が大勢いるってことなんだろうなあ。売文屋にとっては彼らは良いカモだ。
日本会議陰謀説は、少なくとも日本国内ではQアノンによるディープステート陰謀説よりもはるかに多く取り上げられていた。
それらの記事の多くは、日本会議陰謀説を否定するものではなく、日本会議が政界を牛耳っている前提で政権批判をする記事だった。だからこそ、彼らにQアノンを批判する資格があるのか?と言いたくなるわけだ。
ところで、動画のラストで、かつて社民党から参院選に立候補して落選した増山麗奈さんが「Qアノンから脱却した人(つまり、元Qアノン信者)」として出演されておられてびっくりした。Qアノンを信じる人はネトウヨだけではなく山本太郎系左派にも多いと聞いたことがあるが、彼女もその1人だったんだろうか。ちなみに彼女の夫はフリージャーナリストの志葉玲さんがだ、志葉さんは奥さんがQアノンにハマってた時に何も言わなかったんだろうか?
志葉さん、なんだか自分の都合よく「ディープステート」を解釈しちゃってますね。こういう使い勝手の良さが、ディープステート陰謀説が支持された理由なのかも。
自分が嫌いなもの、憎むべきものを全部ひっくるめて「ディープステート」とか「日本会議」とか、そういうよくわからないもののせいにしておけば、何でもかんでもそいつが悪いって言えるから便利なんだろうね。あとは「統一教会」「ロスチャイルド」「フリーメーソン」「イルミナティ」なんかもそうだろう。
ただし、「日本会議」「統一教会」「ロスチャイルド」「フリーメーソン」「イルミナティ」は、組織自体はどれも実在する(あるいは、過去に実在した)。「ディープステート」だけが実在しないのだ。