"be with you"を迎えに行くーUNISON SQUARE GARDEN TOUR 2022 "kaleido proud fiesta"
2017年-2018年にかけて行われたシングルツアー”One roll, One romance”から4年。
2022年9月にかけて、UNISON SQUARE GARDEN17枚目のシングルkaleido proud fiestaを引っさげたシングルツアー"kaleido proud fiesta"が開催された。
初めてこのツアーに参加したときには度肝を抜かれ、ツアータイトルやセットリストを紐解くと小説を読んだときのように胸が熱くなったので、自分がどうセットリストを紐解いたのかを言葉にしたい。
“kaleido proud fiesta”とは一体何だったのか?
"kaleido proud fiesta"
それは『"I miss you"の「今」を"be with you"に変え、結ばれた相手と"be with you"の「その先」へ歩もう』とする主人公のラブストーリーである。小説で例えると、前編の『"I miss you"の「今」を"be with you"に変える』物語と、後編の『結ばれた相手と"be with you"の「その先」へ歩む』物語に分けられる。
なぜ先述したようなラブストーリーと言えるのか。そしてなぜ前後編に分けられるのか。これを紐解くにあたり、まずはharmonized finaleとkaleido proud fiestaの歌詞に注目したい。
"I miss you"とは「あなたが恋しい」、"be with you"とは「あなたと共に」という意味である。この和訳を踏まえると、harmonized finaleでは結ばれることを願いながら片想いし続けている描写がある一方で、kaleido proud fiestaでは「一緒に生きていこう」と告白している描写があると言える。
次に、kaleido proud fiestaとto the CIDER ROADの歌詞にも注目してみよう。
kaleido proud fiestaでは「今あなたと僕だけで夢を見続けないか」という描写があるが、この言葉は片想いにおけるエンドロール的な言葉である一方で、結ばれた後の未来へと向かうプロローグ的な言葉でもある。
加えて同曲は「またストーリーは始まる」「快進撃は始まった」という物語が進むフレーズもあることから、プロローグになっていることは明白である。そしてto the CIDER ROADでは引用した歌詞のように、2人の作り上げる未来について思案している描写がある。
また前後編で主人公と片想いの相手との関係性は変化しているが、それはシャンデリア・ワルツと10% roll, 10% romanceの歌詞にも描写されている。
ワルツは「抱き合った男女がダンスフロアを円を描くように踊る円舞」であるが、前編では片想い中だったが故にうまくワルツを踊れなかった一方で、後編では手を握って一緒に踊れるまでに関係性が深化している。
以上を踏まえると、"kaleido proud fiesta"は、『"I miss you"の「今」を"be with you"に変え、結ばれた相手と"be with you"の「その先」へ歩もう』とする主人公のラブストーリーである。小説で例えると、『"I miss you"の「今」を"be with you"に変える』前編(2~16曲目)と『結ばれた相手と"be with you"の「その先」へ歩む』後編(16~en3曲目)で構成された2部作の小説だと言えよう。
各曲への考察
"kaleido proud fiesta"を紐解いたところで、セットリスト入りした各曲を見ていこう。ここでは各曲が、2部作の小説においてどのようなピースになっているかを紐解いていく。
1.harmonized finale
"kaleido proud fiesta"の幕開けを担うharmonized finale。
この曲では、セットリスト入りしている曲との関連を思わせる歌詞が多く出てくる。
引用したフレーズをそれぞれ見ると、「劣等感」は6曲目のSilent Libre Mirageと、「猜疑心」は9曲目のfake town babyと、「羞恥心」は11曲目の弥生町ロンリープラネットと、「虚栄心」は12曲目のワールドワイド・スーパーガールと、「誰かと誰かを繋ぐ星空の下」は15曲目のオリオンをなぞるとそれぞれ対応している。
