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ひき逃げ犯 → 一転して被害者へ

車を運転中に歩行者と接触、相手が「怪我はありません、大丈夫です」と立ち去った場合でもそのまま放置すればひき逃げになる・・・そんな記事があった。


実はこれと同じ経験をしたことがある。車ではなく、バイクを運転中の話。赤信号で止まっていたら前方から走ってきた自転車がバイクのミラーに接触し、自転車はバランスを崩して停止した。

バイクのミラーは角度がずれただけで、こちらの被害は実質ゼロ。「当たり屋か?」とも思ったが、相手は「怪我はないから大丈夫」といって走り去っていった。

が、念のために警察に通報した。警察には「バイクで自転車と接触した。けが人はいない。相手はすでに立ち去っている」と説明したが、いぶかることもなく警察官を派遣してくれた。


しばらくして自転車に乗った警察官が2人やってきた。事情を説明している途中、警察官の一人からこう言われた。

「今連絡があったんだけど、ひき逃げ事件が発生した。どうやらあなたがその加害者らしい」

警察官の話から想像すると、その被害者は警察署に駆け込んでこんな感じで言ったらしい。

「バイクに当て逃げされて転んだ。場所はXX。ナンバーはよく覚えていないが、下2桁が△△だったような気がする。黒いバイクで、黒いヘルメットをかぶっていた」

幸いなことにバイクにはドライブレコーダー(古いスマホを転用)を搭載している。その映像をすでに見ている警察官は事情を察したらしく、事故処理を終えたあとは逮捕されることもなく無事に「無罪放免」となった。事故処理中に応援のパトカーがやってきたが、バイクに関しても写真を撮られただけで「証拠品」としての押収・提出は求められなかった。

「ドライブレコーダーの映像・音声の提出をお願いする場合がある」と言われたが、「こちらの被害はゼロ。物損事故の被害者として届けるつもりはない」との意思表示をしていたのでそれ以降は電話連絡が1度あったきり。最終的には「自転車による自損事故」として処理されたらしい。

ちなみにその「被害者」は

「接触したときは何ともなかったので立ち去ったが、しばらくしたら足首が痛くなった。事故現場に戻ってもおそらく加害者はいないと思ったので、警察署に直接行った。ぶつかった時バイクが動いていたかどうかは覚えていない」

とのことで、おとがめはなかったようである。最初は「バイクは動いていた」と主張していたみたいだが、「ドライブレコーダーの映像がある。バイクは停止していた」と言われて「覚えていない」に変わったそうだ。

果たしてこの「被害者」が当たり屋だったのか「純粋な被害者」だったのかは判断できないが、あのとき警察に通報していなければ間違いなく「救護義務および報告義務違反(ひき逃げ)」で拘束されていただろう。

目撃者がいない中、あのドライブレコーダーの映像がなかったら相手が「当たり屋」であろうがなかろうが、示談金を支払うことになっていたに違いない。



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