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もしものときの為に・・・

こんにちは!

12月も半ばになり、だんだんと寒さが締まってきています。風や空から、冬を感じる日が、日に日に増えていくような気がしています。

さて、つい先日ですが、中山美穂さんの訃報があり、びっくりしました。お亡くなりになるにはまだまだ早いご年齢ですが・・・こればっかりはどうしようもありません。ご冥福をお祈りするところです。

〇応急手当普及員の再講習に行ってきました!

ちょうど世間にそんなニュースが流れている時期、私は本日「応急手当普及員」の再講習を受講してきました。

この資格はざっくり言うと、救命講習を他人に教えることができるという、いわゆる講師資格になります。一度取得したら終わりではなく、3年に1度は再講習を受ける必要があります。

私の場合、この資格をモロに前面に出して、ガッツリと講習会を行う・・・ということはほぼない(※基本的には「防災士」を前に出しているため)のですが、どうしても皆さんとの話が進む中で、応急手当や窒息、心肺蘇生といった分野に話が進む場合があります。

そういった際に、ある程度まともなお答えがしっかりとできるよう、資格の維持と再勉強に努めているところです(><)

さて、この再講習自体はいたってスタンダードな内容で、サラリと終わることができました・・・

が、とはいえ正直、「本当に人に教える気がある」人にとっては、はっきり言って講習会の内容だけだと全然足りません(苦笑)

少なくとも私は「本当に人に教える気がある」方の人間だというプライドを一応持っているつもりですので、このタイミングを契機に過去の知識の復習や、最新の情勢の整理などを、しっかりと行いたいと思っています。

〇心肺蘇生法は、ぜひとも最新版で!

さて、いわゆる救命講習というのは、当然ながらそれに関わるガイドラインに沿って実施されています。

私の過去の記事でも何度かご紹介したことがありますが、日本におけるガイドラインは、JRC(日本蘇生協議会)が纏める「JRC蘇生ガイドライン」となっており、約5年毎のペースで見直しが行われています。


現在、日本国内での救命講習は、このガイドラインの2020年版もので行われています。今回私が受講した再講習も、当然ながら2020年版に沿った形です。

この記事をご覧の方々には「かなり前に一度受けたけど、最近は・・・」という方も多いでしょう。そういった方は、ぜひとも最新の内容で再講習を受けてもらえたら、と思っています。

現在の、広く一般にも向けたガイドラインという形になったのは2000年頃からですが、その当時の心肺蘇生法の方法と、現在の内容とでは、様々な点で中身に変更が加えられていたりします。

脈の確認の必要性の有無や、胸骨圧迫・人工呼吸の割合、そのペース・・・など、結構いろいろと変わっていたりします。これは、より助かるように、より一般市民でも取り組めるように、毎回少しづつ改訂が加えられているためです。


昔の方法が「間違い」だったという訳ではありません。

ただ、時間とともに膨大な臨床データが集められたことにより、更によい方法が見つかったり、逆に「これは一般市民に求めても無理!時間を浪費するだけ!」「この表現は、医療従事者ならわかるけど、一般市民では分かりにくい!」というものを省いたりと・・・

そういった流れの中で、新たな方法が確立されていった、とご理解いただくほうが自然かと思います。

できれば、こういった技術を披露する場面がないのが一番良いのですが、万一そうなってしまったとすれば・・・より救命の確率が高まる方法でやった方がいいはずです。

できれば年に1度ぐらい受けるのが理想ですが・・・実際問題なかなかそうもいかないのが実情かと思います。ですので、2年でも3年でも5年でも、なんでもいいですから、思い立ったときにぜひお近くの消防署のHPで、救命講習のスケジュールを見てみて、ご検討いただけたら嬉しいです!

消防が行っている救命講習は基本的に無料です。タダで一生役に立つ(もちろんスキルを維持する努力は必要ですが)ものを手に入れられると思えば、かなりお得なものだと思います。

皆さんも、ぜひ!

〇幸か不幸か…事故まもない現場に通りがかりました

実はつい最近、交通事故が発生した直後の現場にたまたま通りがかりまして…患者さんを救急隊に引き継ぐまで、救護のお手伝いをいたしました。

私が駆け寄った時点では意識や呼吸はしっかりあったのですが、話によると臀部と頭部をかなり強打した様子だったので、場合によっては容体の急変も考えられる状況でした。

そういう状況だったので、周囲の安全確保(交通量の少ない道路上だったので、周囲の方に交通整理をお願いしました)をしたうえで、患者さんへ上着をかけ保温を行い、万一の体調急変にそなえ、傍で観察を続けました。


結果的には体調の急変もなく、ほぼ容体の観察のみで終了することができました。よかったよかった!

