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テスラ移転記念③ テキサス ~住めば都?それとも地獄?~

①「Texas、テキサス・・・テキサス?

②「ようこそTexasへ ~大人のたしなみ編~

の続き。テスラ移転記念シリーズの最終回です。



前回「テスラの社員がしっぽを巻いて逃げ出さないか、心配でならない」と書いたが、本気で心配している。というのもカリフォルニア(CA)とテキサス(TX)ではあまりに文化・価値観が違いすぎる。

どこがどう違うかを説明するのは簡単ではないが、一番わかりやすいのはこれ。CAからの移住者はこれを受け入れられるのだろうか?

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すべてがテキサス州内の画像ではないが、CAではおそらく目にしない光景。そもそも銃に対する考え方が根本的に違う。CAは規制する方向で進んでいるが、TXは緩和する方向にある。


米国で最も厳しいカリフォルニア州の銃規制がさらに強化 
(2016/7/2)

・装着された弾倉を迅速に取り外せるアサルトライフルの禁止
・銃器の貸し借りに対する新しい規制
・銃器が盗難に遭ったと虚偽の報告をした際の罰則の新設
・一部の銃購入希望者について身分証明書の提示と身元調査を義務付け 


米テキサス州、禁止されていた拳銃の「オープンキャリー」が合法に (2016/1/4)

・145年ぶりに公共の場でのオープンキャリーが認可
・所持許可証の保有者100万人の拳銃オープンキャリーが可能に
・企業や施設の所有者がオープンキャリーを禁止することも容認



ちなみにオープンキャリーとは「銃が見える状態で携行する」こと。その反対が「コンシールド・キャリー」。銃が見えない(カバンやケースに入れた)状態で携行すること。上の写真はすべてオープンキャリー。


CAでも銃器の所有は可能だが、種類により様々な規制がある。免許は不要だが、銃器を登録する必要がある。携行するにはさらに許可証が必要。オープンキャリーは原則禁止である。

これがTXの場合だと、軍用スタイルの半自動銃(アサルトライフル)であっても所有に関して許可・登録などは一切不要。当然免許もいらず、ライフルであれば携行許可すらいらない。許可証があれば拳銃の携行(オープン、コンシールド)もOK。


こんな画像があった。アメックスの有名なCM、「Don't leave home without it」(出かけるときは忘れずに)の銃バージョン。The 2nd Amendment とは「米国憲法修正第2条」のことで、国民が武器を保持し保持する権利を保障している。

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こんなのもある。

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お出かけ前の忘れ物チェック
・カギ   ✓
・財布   ✓
・ケータイ ✓
    ✓



もっともすべてのテキサンが銃を持っているわけではないし、ライフルに関してはアメリカのほとんどの州でオープンキャリーが認められているだからテキサスに限ったことではないが、少なくともこの光景に慣れなければTXでは生きていけない。

面倒なのはこの武装ショッパーが決して多数派ではないこと。すべての住民が武装していれば(笑)すぐに慣れるが、大多数の非武装ショッパーに紛れて武装ショッパーが点在する。子供の頃から見慣れたテキサンならパニックに陥ることはないだろうが、銃に免疫のない人がその場にいたら・・・・


あなたは武装ショッパーとテロリストの区別ができますか?

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(左)店員さんと愉快な仲間たち (右)誘拐容疑で逮捕された武装集団


ダラス警察署長も、市民が公然と銃を持ち歩くようになったことで、銃を持つ善人と銃を持つ悪人を見分けるのが難しくなっていると危惧している。



買い物客からの苦情や多発する銃乱射事件を受け、テキサスを含むすべての州で銃器の持ち込みを禁止する店舗は増えつつある。

「チポトレ(デンバー発祥の全米に展開するレストランチェーン)では銃乱射事件を受け、お客様に銃の持ち込みの禁止をお願いしています」


スーパーマーケット大手の H-E-Bグローサリーも、「大っぴらに拳銃を携帯している人と一緒に店内にいるのは居心地が悪い」という多く声を受け、オープンキャリーを禁止している。

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この先、銃の持ち込み厳禁


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オープンキャリー禁止。コンシールドなら大歓迎。
(ただし警察官はオープンキャリーOK)


