私が描くこれからの酪農
忙しい日々を言い訳に、とっても久しぶりのブログになってしまいました。
相変わらず、酪農業界は明るい兆しが見えず、苦しい経営をしている酪農家がたくさんいます。
高秀牧場も、例にもれず現在はとても厳しい状況です。ふんばりどころです。今は厳しい高秀牧場ですが、こういう牧場になりたい、という夢は大きく持っています。
まず、高秀牧場が長年取り組んでいる、「国産飼料で牛を飼う」これは、現在も国産飼料100%を目指して動いています。令和の米騒動、と呼ばれる前は、食用米は余り、米の価格は低迷し、農家が辞めていき耕作放棄地に、、、なんてことがザラでした。田んぼって、耕作をやめると一気に荒れます。一度荒れた田んぼは田んぼに戻すまでかなり大変です。
高秀牧場では、稲作農家さんと連携を取り、飼料稲や飼料米を作ってもらうことで、稲作農家さんの収入UPと、農地の保全に努めてきました。田んぼを田んぼとして使用していれば、今回のように食用米が不足する事態が発生すれば、食用米を作ることができます。離農してしまったり、田んぼが荒れてしまうとそれもできないので、食料の調整弁として飼料用と食用で作る割合をコントロールできます。
(今年の作付は食用にする方が多いので牛さんの餌がたりるかなぁ、という心配はある)
いすみ市は米どころで田んぼが広がる地域ですが、農家の高齢化も進み、これまでなかなか米価も上がらなかったので、大きな機械でたくさん牛の餌を作って各地の酪農家に国産飼料を使ってもらう「牛さんの給食センター」のような取り組みを考えています。
国産飼料生産により、有事の際でも安定して酪農が営める環境を作っていきたいですし、飼料を海外から運搬するのにかかる燃料を削減することで、脱炭素化にもつながる。
酪農って、大量のエネルギーを使用します。トラクターを動かす燃料も、牛さんのための大型扇風機や、搾乳、生乳の冷却保管、なんでもかんでも電気が必要です。発電機を使うこともありますが、発電機はガソリンで動きます。農業の二酸化炭素の排出量が多いことを実感しています。
牛舎の屋根は広いので、太陽光パネルを載せて、自分たちで使う電気をできるだけ自分たちで調達することも目標です。バイオマス発電なんかもできるようになったらいいと思います。
将来的に、トラクターやダンプの電化が進めば、牧場で使うエネルギーをクリーンエネルギーに変えていくことも必要だと思います。
温暖化で毎年夏が暑くなっていて、家畜伝染病も深刻化して、もう牛舎を閉鎖型にして夏はクーラーをつけないといけないんじゃないか、とも思うくらい。そうすれば、また更にエネルギーが必要。
人間の生活にも、生きるためには「食」と「エネルギー」が必要。
牛を飼うのも、「食」と「エネルギー」が必須だけど、なんだか今の日本はそのどちらもが不安です。
私は、これからの酪農は「飼料」と「エネルギー」を自給することが必須だと考えます。
高秀牧場は、今とてもきつい状態だけれども、きっとこの窮地を抜け出して、日本の酪農モデルになるような牧場にする!とビジョンをかかげています。
すっごいお金かかる、、、
誰か30億円くらいくれないかな(笑)