これを踏まえると、harmonized finaleは、『"I miss you"の「今」を"be with you"に変える』物語において、主人公が感じる感情や風景を網羅的に描写していると言えよう。すなわちこの曲は、2曲目の箱庭ロック・ショーから16曲目のkaleido proud fiestaまで全15曲の要約であり、17曲目のto the CIDER ROAD以降で描かれる後編への伏線にもなっている。
2.箱庭ロック・ショー
ライブの熱を加速させる上で重要な2曲目を担った箱庭ロック・ショー。
"今はまだ囁いているくらいのパンジー "という歌詞に出てくる「パンジー」は春を表す草花で、「もの思い」「私を思って」という花言葉がある。
11曲目の弥生町ロンリープラネットで「そして僕らの春が来る」という歌詞があることから、この時点は0年目の春だと言える。
では0年目の春、主人公はどのような気持ちなのだろうか。
歌詞ではまず「君が真ん中な世界」というフレーズが出てくるが、これは自分の思考の一番を占めているのは相手だと言える。
ここで先述した「パンジー」の花言葉に着目すると、主人公にとってその相手とは片想いの相手であることは明らかであり、その片想いを主人公自身は受け入れられずに四苦八苦している。
一方で主人公は、自分には無限の可能性があり、現実を切り拓いていく力があることを知っている。
だからこそ、"be with you"の未来は紆余曲折の少ないストーリーで実現させたいし、その未来で溢れる光景を見たいと決意している。
3.世界はファンシー
少ない紆余曲折で、"be with you"の未来を実現させる決意をした主人公。
そんな主人公のいる世界は、空想的で孤独なものである。
というのも、この世界では、世の中の一体感と自分自身の信念は背中合わせで、時と場合によっては自分の信念が奪われかねないこともあるからである。
しかし、そんな世界でも世の中に流されるよりも、自分の信念を貫いて生きるほうが楽しいし、幸せなのである。
実際、この世界では、退屈なことでもあらゆるものが生まれ変わって変化することもあれば、自分自身の素直で邪心のない心が世界をわかせることもよくある。だからこそ、主人公は、自身の望む未来を実現するために、ロールシャッハテストのように、相手の思考を分析しようという策略が必要になると認識している。
4.シャンデリア・ワルツ
策略が必要だと認識した主人公。
そんな彼はどんな街に住んでるのだろうか。
シャンデリア・ワルツではまず、物語を進める上で必要な、主人公と片想いの相手が住んでいる街と彼らの関係性を定義している。
この街は、心に強い衝撃を受けて夜眠れなくなったとしても、気づいたら時間が経って翌朝になるという時間の流れが存在している。その街において、まだ主人公と片想いの相手は呼吸を合わせてワルツをうまく踊れるほどお互いを知っているわけではない。だからこそ、主人公は、"be with you"の未来を実現すると自分自身に約束するのである。
また本筋からずれるが、シャンデリア・ワルツの歌詞には、「君」「自分」「僕ら」という言葉が頻出している。ここまでの考察を踏まえると、「君」=「自分」=主人公、「僕ら」=夢を持つ同志と解釈できる。すなわち、シャンデリア・ワルツは主人公に向けた応援歌だと捉えることができる。
5.CAPACITY超える
4曲目後に暗転し、「UNISON SQUARE GARDENです。最後までよろしく。」と自己紹介からの一曲。
シャンデリア・ワルツでは、主人公は"be with you"の未来を実現すると自分自身に約束し、その未来に向かって歩みを進めていた。
しかし、寝ても覚めても同じ日常が続いており、様々な感情を味わっても片想いは一向に変わる気配がないので、主人公はお手上げ状態になっている。そのため、金縛り状態になって身動きが取れなくなることを望んでいるものの、それだと大好きな片想いの相手に会いに行けなくなるのに気づいてしまった。そんなところでSilent Libre Mirageへと繋がる。
6.Silent Libre Mirage
Silent Libre Mirageはドラマ「男水!」の主題歌であり、ドラマの舞台は水泳がテーマだったことを踏まえると、本曲で夏に季節が移り変わったと言えよう。
