{二次創作 漫画原案}東方プロジェクト 文々。放浪記

前章

「恋って、なんでしょうか」
私は誰にともなく問う。
「え?どうしたんですか急に」
「そうよ、文らしくもない」
私らしくないってなんですか
「でも・・・。恋、ですか。人によって考えとか違いそうですが」
「あやや、そんな真面目に考え込まないでくださいよ」
「実はあんたより、椛の方がよっぽど知りたいんじゃなくて?」
「そそっ、そんなことないですよ!」
あら、これは意外だわ。
「それじゃぁ、一緒に探してみますか。ほら、はたても行きますよ!」
「えっ?ちょっ、文さん!」
「え、私も一緒に行くの!?ちょっと聞きなさいよ!」
私は二人の、今ある仲間の手を取る。
今度は見つかることを信じて。
昔の自分では見つけられなかった、本当に“大切なもの”を探しに。

今を吹く風 編

「それで、まずはどこから行きましょうか」
「え、あんた考え無しに出てきたわけ?」
文はそっと目を逸らす。
少し呆れたようなはたて。
「まぁなんとなく予想はしてたけど」
「いやいや、こうやって突発的な行動によっていつもと違う見え方とかもあるんですよ!・・・多分」
「自分で“多分”って言わないでよ」
「そ、そうだ!椛はどこか行きたい場所とかありますか?この際ですし聞いておきましょう」
文が逃げるように椛に聞く。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「私は・・・。そうですね、妖怪の山の中に行きたいです。あそこにはあんまり行ったことが無くって」
椛が少し恥ずかしそうに言う。
そんな彼女とは変わって、残り二人の表情が一瞬暗くなる。
「どうでしょうか?」
少し不安そうな顔で椛が確認する。
「・・・あやや。いいですね!折角の機会ですから、私とはたても居ることですし行きましょうか!」
「ちょ、ちょっと文・・・!」
「いいんですよはたて。最近はあそこの人たちも随分と穏やかになりましたから」
「それでも・・・」
「そのための私たちです。さすがに椛一人では行かせませんよ」
「・・・そうね」
それでもまだ、はたては不安そうなまま。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「どうしたのですか?」
対する椛はなんのことか分からないといった様子。
「いえ、何でもないです。じゃあまずは山内の街を目的地にしましょう」
「はい」
「・・・・」
三人は妖怪の山の内部、巨大な空洞の中に作られた街に向かうことにした。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「へぇ~。ここが山の内部・・・」
小さな洞窟を入口として山の内部へと向かった三人。
入口とは打って変わって、その空洞は大きく、山の上にある集落よりも賑わっている。
「人がたくさんいますね」
「そりゃね。実質、天狗社会の中枢はこっちにほとんどあるくらいだし」
はたてが答える。
「それに最近では新聞よりも娯楽に走る天狗も多くて・・・。まぁ文屋の私にとってみれば競争相手が減って嬉しい限りですけどね」
「あんたの分は私が貰っちゃうからあんたのは変わらないんじゃない?」
「あなたに負ける気はありませんけどね」
なんとなく話が逸れたところで。
「あの、そういえば。さっきからチラチラと視線を感じたりするんですが、やっぱり私って珍しいのでしょうか」
椛の言葉にはたては黙る。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「あぁ、そうですね。椛も含め、白狼天狗って物資調達を里まで降りるでしょう?こちらの方が距離がありますから仕方ないでしょうけど。だからここに白狼天狗が来るのは珍しいんですよ」
「そういうことなんですか」
でも、と文は周りを伺う。
やっぱり、まだ早かったのだろうか。
最近は情報公開の幅を広げ、少しずつ白狼天狗にもこちらへくるのが許されつつあるけれど、未だに古参の白狼天狗の格下扱いは治らないのか。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そんなふうに思っていたところ、目の前から一人の天狗が歩いてくる。
今まですれ違ってきた人とは違い、明らかに三人の方へと向かってくる。
だいぶ年配の鼻高天狗の男だ。
彼は大きめの声で話し出す。
「珍しいなぁ。こんなところに白狼天狗が来るなんて」
それに答えるように文も大きな声で答える
「あら、これはこれは。今日はこの子にこの町のことを見せてあげたくてねぇ?」
「ほう。てっきり白狼天狗は人里にしか行かないものだとばかり・・・」
「いえいえ、こうして現に来ているのですよ?少しはその考え方を改めたほうがいいのでは?」
文がそっとはたてに合図する。
それに気付いて。
「椛。少しあそこで休んでいましょうか」
「?いいですよ」
そう言うと二人は歩いていく。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
はたてと椛が声の届かないくらい離れたところで。
「さてと。今日はこれくらいでいいか」
鼻高天狗の彼が言う。
「あなたも物好きですね。わざわざ自分の立場を危うくするなんて。でも、あなたが変革派で良かった」
文も声を大にして話すのをやめる。
「君だってそうだろう。昔はどっち付かずだったのに」
「あやや、そうでしたね。あの頃は・・・」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
文の頭に記憶が蘇る。
忘却を拒み続けた記憶。
真っ白な髪に真っ白な翼。
動く度に揺れる長いサイドテール。
彼女のまっすぐな意思。
「彼女は、私にとってもかけがえのない、最高の友でしたから」
「そうだな・・・」
彼も何かを思いふけっているのか、黙り込む。
「とりあえず、あなたは元気そうで何よりですよ」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「文々。新聞購読者様。そして、元大天狗付秘書様」
「君の方も元気そうで何よりだよ。最近こちらに帰ってこないから心配していたぞ?新聞も届かないからな」
「あやや、これは失礼。最近はいろいろゴタゴタしていましてね」
「・・・彼のことか?」
「えぇ。先日里まで会いに行ってきました。元気にやっていましたよ」
「君も心配性だな。もうあの里ではあんなこと起きないだろうに」
「念には念を、です」
二人共少し黙る。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「文。君はどうしたんだい?こんな山の中まで来て」
「いやぁ。あの子・・・椛がここに来たいと言いましてね。折角だと思って」
「これまた急にどうして」
「それはですね・・・」
文は掻い摘んで今に至る経緯を話す。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「はっはっは。そういうことだったのか。ならば私のことでも話してやれば良かったなぁ」
「それはまたの機会に、是非聞かせてもらいたいものですね」
「君が言うと何とも恐ろしいなぁ」
「酷いとこ言ってくれますね」
そう言って二人共笑う。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「だが、それならここよりも人里の方が良いだろうな。いろんな種類の人間、妖怪がいるからな。話を聞くならこれほど面白いことはないさ」
「助言ありがとうございます。ここの観光でも終わったら行ってみようかと思います」
「そうか」
「それじゃぁ、そろそろ行かないと二人に置いて行かれそうですからね」
それでは、と文はお辞儀をしてから駆け出す。