手前味噌で恐縮ですが、自分でも驚くほど冷静にあれこれ対応できたという実感がありました。

頭の中には「首の損傷の程度の評価ができないから姿勢変換はしたくないな…」「もし脳にダメージが入ってて吐き戻すようなことがあれば、その時だけ必要最低限の姿勢変換を行うかな…」「外出血はほとんどないから止血の必要性はないけど、もし臀部・腹部で内出血していたら、ここでは打つ手がないな…」なんて思いを巡らせながら、救護にあたることができました。

外から見た行動だけだと「経過観察」をしたに過ぎません。ただその「経過観察」を行うという判断を下すまでには、色々と考えるべきことがあるのです。

後に救急隊との方とお話する機会があったので、当時の対応についての評価を頂いたのですが、一般市民のバイスタンダーとしては完璧とのご評価を頂けました。

こういった知識や手技は、本当は役に立たないことが一番いいのです。ただ、幸か不幸か、このような形で役に立ちました。

みなさんも、もしかしたらこのような場面に遭遇するかもしれません。最悪、他人なら見て見ぬ振りもアリ(※道義上はとりあえず置いておいて…)かもしれませんが、家族や身内がそうなる可能性だってあります。

そんな時のために、皆さんも救命講習の受講、前向きに考えてはみませんでしょうか?

曲がりなりにもこういった資格のホルダーですので、今後もその名前に恥じないよう、励んでいきたいと思っています!

〇お勧め書籍をご紹介します!

さて、ここからは本のご紹介です。

心肺蘇生法は、知識と実技とが両方そろって初めて、効果的なものを実施することができます。

ただ個人的には、消防にて行われる講習会は、どうしても実技寄りの内容になってしまっているきらいがあると思っています。

もちろん「知識は、家でもテキストを見ればできる」ことや、「実技は、先生やマネキンが無いとできない」ことを考えると、致し方ない部分はあろうかと思います。

・・・そう思うのですが、でももうちょっと、知識編の方をしっかりやってほしいなぁ・・・というのが、個人的な本音であったりします(^^;)

そういったところで、心肺蘇生法に興味がある方に、消防の講習会の内容よりももう少し踏み込んだところまで解説してある書籍(PDF)をご紹介します!

①救急蘇生法の指針(市民用)

こちらはWEB上で公開されているPDFになります。誰でもアクセスすれば、無料でダウンロードできます。

また、同様の内容で冊子版(550円)もあります。一度PDFのものを見られたうえで、製本されている物を手元に置いておきたいという方は、そちらを求めても良いかと思います。

心肺蘇生法だけでなく、やけどや出血、溺水などといった内容にも一通り触れられています。


ただ、冊子版を買うのならば、少し高くはなりますが後述の「救急蘇生法の指針(市民用・解説編)」の方が、よりお勧めです。

②救急蘇生法の指針(市民用・解説編)

こちらは、先に紹介した「救急蘇生法の指針(市民用)」の内容をさらに拡充し、講習会などで寄せられる様々な疑問などに対応するQA集が追加されたバージョンになります。

私のような、指導者側に立つ人間にとっては、最低限知っておかないといけない内容がコンパクトに纏められています。

ただ、こういってしまうと「なんだか難しそう・・・」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。内容はいたって平易なので、誰でも簡単に読むことができる内容だと思います。

値段は1760円で、冊子のみです。値段だけ見ると「地味に高い・・・」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は値段以上の充実度がある書籍だと思っています。

〇時間がないよ…という方には動画も

最近では、インターネットやスマホなどの普及により、だれでも手軽に動画コンテンツにアクセスすることができるようになりました。youtubeなどにも大量にその手の動画がありますので、そういったものでもよいでしょう。

ただ個人的には、最初の一歩としては、総務省消防庁が提供する「応急手当WEB講習」というもので、ある程度体系的に学んでいただく方がよいのかな、と思っています。

チャプターごとに短い動画に分けられています。なにも1日で全て見る必要はないので、ちょこちょことでも閲覧していただければ、こういった分野への感度が上がるのではないかと思っています。

〇最後にちょっと、考えさせられる動画を

ここまで長くなりましたが、この動画だけでも見ていただけたら・・・なんて思っています。

・・・だけでもと言いながら、2件ご紹介しますが(苦笑)

一人でも多くの人が、他人事ではなく自分の事として感じてもらえることを願っています!

・・・おわり

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