夏になっても"be with you"を実現する未来が見えないまま、その未来に向かってもがき続ける主人公。その中で、彼は「元々あった純粋な気持ちを失ってしまったら、恋敵を意識してしまうこと」を自覚した。だからこそ恋敵と優劣を競い合っても劣等感を感じて自信を失う原因になるから、主人公は恋敵の存在をシャットアウトしようと決めた。これがharmonized finaleの「劣等感はI don’t care」に繋がるわけである。
それと同時並行で、主人公が"be with you"を実現できるかは主人公自身の力量次第なので、主人公は自分の望む未来を実現する仕掛けの準備を着々と進めている。そして、その準備を終え、Own Civilizationにへと話は進んでいく。
7.Own Civilization(nano-mile met)
7曲目にあえて”nano-mile met(7枚目)”とさらっと言ってるあたりが粋である。
さて、自分の望む未来を実現する仕掛けの準備をすませた主人公は、自分の望む未来を実現する仕掛けを片想いの相手に仕掛けた。その仕掛けは彼女の感情を汲み取る精度が上がったら、彼女の気持ちを主人公に向かせる確率が上がるものである。一方で、彼女に気づかれたら彼女に逃げられる危険性があるものでもある。
しかし、その心配も杞憂に終わり、彼女に気づかれることも、逆効果になることもなかった。むしろ、彼女は戸惑ったり、知っているような顔をしていた。だが、それを主人公は知る由はなかった。
ここで「自分の望む未来を実現する仕掛け」とは何かと疑問が浮かぶが、それはこの歌詞が解決してくれるだろう。すなわち、主人公は片想いの相手とちょうどいい温度感で接しつつも、今の片想いを変えるために、2人の時間を過ごす約束を取り付けたと言うことである。
8.ラディアルナイトチェイサー
主人公が彼女と2人の時間を過ごす約束を取り付けた途端、突然試練がやってきた。
その試練は、恋敵が主人公と彼女、2人だけの物語を壊そうとするものである。
その試練に、主人公は、「彼女の気持ちが何かの拍子に自分に向くこと」に一筋の望みをかけており、また恋敵に邪魔されても、それは主人公と片想いの相手の絆を強くし、なんなら僕らの望む未来への家庭を示していることになると自分自身を奮い立たせている。
だからこそ恋敵に邪魔をされても、彼女との2人だけの時間を都度都度作って行けばいいという考えになっている。
9.fake town baby
fake town babyでまた「街」という言葉が現れる。
まず英詞を意訳すると、自分が正しいと思っているものが確かな真実とは限らないし、それを思い込んだら自分にとって大きな悲劇をもたらしうるということである。
これを主人公と彼女との物語に当てはめると、彼女との2人の時間を過ごしたからと言って、「ともに生きる」未来が近づいているとは限らないことを意味する。すなわち、主人公の自戒となっている。
本曲では全体を通して、「trick or treat」「甘いか苦いか」と二者択一を迫るフレーズが多く出現するが、これは、世の中には、自分の常識が通じないこともあり、「自分の願望」と「現実」のどちらを取るかの二者択一を迫られており、どちらも慎重に吟味する必要があることを意味する。
ここがharmonized finaleの「猜疑心」と繋がる。
そんな中で、私たちは二者択一の中から1つを選び取り、それを自分自身の真実にしていくしかない。
これを主人公と彼女との物語に当てはめると、主人公は「片想い」の現実と「ともに生きる」の願望のどちらを取るか迫られている。
そんな中で、「二者択一を求められる日常を楽しんで受け入れ、自分の力で未来を切り拓くことが大切だ」と本曲では書かれており、主人公への激励となっている。
10.5分後のスターダスト
fake town babyで前半戦1区切りして演奏された、5分後のスターダスト。
箱庭ロック・ショーは「パンジー」なので春、Slient Libre Mirageはドラマ「男水!」の主題歌だったがゆえに夏を表しており、本曲は「金木犀」の秋。やはり今回も季節の移ろいがセットリストに組み込まれている。
夏、主人公は試練に直面しながら様々な彼女の一面を見てきた。
しかし秋になっても”I miss you”の関係性は変わらず、ただ日が次々に移り変わるだけで、どうすればいいのかわからない。
そこで主人公は彼女との思い出を1つ手にとって、2人の関係性を一言で呼べるように名前をつけてみようとしている。
