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#逆噴射プラクティス
〈黒い砂漠の地下迷宮〉
⒈ 君は息が詰まりそうなカビ臭さに顔をしかめながら暗い通路を進む。思い描いた冒険生活と現実の落差に悪態をつきながら十字路に差し掛かる。
直進する→7へ 左に曲がる→18へ 右へ曲がる→21へ
⒉ 背後から音を立てて壁が迫って来る。残された時間はわずかだ。君はロープをもう一度確認し、ゆっくり渡り出した。敏捷度でチェックせよ。
成功→36へ 失敗→14へ
⒊ 君はゴブリンから剣を引き抜き、
大豪寺勉の孤独な闘い
(ハァ…ハァ…)
嫌な汗がとめどなく流れる。
(なんで…あの時…)
悔やんでも、もう遅い。
(進め…とにかく進むんだ…)
そう、私は今…
腹 が 痛 い 。
この大豪寺勉、自分で言うのもなんだが輝かしい道を歩いてきた。
スポーツ万能、容姿端麗、難関校を常にトップで卒業し、誰もが羨む大企業で出世コースを倍速で歩いている。
そんな私が下着を汚すなど…
閑静な住宅街、駅前のコンビニから
ON YOUR MARK
「どうして俺なんだ⁈」
追っ手に銃弾を撃ち込み、繰り返す。
「どうして俺なんだ⁈」
簡単な仕事のはずだった。
偶然舞い込んできた楽な仕事に妥当な報酬…疑わしいところは何もなかった。
ヤバい荷物でもなかった。
セキュリティは問題なくクリアした。
何より”もう俺は荷物を持っていない”。
この奇妙な追跡劇が始まったのは荷物を届けた後だ。
荷物を狙うのなら、届ける前にいくらでも機会があったはずだ。