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愛が足りない「テコンV」 ~ロケットパンチでLOVE注入!~

テコンV。1976年に韓国で制作されたアニメ作品。wikipediaには「日本のアニメであるマジンガーZやグレートマジンガーを模倣した劇場用巨大ロボットアニメ」とあるが、ソウル中央地裁は「テコンVはマジンガーZの模倣ではない」との判断を下している。


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ひらのXX的日常より)


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テコンVはシリーズ化されていて、いろいろなバージョンがある。

「ロボットテコンV」(1976)
「ロボットテコンV宇宙作戦」(1976)
「ロボットテコンV水中特攻隊」(1977)
「ロボットテコンVと黄金翼の対決」(1978)
「飛べ!宇宙戦艦ムサシ(テコンV外伝)」(1979)
「スーパーテコンV」(1982)
「テコンV'84」(1984)
「テコンV'90」(1990)(アニメと実写のコラボ作品)

作品ごとにロボットのデザインが変わるが、予備知識がなくても顔を見ればテコンVだとわかる。このあたりはガンダムと同じ。

「V型のツノがついた白いロボット=ガンダム」と書くとガンダムファンから怒られそうだが・・・リック・ディアスがガンダムであることを知っているのでお許しを。


戸惑うシャア専用リック・ディアス。
「オレ、ガンダムなの?」
「うん。分類上はキミ、ガンダム」

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バンダイ・ホビーより)


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テコンVの動画はネット上にいくつかあるが、個人的おすすめはこれ。「ダイターン3」の形状で飛来する「ザブングル風」のテコンVが、「アッガイ風」「グフ風」のモビルスーツと戦っている。製作者はサンライズのファン?


この映像にはないが、韓国の古いアニメには

「シャア、キシリア風の2人が決闘、キシリアのヘルメットが脱げると中身はセイラさん」
「ライディーン風に登場したバルキリー(マクロス)に、パイロットがフェードインする」

といったシーンも存在する。鉄腕アトム風のロボット、グレンダイザー風ロボット、ガッチャマン風の5人組・・・韓国には「初めてみるのになぜか懐かしい」ヒーローが存在する。

999(スリーナイン)風の蒸気機関車がレールのない宇宙空間を駆け抜ける・・・というのもあるし、ヤマトやアンドロメダそっくりの宇宙戦艦も登場する。

これらすべてがパロディではなく、正々堂々と登場している。当時の韓国は「日本大衆文化の流入制限」があり、日本のテレビ番組は禁止されていた。それ故の「アイデア・デザインの借用」なのだろうが・・・


そんなアニメ大国(?)の韓国で、テコンVの人気は頭ひとつどころか遥か彼方に突き抜けている。まさに国民的ロボット、テコンVミュージアムまで存在する。

「いんちき番長」さんによる訪問レポート。
https://www.youtube.com/watch?v=E_eliQSY6MY


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非難の的となる「模倣」とは違い、愛される模倣もある。「オマージュ」と呼ばれるものである。

オマージュといえばこれ。これに文句をいう人はいない。

ライオンキング(ジャングル大帝のディズニー版?)


ネット画像もそうだが、著作権問題は複雑で難しい。それらの問題を完全にクリアしたものと言えばスピルバーグの「レディ・プレヤー1」。ありとあらゆるキャラクターが登場する。ウルトラマンが著作権問題により「出演できなかった」ことは残念である。


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法的問題は別として、「そっくりだけど愛されている作品」も多数存在する。良く知られているものとして「ジャングル大帝」と「ライオンキング」、「スーパーマン」と宮崎駿氏の「ラムダ(ロボット兵)」なんかがある。同型のロボは「ラピュタ」にも登場するが、ラムダの方がお兄さん。

01:30~ ラムダ風のロボットが登場する。この登場シーンはルパン三世パート2「さらば、愛しきルパンよ」とほとんど同じ
05:30~ ロボットの女性を救出するシーンもほぼ同じ
言うまでもないが、こちらが先


「さらば、愛しきルパンよ」あらすじ動画


この2作品だって「パクリ」「元ネタ」「裏でお金が動いてる」と大騒ぎ・邪推する人もいるようだが、だから何?

「パクリは許せない」ならば見なければいい。「おお、あの作品をここまでリファインしたのか!」と比較しながら楽しむことだって出来る。

ちなみにwebmasterは「さてはパクったな。越後屋、お主も悪よのう・・・」と悪代官気取りでニヤニヤしながら見ている。


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「テコンV」と「ライオンキング」。その作品がパクリと呼ばれるかどうかの違いは、オリジナルの作品に対する「愛情」だと思う。製作者サイドが作品に込めた愛・リスペクトが感じられれば、オリジナル作品のファンだって笑って許してくれるはず。

テコンVが日本人に快く受け入れられないのは、テコンVの制作サイドのマジンガーZに対する愛が感じられないからだろう。制作当時の時代背景・現在も続く反日感情などいろいろあるのだろうが、テコンVの大ヒットで名声を手にした金青基氏(アニメーション監督)が

「マジンガーZが大好きです。ありがとう永井豪先生」

と、ひとこと言えば日本での評価も「マジンガーZのパクリじゃん」ではなく、「テコンV?なにこれ、ヤベー、おもしろいじゃん」に変わると思うのだが・・・


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「作品愛」の代表例ともいえるのがこれ。フィリピン版ボルテスV(ファイブ)。©東映マーク入りの公式リメイク作品なのだが、著作権うんぬんではなく、オリジナル作品へのリスペクトがひしひしと感じられる。


オリジナルのボルテスVを知らない人のために「レッツ・ボルト・イン」しておきます。




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