なお、金木犀の花言葉は「真実」である。
その真実に迫ることで、主人公は「ともに生きてく」未来が目に浮かんだものの、まだどう彼女に伝えたらいいのかわからないままである。
そこで、主人公は、1つ手にとった思い出以外に一旦蓋をして、自分自身のデフォルト(初期状態)を”I miss you”から”be with you”に置き換えてみている。すると、彼女に片想いしている理由が見えてきて、金木犀の香りを感じられ、忘れかけていた彼女を好きになったきっかけを思い出せるようになった。
だからこそ、「ともに生きる」未来が鮮明に浮かんできて、主人公の中で明確になった。そして季節は冬に移り変わってゆく。
11.弥生町ロンリープラネット
季節は冬。
主人公は秋に、彼女に惹かれた理由を思い出した。それは、僕らがお互いに一人ぼっちだったからである。
だから今の「片想い」という曖昧な関係から一歩進んだ関係になるために、勇気を出すことが必要だと思っているものの、主人公自身はもともと「本当の気持ちは伝えないことが当たり前だ」と思っていたので、ちゃんと片想いの相手に伝える心準備をしたいと思っている。
ここがharmonized finaleの「羞恥心」に繋がる。
心準備をする中で、惹かれた理由は伝わるように言葉にしない方がよりその相手が大切だと思えそうだという予感がしている。
だからこそ、本当の気持ちを伝えるかどうか葛藤している。
しかしその葛藤の中で、「本当の気持ちを伝えたほうがお互いの距離が縮まるし、距離が縮まることが幸せだ」と主人公は気づき、彼女に想いを告げた。そして次の春がやってきた。
12.ワールドワイド・スーパーガール
さて彼女に本当の気持ちを伝えて1年目の春がやってきたわけだが、彼女はどんな性格をしているのだろうか。
引用したように、彼女は、状況に応じて自分に都合のいいように判断し行動するご都合主義な性格をしている。
だからこそ、主人公は、不安がったり、彼女に応えようと頑張ろうとしてみたりする。ここがharmonized finaleの「虚栄心」に繋がる。
けれども、それは期待はずれに終わってしまう。そうであるならば、主人公はご都合主義な彼女に合わせるのではなく、自分らしさを貫いて生きていけばいいと気づく。
13.ナノサイズスカイウォーク
目まぐるしく変化する世界には、右倣え右などの常識が存在している。
そんな世界において自分自身の信念を持って生きようと決意した主人公の存在は目につく。
主人公にとってそんな世界は息苦しいので、今生きている世界を愛しつつ、他の誰かに見つけられることもなく自分の信念を貫きたいと思っている。
一方でご都合主義な性格をしている彼女は、世間に流されやすいので、自分自身の信念を彼女に伝えるときは細心の注意を払わないといけないとも考えている。
だからこそ、主人公は彼女のことをちゃんと見て生きていく中で、「ともに生きる」未来が実現できる予感がしている。だからこそ、主人公は世界中のどこにいても彼女をすぐ見つけることができるし、お互いの距離も縮めることができると確信している。
14.サンポサキマイライフ
彼女のことをちゃんと見て生きていく中で、「ともに生きる」未来が実現できる予感がしている主人公。彼は「ともに生きる」未来の実現に向けた最終局面の準備を終わらせた。
だけど一方で、準備を終えていざ最終局面に進めようとすると、世の中にある流行や「右倣え右」などの不条理が邪魔をしてくるかもしれないという不安に苛まれている。
そんな不安を払拭するために、「すぐそこの『ともに生きる』未来のために自分の気持ちは保ったままでいなくちゃ」と自分を鼓舞している。
自分を鼓舞したことで、主人公は最終局面に向けた「ともに生きたい」という自分の気持ちは揺らぐこともなく、むしろワクワクしている。
だからこそ、彼女にはそんな最終局面を受け入れてほしいと思っており、最終局面にへと彼女を連れて行く。
15.オリオンをなぞる
彼女を「ともに生きる未来」に連れて行く途中、主人公は彼女の様子を伺った。
すると退屈な顔をしており、最終局面において彼女が主人公とともに生きたいのかそうでないのかがわからなくなった。
だからこそ主人公はその迷いをなくすためにこれからの未来を願う言葉を伝えたいと思っており、「ココデオワルハズガナイノニ」とそれをいつ伝えようかと思案している。
