見出し画像

わんちゃんに夏用ベッドが必要な理由は?選び方や注意点を徹底解説!

◎ペットセラピストの資格保有者執筆◎

段々と暖かい日が多くなり、あっという間に夏の季節になろうとしていますね。

そんな中、飼い主様の中には「わんちゃんに夏用ベッドを用意したいけれどどう選べばいいの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、なぜわんちゃんに夏用ベッドが必要なのか、自分のわんちゃんにぴったりなベッドの選び方や使用時の注意点などについて、詳しくお話します!

わんちゃんにベッドが必要な理由

「わんちゃんの夏用ベッドを用意しないと!」と思う一方で、そもそもなぜベッドは必要なのか知りたい飼い主様もいるかもしれません。

そこで、まずは「なぜわんちゃんにはベッドが必要なのか」を詳しくお話します。

【理由①】身体への負担を軽減させるため

夏用に限らず、わんちゃんにベッドを使うことが推奨される理由のひとつ目は、身体への負担を軽減させるためです。

あなたは、うっかり床の上でうたた寝してしまった経験はありませんか?本来眠るために作られていない場所での睡眠は、身体のあちらこちらが痛くなって、身体には少なからず負担となってしまいますよね。

これはわんちゃんでも同じことで、硬い床などで寝ると、わんちゃんの身体にはダメージが加わります。特にわんちゃんは、人とは違って1日の大半を寝転んで過ごしますから、横になった姿勢を支えるためにもベッドが必要となるのですね。

\あわせて読みたい記事!/
人の約2倍?わんちゃんの睡眠が長い秘密と、最適な環境について

【理由②】精神的に安らぐ場所を作るため

ベッドが必要とされるふたつ目の理由は、わんちゃんの安心して過ごせる場所を作るためです。

「ベッド」というと、人の場合には「寝床」というイメージが一般的かと思います。ところが、わんちゃんの場合のベッドはというと、寝床はもちろん「リラックスして過ごせる安全な基地」としての役割も担っているのです。 犬種にもよりますが、祖先が狩りをして生きてきたわんちゃんは本来、とても警戒心の強い動物です。人と過ごすことが増えた現代でも、その警戒心が本能として残っている子は少なくはありません。

そんな警戒心を解いて、ゆっくりリラックスしてもらうためにも「ここはあなただけの場所だから安心してね」とベッドを用意してあげることが大切なのですね。

【理由③】防暑や防寒のため

そして、さいごの理由が、今回の記事で詳しくお話する内容とも縁が深い、暑さや寒さ対策のためです。

一言に「わんちゃん用のベッド」と言っても、お店を見てみるとさまざまな種類がありますよね。夏には熱を溜め込まずに発散させるベッドだったり、冬は反対にわんちゃんの体温をうまく利用して温かい場を作ったり、市販されているわんちゃん用ベッドには防暑や防寒の機能が備わっていることがほとんどです。

どの季節でもわんちゃんがストレスなく快適に過ごすためには、ベッドをうまく活用することが大切だとも言えます◎

冬用と夏用のベッドの違いは?

「わんちゃん用のベッドを利用する理由の一つは防暑や防寒のため」だとお話しました。では、具体的には冬用ベッドと夏用ベッドでは、どのような違いがあるのでしょうか?先ほども少し触れましたが、ここからはもっと詳しくお話していきます!

冬用ベッドの特徴

まずは、冬用ベッドの特徴から見ていきましょう。

・発熱素材や保温素材が使われている
・底冷えしないように設計されている
・ムートン・ボアなど、ふわふわした生地が多い

冬用ベッドはその名の通り、冬に使うことを想定されたベッドですので、寒さからわんちゃんを守ることが目的となっています。そのため、生地は分厚くふわふわとしたものが多いイメージです。

夏用ベッドの特徴

一方の夏用ベッドには、主にこのような特徴があります。

・冷感素材が使われている
・通気性がよく、蒸れにくい
・熱を外へ発散しやすい

触れた時にひんやりと冷たさを感じる素材が使用されています。また、わんちゃんの体温をベッドに溜め込まないように設計されているものが多いです。つまり、冬とは反対に熱を外に逃して涼しさを保つように作られているのが夏用ベッドです。

近年は春頃から暑い日が多くなっており、熱中症で動物病院に運び込まれる子は真夏よりも初夏が圧倒的に多いとも言われています。そのため、飼い主様が「暖かくなってきたかな」と思うくらいの季節から夏用ベッドへの切り替えを検討し、わんちゃんが過ごしやすい場所作りをしてあげることが重要です。

夏用ベッドを選ぶ4つのポイント

暖かい季節になったら夏用ベッドを用意することが重要だとお話しましたが、中にはどう選べばいいのか悩む飼い主様もいるでしょう。

ここからは、わんちゃんの夏用ベッドを選ぶポイントについて詳しくお話していきます。 ぜひ、これからお話することを参考にしつつ、ご自宅のわんちゃんに合ったベッドを選んでみてください。

