大きな波を描く
世の中には波が存在する。
海にも、音にも、風にも、
そして、私たちにも波がある。
調子がいいときがあれば、思い通りにいかないときもあるし、どん底のときがあれば絶頂のときもある。
順風満帆で、いつまでも一直線に成長していくことなんてあり得ない。
波があって、上下に揺れているからこそ、私たちは生きていると言ってもいい。
そして、「成功」と言うのは、より大きな波を描くことだと思っている。
どれだけ高い波を起こせるかということだ。
大津波がくる前には、大きく波が引くように、大きな結果が出る場合は、必ず大きな原因やキッカケがある。
より高い波を起こすためには、より低い波も起こす必要があるということだ。
世の中の成功者を見ても、危機的状況(どん底)があって、それを乗り越えて大きな成功を掴んだというパターンが多いと思う。
生まれ育った環境が大きなマイナスだったとか、ものすごく貧しかったとか、ものすごく身体的なハンデがあったとか、誰かに認めてもらいたかったとか、ものすごく悔しい思いをしたなど、普通の人が経験しないようなマイナスを持っている人こそ、「絶対に成功してやる」という強烈なモチベーションを持っていたりする。
この「絶対に成功してやる」という強いモチベーションというのは、相当なエネルギーだと思う。
なぜなら、普通の人は「絶対に成功してやる」という気持ちになることがないからだ。
普通なら「死ぬ気で走ってやる!」とか「何が何でも勝ちたい」いうような発想にはならない。
なぜなら、死んでまで勝つ必要なんてないのだから。
それだけ、強いマイナスの波というのは、成功の源泉であり、大きな波を起こす要因になっていると思う。
では、大きな成功を収めるためには、意識して大きなマイナスの波を作ればいいのだが、ここで大きな矛盾が生じてくる。
それは、誰でも本質的には大きな波を描きたい(成功を掴みたい)と望んでいるのにも関わらず、実際には、多くの人が現状維持の生活をしようとしているのだ。
「現状維持」というのはどういう状態かというと、できるだけ波を起こさないことだと思う。
つまり、直線を目指そうとするわけだ。
映画やドラマを見ていると、心電図の波が一直線になってご臨終というシーンがある。
直線の心電図が「死」を意味するように、波がない状態というのは「死」そのものである。
どれほどの走りを習得していても、これでもういいと思ってしまえば、その状態を維持することも難しいだろう。
常に上を向いて努力を続けていなければ、上のレベルに移行する事はできない。
道を極めるという事は、そういう事だと思っている。
だから、波が起きていない状態より、苦しんでいる状態の方がチャンスがあると思う。
マイナスの波を描いているということは、それをプラスの波に転じることを考えればいい。
今、大変な想いをしていればしているほど、 この後、大きなプラスの波を起こすことができるのだから。
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