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本を読む

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今は読まれなくなっている本、これはと思う最近の本など、なんでも取り上げて紹介します。分野も様々です。 独断と偏見で、3段階の評価をつけます。     ☆☆☆:読む価値あり    …
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#小説

[雪国]川端康成(1968,11,1)旺文社.236p. ☆☆                            

3段階の評価をつけます。 ☆☆☆:読む価値あり ☆☆☆:暇なら読んでも損はない ☆:無理して読む必要なし ここで挙げた本は、今は無き「旺文社文庫」の1冊です。 川端康成がノーベル賞を受賞した時(私は高校生)に、衝動的に買った本です。 定価はなんと150円。 当時、私自身は川端文学が好きだった訳ではありませんでした。 冒頭の『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。』という、あまりにも有名は始まりから、娘が窓を一杯に開けて駅長に叫ぶ場面に強く引かれまし

センチメンタルジャーニー読書[万延元年のフットボール]大江健三郎(1967,9)講談社. ※講談社文芸文庫(2007,6,1) 492p. ☆☆☆

3段階の評価をつけます。 ☆☆☆:読む価値あり ☆☆:暇なら読んでも損はない ☆:無理して読む必要なし 初版は1967年9月で、大江が32歳の時の作品。 私は高校3年生の時に出版されたばかりの初版本で読んだ。なんと今から半世紀以上前である。 これをきっかけに、大江の作品を読んでいった。 盆地を表現したような等高線によるカバーのデザインから強烈なイメージを与えられた。 また、はじめの部分での強烈な1行がショッキングで今でも頭の中に残っている。 『この夏の終わりに僕の友人は朱