『 ニュー丁髷 』誕生。ヘアデザインへの反逆者は、我々日本人だ。
UUUU
約150年前
我が国のヘアトレンドは【丁髷】であった。
歴史上 もっとも
ヘアデザイン の 文化 が クレイジー な 日本。
世界のヘアクリエイションをリードすべき者は、
髪結の血を継承する、我々、日本人だ。
さぁ先進的なヘアデザインと髪のARTを創造しよう。
こんにちは、美容師_ヘアクリエイターのUshiです。
最近ずっーと考えていたことがありまして、それはヘアクリエイターとして『世界一おもしろいヘアクリエイション(写真作品)ってなんなのだろう??」という難題です。
明確な答えなんて存在しませんが、とはいえ自分の中の答えはなんなのか?と納得できる答えを探していました。理由は今後の余生においての作品制作の為です。
僕の中では“おもしろい”という定義で計ると、アート的な表現をはずせないのですがヘアススタイルとして考えるとなかなか難しい。絵画や造形ではなく、髪という枠のなかであり、さらにいえば写真表現だからです。
世界中にある、様々なヘアクリエイションのなかに答えはあるのか?自分で生み出すのか?非常に難しい問いでした。
そんなことで頭を巡らせていると、一つの圧倒的なヘアデザインが存在することに気がついたのです。まさに雷に打たれたというやつでした。なぜならば物凄く身近に存在していたからです!
結論から言うと、それは、
江戸時代(1597年〜1864年)のヘアトレンドでる丁髷(ちょんまげ)です。約150年前まで存在して誰もがしる髪型です。
「丁髷」の何がおもしろいのか?
ぼく達は時代劇などで当たり前のように見ているのでマヒしているのですが冷静に考えて見て下さい。
頭の真ん中の髪を抜いたり剃ったり、終いには他の髪はロン毛で、しかもそのロン毛をよくわからないフェルムに整え、一本に束ねたと思ったら、頭頂部にチョンとのせて、毛先をパッツンとぶつ切りにするのです、、
#理解不能のオンパレード
もっとリアルな想像すると、抜くの痛いし、ロン毛は絡まって大変だし、髪のセットが物凄く繊細で、ベタベタして気持ち悪いし、自分ではでは再現できない髪型、
そんなの誰が日常的にやるの?です。もう流行らない理由しかないこの斬新で狂気的なヘアデザインですが、何を隠そう割と最近の日本人(男性')のトレンドだったのです。街の男のほとんどが、丁髷、丁髷、丁髷、、、って、これはカオスすぎませんか?
これに気がついた時は、ヘアクリエイターとしてもうこのデザインに勝てないなと絶望しました。こんなクレイジーな髪型がトレンドだったのですから、、
こんなに命を削ってきた僕のヘアクリエイションへの追求はなんだったのか。150年前にもうゴールはあったのだと。これには勝てません。もうヘアクリエイションやめようとさえ感じました。
たっ、ただですねこれってむしろチャンスなんじゃないかと小太刀を鞘に収めました。まず一つは、私達日本人には、この文脈を利用しクレイジーなヘアデザインを創作する理由ができるということです。
「なんでお前がそんなに狂ったヘアデザインを創っての?」Why do you make crazy hair designs?と聞かれたら、
ぼくは歴史上もっともクレイジーな丁髷のヘア文化をもっている、髪結(日本人)の継承者だからと答えられる。
そしてもう一つ(これが本当に最高!!)