思案する中で、主人公は彼女に「自分の物語には彼女だけがいれば十分で、主人公と彼女は孤独な星同士だからその関係は切ろうとしても切ることができない」ということを気づいてもらいたいと思っている。
だからこそ地震の右手を伸ばして、お互いに孤独な状態から「ともに生きる」未来へと彼女を連れて行こうとしている。
彼女を未来に連れて行く中で、主人公は彼女に「これから楽しいことも辛いこともたくさんあるけど、それでも一度しかない青春の時間を一緒に楽しもう」と伝えている。
そして最後に主人公は、「彼女と2人だけの世界があればそれで十分で、今までの過程をすべて愛して「ともに生きる」の未来へ一緒に行こうと伝え、「ココデオワルハズガナイノニ」とこれからの未来を作っていく決心をしている。
16.kaleido proud fiesta
本ツアーの表題曲。
「ともに生きる」の未来へ一緒に行こうと伝えた主人公。
しかし、彼女は「ともに生きる」未来には何が起こるかわからないので不安を感じている。
だからこそ、「その不安を持って足ぶみしても時間が進んでしまうだけだから前に進もうよ」と主人公は彼女に励ましている。
2人が結ばれる未来に全速力で向かっている主人公。
その未来を実現する上で、自分の心の準備ができているかを自問しており、「告白したことを誇れるかが大切だ」と自分を鼓舞している。
そして心の準備ができた主人公は「"I miss you"はもう要らない 未来を迎えに行く」と彼女に告白している。
ノクターンは夜をテーマにした曲であり、告白をするのは通常夕方から夜にかけてが一般的なこと、そして「胸の奥灯っている誰かを想うような 不器用なノクターン」というフレーズがあることを踏まえるとこれは自然である。
そして告白後、2人で歩む未来にワクワクできる感覚があるか、そしてその未来を誇れるかをお互いに自問した。
そして告白は成功し、その光景は人生において綺麗すぎて忘れられないものになった。
そこから「ともに生きる」決断をした2人だけの物語が始まって行く。
17.to the CIDER ROAD
kaleido proud fiestaでは「かくして快進撃は始まった」と、主人公と彼女が"be with you"のその先を歩もうとしていた。
to the CIDER ROADはその先を歩む第一楽章になる曲である。
彼女とともに生きると決断した主人公は、流行に馴染めないし、そこには一貫した基準のないことにもめんどくささを感じている。
そんな中で、世の中には様々な誘惑があるものの、それに惑わされずに、彼女とどんな物語を作ろうかだけを考えてこれからも生きて行くことを考えている。
その物語を作るにあたっては、過去(結ばれるまでの過程)を美化するのではなく、「お互いに弱さをさらし合って生きていく」ほうが重要だと、主人公は自分に言い聞かせている。
だからこそ、2人だけの物語のマイルストーンになる出来事に早く進もうとしているし、彼女に「何をしよう?」「どこへ行こう?」と訴えかけている。
18.10% roll, 10% romance
彼女との2人だけの物語を作る道中にいる主人公。
現在は、余計なことを考えてしまい、支離滅裂状態に陥ってしまっている。
また主人公は日々生きる中で、無数にある現実の中から、「自分にとっての真実にする」現実を選ぶことを求められる。
そんな日々を生きる中で、主人公は「空気をたまには読むのをやめて、自分の思ったままに行動してみよう」と、余計なことを考えずにただ直感を信じて動き、選び取った現実を自分にとっての真実にしようと決意する。
余計なことを考えずにただ直感を信じて動き、選び取った現実を自分にとっての真実にできるようになった主人公は、選び取った真実を彼女がどのように感じるかを気にしてしまう。
だからこそ、「君がどんなフレームに僕を入れるのかを知りたい」と思っているが、一方で「2人だけの物語はこの先も続くので、その楽しみを未来に取っておこう」と決意している。
しかし、「自分のことを伝え、彼女の感情を知ろう」とする行動は2人の関係性を加速させる起爆剤であることを主人公は知る。
だからこそ主人公はその起爆剤を生かして、彼女に「2人だけで他の人が作れない未来を作ろう」と伝えており、また「その過程において彼女がどんな感情を持ちたいのかを自分だけが知りたい」と伝えている。
2人だけの物語において、彼女の生き方や感情丸ごとを知れるのは「ともに生きる」決断をした僕だけで十分だからだ!