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これは逆の意味で面白い。銀行の入り口の注意書き。
「お巡りさんは拳銃OK」
おそらくこの州では銃の携行が全面的に禁止されているのだろう。
銀行強盗もルールに従って「刃物」を使うのだろうか(笑)


images:google search


現在はテキサスの州法で「企業や施設の所有者がオープンキャリーを禁止すること」を認めているが、将来的にどうなるかわからない。

「銃を持って買い物をする権利を侵害された。憲法違反だ」

不満を持つTXの住民が連邦裁判所に訴え、裁判所が「その州法は憲法違反」とすれば、店側はオープンキャリーを認めざるを得ない。


信じられないかもしれないが、過去にテキサスでは「公立大学構内での銃携帯禁止は違法」とした法案が成立したことを受け、大学の教室内への銃の持ち込みを認めた例がある。その他にも

「学校の駐車場において、銃並びに弾薬を保持した車両の駐車を禁じてはならない」
「賃貸アパートの家主は、借主が銃ならびに弾薬を持ち込むことを禁じてはならない」
「教会等の礼拝中における銃の携行を禁じてはならない」

といった州法も存在する。


参考資料

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image:WSJ

大統領選挙における政党支持傾向

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🔴共和党を支持する傾向がある州は赤(red state)
🔵民主党を支持する傾向がある州は青(blue state)
特定政党への支持傾向が強くない州は紫 (purple state or swing state)

銃規制の緩い州とred state の関連性がおぼろげながら見えてくる。


テキサスを始めとする保守層が多数派を占める州から銃を取り上げることはおそらく不可能だろう。日本人の感覚からすれば理解不能だが、「スマホか銃か、どちらかを捨てろ」と迫られれば多くのテキサンはスマホを捨てる。

テキサスでは「銃を禁止する」よりも「銃の携帯を義務化」する方がおそらく簡単であり、裁判所も後者なら認めそうな気がする。


ちなみにテキサンがスーパーでの買い物にライフルを携行する理由は「自己防衛」もあるのだろうが、大半は「射撃場からの帰り道」だから。筆者もそうだったが、バッティングセンターやゴルフの打ちっぱなしに行く感覚で射撃場に行く。車内に放置せずに携行するのは「盗難防止」のため。盗まれて犯罪に使用されないように「面倒だけど携行する」のである。

ハンドガン(拳銃)に関しては、スマホと同じ生活必需品だから。使う使わないに関わらず、手元にスマホがないと不安でしょ?それと同じ感覚です。



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銃器情報ばかりでは「危険人物」として公安関係者に目をつけれらかねないので、一応CAとTXに関するその他のデータを並べておきます。(画像・数値はすべてwikipediaより)


大統領選挙における政党支持傾向

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🔴共和党を支持する傾向がある州は赤(red state)
🔵民主党を支持する傾向がある州は青(blue state)
特定政党への支持傾向が強くない州は紫 (purple state) or スイング・ステート(swing state)


州知事(2000年以降)
CA
🔵民主党 グレイ・デイビス(1999~2003) 
🔴共和党 シュワちゃん(2003~2011)
🔵民主党 ジェリー・ブラウン (2011~2019)
🔵民主党 ギャビン・ニューサム (2019~ )

TX
🔴共和党 ジョージ・W・ブッシュ (1995~2000)
🔴共和党 リック・ベリー (2000~2015)
🔴共和党 グレッグ・アボット (2015~ )


代表的政策
CA
不法移民に寛容(不法移民にも公的医療保険聖域州DACAに賛成
LGBTに寛容・賛成派多数
反LGBT法のある州への公費出張禁止

TX
不法移民対策としてメキシコとの国境に「壁」を建設方針
マスクの着用義務化を禁止
ワクチン接種義務化を禁止
中絶禁止法


人種構成
CA(2008年)     
白人 約42.3%
ヒスパニック 36.6%
アジア系 12.5%
黒人 6.7%

TX(2004年)
白人 約49.8%
ヒスパニック34.6%
黒人 11.3%
アジア系 3.1%


家庭で使用される言語
CA
英語 57.02%
スペイン語 28.46%
中国語 2.80%
タガログ語 2.20%

TX
英語 66.35%
スペイン語 29.09%


宗教
CA
キリスト教 - 75 %
 (プロテスタント - 38 %)
 (ローマ・カトリック - 34 %)
 (他のキリスト教 - 3 %)
ユダヤ教 - 2 %
その他の宗教 - 3 %
無宗教 - 20 %

TX
キリスト教 – 87%
(プロテスタント – 57%)
(ローマ・カトリック – 29%)
(他のキリスト教 – 1%)
その他の宗教 – 1%
無宗教 – 12%


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