バリュー投資はなぜ死んだのか
企業が評価される指標としてROEがあります。ROEは単純に定義すると純利益÷株主資本です。要約するとどれだけ資本効率よく利益を上げることができるかということになります。機関投資家の投資においては、日本でも伊藤レポートにあるようにこの指標が重要視されています。(重要)
さてROE=純利益÷売上×売上÷総資産×総資産÷株主資本と分解されます。これをデュポン分解といいます。
ROEをさらに単純に分解するとeps÷bpsになります。念のため説明するとepsは一株利益、bpsは一株純資産になります。
さてbpsはバランスシートに載っている資産(純資産)をもとに導きだされます。従って純資産が多い会社ほど分母が大きくなりますからROEが小さくなります。皮肉にも資産をもっているバリュー株はROEが低くなり評価されないというわけです。これが近年バリュー投資のパフォーマンスが上がらない理由です。
バリュー株がROEを向上させるには余りある資産の活用方法を見直す、株主に還元して純資産を減らす、B/Sに載らない無形資産の価値を増やすといった方法がありアクティビストの正論に突かれるスキを与えます。
一方、GAFAMに代表される企業はB/Sに載らない目に見えない資産があります。簡単にいうと強みです。
これは定量的に評価することはできませんが、みなさんもGAFAMの強みが拡大していることは理解できると思います。ROE=eps÷bpsで見た場合、数値上のbpsは増えませんから強みによって増加したepsは加速度的にROEを向上させ株価の上昇に貢献しています。特にグロース投資においてはB/Sに載らない強みを含めて企業を見ることが重要だと思います。
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