アートで東洋人が勝負できる道筋の一つが、僕がもっとも尊敬する現代アート作家の村上隆さんのように、西洋のコンテスト(文脈)にそったルールに、東洋(日本)のカルチャーや思想をミックスするという手法があります。
村上隆さんの例を超わかりやすく言えば、アメリカのポップアート(ルール)に、日本のカルチャー(アニメ、オタク文化、浮世絵)をぶち込んだわけです。
ぼくも知りませんでしたが、アートの世界は見えないルールがあるのです。決して自由じゃない。
そして、その中で評価を得るためには、サプライズ(新しさ)が必須らしいのですが、もう新しさなんてなかなか存在しない時代です。もし新しかったとしても、アジア人の僕たちが先に発表しても、アメリカ人が真似した時点で試合終了です。発想も資本や本家に負ける。
*本家とはもともとは西洋で、現在はアメリカです。基本は資本主義なので、戦争に勝った国がアートバブル(パトロンが生まれ)主導権をもちます。
そして、アメリカのルール?では、アートは歴史を知った上で上書きをするが大道で、自分がどのコンテクスト(文脈)に影響をうけ、新しさを表現しているのか?を説明できないと勝負できない。
「あなたの作品のコンテクストはなに?」これ、必ず聞かれるらしい。
寿司屋だとしたら、どう頑張っても外国人の寿司屋が日本より評価が上がることはないというような感覚です。
もしアメリカ人の寿司屋が日本の寿司に勝負をいどむのならば、日本のルールに自国のカルチャーをのせたカリフォルニアロールが有効だという感じです。そうすると、結果日本の寿司屋でもメニューにあったりします。
そしてコンテクストとは、そのカリフォルニアロールはどの日本の歴史をなぞり生まれのか?を説明する感じです。かっぱ巻きをアレンジしたみたいな説明。
【丁髷】とは、髪型をアートとして表現する上で、非常に都合が良さそうです。
ということで、ぼくは早速、ヘアクリエイター ⇒ 丁髷アーティストに肩書きを変えました。
丁髷アーティストとは、丁髷の結い方を継承し昔ながらの丁髷スタイルを再現するとかではもちろんありません。
狂気的なヘアデザインを「ニュー丁髷」と定義し、海外やアートを視野に入れた表現を試みたりしたりする感じです。でっ、早速製作にかかりました。にしても理屈はわかっても本当に難しかったです。
今年はこれを育てると決めていたので、今までのクリエイションを全て中止し望みました。現在進行中です。
これって本当、ある意味リスクで、せっかく昨年は業界誌で表紙や特集をやらせて頂けまでになりましたが、完全に従来の制作をストップです。
でっ、やっとニュー丁髷が完成しました。「ダイアグラム」というシリーズになります!!*実際の作品は、顔に金箔が貼られます。
【 New Chonmage 】
Work series
Tooth blackening & Diagram
展開図になる!?ユニークなアニメフォルムを搭載!!
ツンツンと逆だてたフォルムは、日本のカルチャーであるアニメのキャラクターを連想させ、美容師がカット技術を学ぶ際に教材として使用する「展開図」=「ダイアグラム」を表している。実際に、これを元にカットを施すと、現代のトレンドスタイルが現れるとユーモラスな仕掛けが施されている。
伝統芸能である「能」をモチーフに生まれた「金箔顔」が登場!!
*実際の作品は顔が金箔になります。
写真に金箔を装飾することで、写真では表現不可能なカラーを補い、日本画のような現物でしか味わえない風合いをプラスしている。また、インターネットやNFTの台頭を揶揄するような現物主義の表現が施されている。
新機能!!お歯黒をブラックフードでmake up!!
江戸時代には存在しなかっ黒い食品をお歯黒(メイク)として代用し、現代の食文化の多様化やフードロスなどの食品問題を訴えている。作品シリーズには、キャビア、コーヒー、ポッキー、コーラガム、板チョコ、昆虫食などを使用している。
といった感じです。いかがでしょうか?僕も正解がわかりませんが、今できる僕なりのニュー丁髷です。少しずつですが、新たなヘアクリエイションを構築できたらと思っています。今年はこの作品の展示をしていきますので是非、生で見て頂けると嬉しいです。
でっ、早速有難いことに展示が決まりました!!!
初のお披露目はこちらになります↓↓↓
ありがとうございました!!
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