【ポイント①】ベッドの大きさ

夏用ベッドに限らず、わんちゃんにベッドを選ぶ際に気をつけたいのが、ベッドの大きさです。

先ほど「わんちゃんの体にかかる負担を軽減するためにもベッドが大切」とお話しました。では仮に、小さいベッドに身体の大きなわんちゃんが寝ていた場合、どうなるでしょうか?わんちゃんは無理な体勢をとってしまったり、ベッドからはみ出た部分にダメージが加わったりということが考えられますよね。

反対に、大きめのベッドを選んだ場合はどうでしょうか。「大は小を兼ねる」という言葉もあるくらいですし、一見「わんちゃんの体に負担はかからないし、別にいいのでは?」と思いますよね。ところが、ベッドを大きいサイズにした場合であっても「広すぎて落ち着かない!」と感じるわんちゃんも珍しくはありません。

身体的なストレスを軽減できても、精神的な負担が増加してしまっては本末転倒です。ベッドを選ぶ際には大きすぎず小さすぎず、わんちゃんの身体に合ったサイズのものを選ぶようにしましょう!

【ポイント②】装飾の有無

わんちゃんの夏用ベッドを購入しようとお店やオンラインショップなどを見てみると、とてもたくさんの種類がありますよね。中にはかわいく装飾されたものもあり、飼い主様は「うちの子にぴったり!」と心躍るかもしれません。

その一方、噛み癖があるわんちゃんの場合には、こうした装飾のあるベッドは要注意です!というのも、すでにお察しだとは思いますが、噛み癖のある子の場合はその装飾を噛んでベッドを破壊してしまう恐れもあります。ベッドの生地や中に入っている綿を誤って飲み込んでしまうこともあり、喉に詰まらせ死に至るケースもあるので、とても危険です。

ベッドの装飾は魅力的ではありますが、わんちゃんの性格とも相談しながら有無を決めていきましょう◎

【ポイント③】お手入れのしやすさ

夏用に限ったことではありませんが、わんちゃんのベッドを選ぶ際にはお手入れのしやすさも重要なポイントとなります。

普段はあまり気にならないかもしれませんが、お散歩などで外に出ることも多いわんちゃんの身体には、意外と汚れが付着しています。その上、犬種によっては抜け毛も多いこともあるので、わんちゃんが1日の多くを過ごすベッドには汚れや毛も溜まりがちです。

ベッドの汚れをそのままにしておくと、わんちゃんの健康面にも問題が出てしまうというのは言うまでもありません。そのため、ベッドはお手入れしやすいものを選ぶことがとても大切です!お手入れ方法としては最低でも1ヶ月に1回はぬるま湯で洗濯をし、日光に当ててよく乾かすことが理想ですので、あらかじめ“洗いやすく乾きやすい生地”のベッドを選んでおくのがオススメですよ◎

【ポイント④】素材

「とりあえず、夏には夏用ベッドを選んでおけば安心!」と思われる飼い主様もいるかもしれません。ところが、一言に「夏用ベッド」と言っても使っている素材もさまざまあるので、飼い主様はご自宅のわんちゃんに合った素材のものを選んであげることが重要です。

  • 接触冷感素材

人用の熱中症対策グッズでも近年増えてきた接触冷感素材は、触ると冷たく感じることが特徴です。布ではあるもののひんやりと冷たいので、ふわふわした生地が好きなわんちゃんにオススメです!

  • ジェル素材

柔らかいジェルが中に入った夏用ベッドは変形させやすく折りたためるものも多いので、おうちではもちろん、お出かけ時にはキャリーの中でも活躍してくれる優れものです。吸熱効果のある種類も多く、熱中症対策でも大きな期待が持てるでしょう。

その一方、中には破れやすいものもあるので選ぶ際には注意が必要です。購入者レビューなども参考にしつつ破れにくいものを選ぶことが大切ですが、噛み癖のある子ではこの素材は避けておくのが無難かもしれません。

  • メッシュ素材

網目状になっていて隙間があるメッシュ素材は、通気性に長けているのが大きな特徴です。熱を溜め込むことなく外へ逃すので、わんちゃんがずっと座っていても蒸れにくく安心!長い時間にわたってベッドの上にいることが想定される子には、とてもオススメの素材です。

  • アルミ素材

アルミ素材のベッドは柔らかくはありませんが、吸熱効果や放熱効果が高くわんちゃんの熱中症対策にはポピュラーな素材です。熱伝導が高いので、冷房を入れた部屋などで使うのがオススメですよ。汚れた際のお手入れも簡単なので、飼い主様にとっても安心な素材かと思います。

その一方、硬い素材なのでわんちゃんの寝床としての利用には不向きのベッドです。柔らかい生地のベッドと併用して使うのがオススメです◎

通年用ベッドでも涼しく過ごすには?

