マリナーズ、J.P.Crawfordと契約延長
こんにちは、うしとらです
マリナーズは4月8日にJ.P.Crawfordと5年総額$51Mの契約延長に合意しました。
この契約で年俸調停3年分とFA後の2年分を買い取った形になります。
今回は契約延長に対しての感想や考察を書いていきます。
そもそもJ.P.Crawfordはどんな選手なのか
Crawford は27歳のショートで、打撃は選球眼に優れており、三振が平均よりも少ないのが強みです。
打球関連の指標は悪く、長打はあまり打てませんがいわゆる嫌らしいバッターではあります。
守備に関しては年々上手くなっており、
2020年は短縮シーズンではありますが、ゴールドグラブ賞を獲得。
2021年もDRS +8と平均以上の守備を見せています。
ここ2年はほぼフルで激務のショートを守っている頑丈さも強みの一つです。
契約は適正かどうか
Crawfordの契約はこのようになっています
(22:$5M, 23:$10M, 24:$10M, 25:$10M, 26:$11M、サインボーナス:$5M)
少々割高ではあると思いますが、許容範囲内とも思います。
大体同じくらいの契約規模で守備型のショートの選手はAndrelton Simmonsがいます。
Simmonsの27歳以降の契約
(17:$8M, 18:$11M, 19:$13M, 20:$15M、21:$10.5M)
彼と比べると現時点のCrawfordは守備面では及びませんし、打撃面もたいして変わりません。
ただCrawfordは攻守ともに成長傾向にある選手なので、成長次第ではSimmons以上のパフォーマンスも発揮し得るでしょう。
マイナーとの兼ね合い
現在マリナーズのマイナー組織は30球団の中でもトップクラスではありますが、その中で1.2年でMLBデビューが見込め、かつショートを守れそうな選手はKaden Polcovich、Noelvi Marteの二人くらいです。
また二人とも守備よりは打撃を買われている選手なので、守備負担の大きいショートをメインで守らせるよりは、Crawfordをショートに固定して、守備負担が比較的小さいセカンドやサードでの起用をして、打撃に集中させたい意向もあったのでしょう。
近年のショート市場の過熱ぶりへの対応
今オフJavier Báez(DET)、Trevor Story(BOS)、Corey Seager(TEX)、Marcus Semien(TEX)、Carlos Correa(MIN)大物SS達が続々と超大型契約を締結しました。
今オフこれだけSSが豊作だったにも関わらず契約をしなかった理由はとしては、こういった選手達との契約が与えるインパクトは計り知れないものがありますが、それと同時に歪なペイロールを形成することにも繋がりかねないからでしょう。
元々DipotoGMは大型契約に慎重で、現在のロースターには6年以上の契約を結んでいる選手がおらず、これまでの動きとも一貫しています。
また、ショートの選手は負担が大きいのもあり、長期契約の後半には怪我やコンバートにも頭を悩ませることになるでしょう。(Correaの契約は別ですが)
こういった事情を鑑みると、選手として脂の乗る時期である30歳前後の期間の契約にまとめたのは流石の一言です。
雑感
DipotoGMはオフにSSのCrawfordを動かすつもりはないという趣旨の発言をしていたり、かねてよりCrawfordを高く評価していましたが、今回の契約延長はその評価を裏付けるものとなりました。
私個人としても年々成長を見せているCrawfordをこれからも見続けていけるのは嬉しいところです。
契約内容はCot's Baseball Contractsを参照(Cot'sContractshttps://legacy.baseballprospectus.com/compensation/cots/)
写真(Seatitle Mariners)