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日本の歴史教育について

 次期総裁選に高市早苗が立候補するらしいが、その高市早苗の歴史認識について、2チャンネルのスレッドに、「中学校の歴史の教育で、ABCD包囲網という経済封鎖をしかれ原油が輸入できなくなったこと、欧米列強からアジアの植民地を開放するための戦いだったこと。ハルノートが到底受諾できない内容だった、等々のことを教えられた」という書き込みがあった。
 これはほぼ高市早苗の歴史認識と同じだが、そもそも中学の歴史教育は近代以降は時間切れということで端折ってしまうのが普通だった。したがって、この教師はかなりネトウヨ的な個人の歴史観を義務教育で教えたことになる。極めて重大な問題が、個人の見解に任せられている。これ自体が、極めて重大な、憂慮すべき事態だと思う。で、現在の歴史教育がどうなっているのか、調べたら、以下の通りで、全く変わっていないみたいだ。ニュースを書いたのは、日本人の女性記者のようだけど、赤坂真理という小説家が、アメリカに留学した時、アメリカの歴史教科書で自分の知らなかった日本の近代史の実情を知った、と書いていた。アメリカの歴史教科書は分厚いことで有名で、その中身を十分に理解した生徒は数が少ないだろうし、その数少ない人が歴史の専門家になって、教科書の内容を批判し、改訂が必要なら改訂するという方式になっているのだろう。日本もここまでやれというのは、現状を見ると不可能だが、せめて、敗戦記念日に意見を述べる歴史家が皆無だというのは、どういうことか。日本の近代史の研究家もいないではない。それなのに、今回の敗戦記念日に、取り上げられたのは半藤なんとかという、エッセイスト。今年、亡くなった、という理由もあるのだろが、雑誌の編集者だという、娘だか孫娘が登場していた。なかなか美人というか、可愛らしい女性で、それも大きいのではないかと思うけど、今、テレビに出ている女性の知識人は、全員、美人。テレビ局としては偶々ですと言いたいだろうが……。話が逸れたが、半藤氏の孫娘がつとめている出版社は、PHPだった。PHPがよくないとは言わない。小津安二郎に、PHPに書かれていた記事をもとにした作品があるそうだし。確かに、小津の歴史認識を問題にする評論家もいないではないのだが……。
 それは兎も角として、一年後には街の様子が全く変わって、旧来の住民が戸惑ってしまう変化の裏に、全く変わらない古い日本が居座っているという複雑、かつ珍妙な事態を見抜いていたのは橋本治、ただ一人で、死んでしまったのは残念である。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-39475888

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