わんちゃんの夏用ベッドを選ぶポイントについてお話しましたが、「夏も通年用ベッドで乗り切りたい!」という飼い主様も多いはず。ここからは、通年用ベッドを使った場合にもわんちゃんに涼しく過ごしてもらうためのコツをご紹介します。

【通年ベッドで過ごすコツ①】直射日光の当たらない場所に置く


通年用ベッドを夏にも使用する場合には、ベッドを置く場所に注意しましょう。

通年用のベッドであれば元々熱を溜めにくい素材で作られているかとは思います。しかし、直射日光の当たるような場所にベッドを置くと、当然ながらそこで眠るわんちゃんは暑くなってしまいますよね。

夏を涼しく快適に過ごすためには、直接日が当たらない風通しの良い場所にベッドを設置するのがオススメです。

【通年ベッドで過ごすコツ②】天井のないタイプがオススメ

わんちゃん用のベッドにも、ドーム型・キューブ型・角型…など、さまざまな形がありますよね。ご自宅のわんちゃんがどのタイプが好きかによっても変わってきますが、通年用のベッドを夏も使用するのであれば、できるだけ天井のないタイプを選ぶのがオススメです。

夏用ベッドでも天井のついたタイプのベッドはありますが、通年タイプですとやはり夏用よりも放熱・冷感効果は薄れます。そのため、天井がついているタイプだとベッドの中に熱がこもってしまい、わんちゃんの熱中症リスクが高くなることも否めません。

わんちゃんに涼しく過ごしてもらうには、風通しのいい環境を作ってあげることがとても重要です。夏に通年用ベッドを使用する場合には、なるべく角形や丸型のものを選びましょう。

快適な睡眠環境のために注意したいこと

人でもそうですが、わんちゃんにとっても健全な成長や健康維持のために睡眠は欠かせません。ところが、わんちゃんの中には睡眠が浅い子も珍しくはなく、心配になってしまう飼い主様も多いかと思います。

最後に、わんちゃんの快適な睡眠環境を守るために家族が行えることについてお話していきます!

【注意①】静かに過ごせる場所を用意

冒頭にも少しお話しましたが、現代でも本能として警戒心の強さが残っているわんちゃんも多くいます。そうした子は、物音や人の声に過敏に反応してゆっくり眠ることができない…ということも多いでしょう。

わんちゃんの眠る場を作る時には、できるだけ静かに過ごせる位置にすることを意識しましょう。テレビの近く・扉の近く・人が通ることの多い廊下周辺などは避けるのが無難です。一方で寂しがりやの子や不安になりやすい子の場合、家族の気配が感じられると安心かと思いますので、生活音が気になりづらいリビングの端などがいいかもしれません。

【注意②】清潔を保つことを意識

わんちゃんは昔からとてもきれい好きな動物と言われており、寝床を汚すことを苦手に思う傾向があります。

先ほども少し触れたように、わんちゃんのベッドは適度にお手入れをして、常に清潔を保つことを意識しましょう。

トイレと寝床を近くしている飼い主様も多いかと思いますが、きれい好きのわんちゃんがゆっくり快適に眠るためには、できるだけトイレとベッドを離すことが理想です。トイレトレーニングの済んだ子であれば、トイレとベッドは適度に距離を保つようにしてください。

【注意③】冷房の風向きに注意

夏には、お部屋の冷房をつけているご家庭がほとんどかと思います。わんちゃんやご家族の熱中症対策にも欠かせない冷房ですが、わんちゃんの寝床に直接風が当たっていないかをもう一度確認しましょう。

風が当たると涼しく感じてくれるはず!」と思う飼い主様もいるかもしれません。ところが、風が当たりすぎるとわんちゃんは落ち着いて眠ることができず、身体が冷えすぎてしまう…ということも考えられます。

お部屋を涼しく保つことは大切ですが、エアコンの風向きやその他の環境が「わんちゃんにとって本当に快適か」をよく見極めてくださいね。


わんちゃんに夏用ベッドを使うといい理由、選ぶ際のポイント、睡眠環境を快適に過ごすためにできることについてお話しました。

真夏にはもちろん、暖かくなってきた初夏頃からわんちゃんの夏用ベッドの利用はとてもオススメです!あなたのわんちゃんにぴったりのベッドを見つけてあげてくださいね◎

\あわせて読みたい記事!/
わんちゃんの【寝相】で分かるリラックス度|環境を見直して快眠を!

●ライター:松永由美
動物健康管理士・動物介護士・ペット終活アドバイザー・ペットセラピスト等の資格を保有
●編集:うしすけチーム

いいなと思ったら応援しよう!