地獄の two pizza rule (13)
ジョンは無料案内所の男の情報を頼りに、所沢からさいたま市と東京23区を避けながら千葉方面に向かっていた。
途中、秋津駅で列車を降りた。しかし、彼は一瞬で心が沈み、絶望に打ちひしがれる瞬間が訪れた。
「東京都に入ってしまった…」ジョンは震える声でつぶやきながら、自分の過ちに気づいた。
東京都に入っているという事実が彼を襲い、絶望が全身を覆い尽くした。彼は駅のホームで立ち尽くし、心の底から叫び声をあげた。
「なぜ、なぜこんな愚かなミスを お・・・お・・・(犯)したんだ!」
ジョンはもがき苦しみ、自己嫌悪に苛まれた。彼の心は混乱し、闘志は一時的に揺らぎ始めた。
すると、通行人が彼に近づいてきて手を差し伸べた。「大丈夫ですか?何か困っているようですね。」
ジョンは涙目で通行人に問いかけた。「ここ、秋津は東京都なんですよね?23区に入ってしまったんじゃないかと…」
通行人は軽快な笑顔で答えた。「いいえ、心配しないでください。秋津は東京都ですが、東京23区ではなく東村山市に属していますよ。大丈夫ですよ、戻れますから。」
ジョンは通行人の言葉に安堵の表情を浮かべ、ほっと胸を撫で下ろした。
「本当ですか?ありがとうございます!」ジョンは感謝の気持ちを込めて通行人に頭を下げた。
再び希望を抱き、ジョンは東村山市を通り抜け、江戸川への道を歩き始めた。彼の心に再び闘志が燃え上がり、組織の闇との戦いに立ち向かう覚悟を取り戻したのだった。
ジョンは涙を拭きながら、秋津駅を後にした。しかし、彼の前には新たな困難が立ちはだかった。
「荒川を公共交通機関で渡るには、23区かさいたま市のどちらかに入らなければならないのか…」ジョンは絶望に打ちひしがれ、心の底からのがれ出すことができなかった。
彼は駅のベンチに座り、自分の運命に悔しさと苦しみを抱えながら、再びもがき苦しむ時間を過ごした。
しかし、絶望の中にあってもジョンの心には闘志が残っていた。彼は自らの決断力を取り戻し、荒川を歩いて渡ることを決意した。
立ち上がり、足早に歩き始める。道中で風が彼の頬を撫で、彼の内なる力を奮い立たせるようだった。
和光市駅に到着すると、ジョンは電車から降りた。彼は駅のホームで立ち止まり、周囲を見渡す。
新たな展開に対する不安と緊張が彼の心を揺さぶりながらも、彼は決意を固め、闘いを続けるための次なるステップに進む準備を整えた。
荒川を歩いて渡り、目的地への道を切り拓くため、ジョンは前に進み続ける決心を固めたのである。
(続く)