地獄の two pizza rule (16)
ジョンは興奮と期待に胸を膨らませながら、拾ったビデオデッキでビデオテープを再生した。
不鮮明な画面には、丸い穴の中を覗き込むような影や窓からこちら側を見て髪を解いている女性の映像が映し出された。また、新聞の切り抜きや井戸の映像も交互に現れた。
しかし、組織の手がかりを見つけることはできなかった。ジョンはがっかりと同時に、その不可解な映像に何かしらの意味があることを確信していた。
その時、特に鏡に写る女性の顔が印象的だった。彼はビデオテープを巻き戻して再生し直すことに決めた。
井戸の映像のところで、何かが起こった。井戸から女性が現れたのだ。
ジョンは驚愕の表情を浮かべながら、そのシーンを目の当たりにした。彼はビデオテープが持つ重要な情報に一歩近づいたことを感じた。
女性が井戸から出てきた瞬間、ジョンは予期せぬ展開に戸惑いながらも、その女性の存在が組織に関連している可能性を感じた。
彼は心の中で冷静に考えを整理し、ビデオテープに隠されたメッセージや手がかりを探し続ける決意を新たにした。
井戸の女性はその後、画面から出てきたものの、美しいとは言い難かったため、ジョンは彼女にお願いして帰宅してもらうことにした。彼は深いため息をつきながら、井戸の女性に別れを告げ、一人になった。
その後、ジョンはVHSテープに手がかりがなかったことを再確認した。自分が思い込んでいた重要な情報は、実は何もなかったのだ。ジョンは思い返してみると、江戸川から帰る途中に半蔵門線を利用して23区を通ったにも関わらず、セキュリティチームが現れなかったことに気づいた。
女子高生の話や無料案内所の男の話は、おそらくデマだったのだ。ジョンは自分が騙されていたことに気落ちし、絶望に包まれていった。
彼は心の底から何もかもが嫌になり、掃除夫からもらったUSBフラッシュドライブを捨てようと思った。しかし、手に持っているドライブをよく見ると、後ろに別の端子がついていることに気づいた。
ジョンの心は興奮と期待に満ち溢れた。何か重要な情報が隠されているのではないかという思いが彼を駆り立てたのだ。
彼は自分の行動に新たな意味があることを感じ、興奮しながらその別の端子が示す可能性を追求する準備を始めた。
(続く)