en1.Cheap Cheap Endroll
2人だけの物語を進めるだけで、自分だけしか知らない彼女の姿を見てきた主人公。
しかし、時間が経つに連れて、彼女が世界で生きる姿を見て、中身がないと思ったり、嘆かずにはいられないほど情けないと思ったり、悲しい、恥ずかしいと思ったり、と言葉あて遊び(=シャレード)のように出てきてしまう。
そうした感情は、彼女がどんな風に世界と踊るのかを知るたびに、彼女のことを好きになるたびに、沼にハマるほど次々に出てくる。
だけど、そんな感情は「ともに生きる」と決意した主人公にとっては邪魔以外の何者でもないので、主人公はそれらの感情全てを脳内から消し去った。
en2.シュガーソングとビターステップ
余計な感情をよそにした主人公は、非日常を日常と見間違ったり、自分の本心がわからない状況に陥いる。
しかし、「世の中の流れに合わせて自分の考えを変えていく」のが世の中の正論だけど、自分の意に反してそれをするのは人形と変わらないと気づいた。
だからこそ、「大嫌い大好き」と自分の感情を大切にし、自分の信念を曲げずに生きていこうと決意する。
だからこそ、「最高」や「幸せ」と感じる瞬間を死ねない理由にしてし、日々気持ちを切り替えながら生きていこうと考えている。
なぜならその生き方が、いつか非日常や世の中の常識としても、自分らしく生きて行けることであるからである。
だからこそ、自分が生きる理由を「信念を貫く」ことに見出すことが重要だと考えている。楽しい時も苦しい時もあったとしても、それが世界を変える大きなきっかけに変えうることを主人公は知っているからだ。
en3.場違いハミングバード
自分が生きる理由を「信念を貫く」ことに見出す主人公。
しかしそれはうまくいかず、残念なお知らせが続く苦難の日々を過ごしている。
そんな日々を主人公は、「自分が生み出したものなので、行き当たりばったりでも自分のものにしたら勝ち」であると考えている。
また日々を過ごす中で、主人公の信念は、彼女とのちょっとしたすれ違いを生み、思った様にお互いを理解できないことも彼女を泣かせる原因になるかもしれないと主人公は思っている。
しかし、ここまで片想いの時もともに生きると決断した時も苦難の日々はいっぱいあったからこそ、主人公と彼女の絆は壊れることはないので、自分らしく生きていこうと考えている。
さいごに
UNISON SQUARE GARDENを好きになって9年。
"kaleido proud fiesta"ほどワンマンライブのセットリストに度肝を抜かれたことはなかった。
だからこそ、どうセットリストが組まれたかを読み解きたくなった。
今回書いた考察はもしかしたらセトリおじさんの狙いの20%にも満たないかもしれない。
また文章全体で見た時に整合性が取れていない部分があるかもしれない。
だけど、ツアーファイナルという大切な日に、僕なりのUNISON SQUARE GARDENのラブレターとして認めた。
どうせ4年後も何年後もUNISON SQUARE GARDENを好きでいるんだと思う。