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「文!」
「はいっ」
去り際、鼻高天狗が声をかける。
「“愛”を探す、と言ったな」
「えぇ、まぁ」
「・・・くれぐれも、無茶はするなよ」
「別にあの二人に無理強いしたりはしませんから、大丈夫で・・・」
「お前のことだ、射命丸文」
その言葉に一瞬黙りこむ文。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
でも、すぐに笑顔を向ける。
「大丈夫ですよ、私も。だからこそ、“もう一度”探しに行くんですから」
「そうか」
「お気遣い、感謝致します」
それでは。
そう言って文は駆けていく。
その背中を見つめる男性だけがそこに残っていた。

断章 壱

「お待たせしましたぁ、って・・・」
「あっ、おかえりなさい、文さん」
「やっと戻ってきたのね、あんた」
やっと二人を見つけたと思ったのに。
「なんで二人ともくつろいでるんですか」
「いいじゃないそんなこと。ほら、あんたの分も頼んどいたからさ」
いや、ほらって団子渡されても。
「それにここの女将さんがいろいろお話してくださって、とても為になったというか」
あぁ、ここの女将さんはおしゃべりだったのか。あんまり寄らないからなぁ。
「というより、あんたの方こそ遅かったわね。ただのおしゃべりにしては長くなかった?」
「そう?あなたたちも同じように話していたんでしょう?」
「まぁ、それもそうね」
私は二人の横に座る。
「今日は、この街をぐるっと一周、観光がてら周ろうかと思いますが」
「私は構わないわよ」
「私も、ここは文さんに任せます」
「そうですか。なら今日はそういうことで。明日からは山以外の場所に行こうと思っていますよ」
「ん?待って、明日も行くの?」
「私たちはただ観光のためだけに歩いているわけじゃないですからね!ちゃんと話を聞きに行かなくては」
「私家に帰りたい」
「はたてさん、ファイトですよ!」
まぁ、私自身、いろいろ巡りたいのですよ。
付き合ってくださいね、はたて。
「それじゃぁ、そろそろ行くとしますか!」
「じゃぁあんたの団子は私が頂くわね」
「それは許しません」
私だって食べたいです、お団子。
「あ、意外と美味しい」
いつか取材しに来たいですね。
「それでは、行きましょうか」
「はいはい」
「はいっ、行きましょう!」
私たちは店を後にして歩き出す。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
これから始まる、大きな話(ストーリー)へ。

花舞う丘で 編

「で、今日はどうしてこんなところに・・・」
はたての茹だるような声の理由。
燦々と輝く太陽の下、草原一面に向日葵が咲き乱れている。
「いやー久しぶりです、ここに来たのはいつ以来でしょうか」
「私も任務以外で来たのは初めてです」
三人で向日葵畑の中を歩く。
ちらほらと妖精たちを見かけたものの、特に何もなく畑を抜ける
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「あれ、お客さん?」
畑を抜けた先、佇む家の前で一人の妖怪がジョウロを手に立っていた。
「あやや、リグルさんではないですか。こんにちは」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「リグルって、あの蟲を操る妖怪?」
はたてがたじろぐ。
「あ、はい。私がそうですよ。ほら」
言うなりリグルの近くに蟲が寄ってくる。
文の背に隠れるようにその様子を見つめるはたて
「はたて、蟲苦手でしたっけ」
「に、苦手というかなんというか」
苦笑を浮かべるリグル
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「そうだ、幽香さんはいます?」
「呼んだかしら」
リグルとは反対、文たちの後ろから声がする。
麦わら帽子をかぶって軍手をした幽香が立っていた。
「あやや、そちらにいらっしゃいましたか、幽香さん」
「私に何か用事?また取材とか?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「いえ、今日は取材っていうわけじゃないんですが、ちょっとだけ話をしたくてですね」
「話をしたいだなんて、唐突ね」
「あぁ別に忙しかったら今日じゃなくてもいいんですけど」
「構わないわよ。いらっしゃい」
幽香はそう言って家の方へ歩き出す。
「そちらのお二人さんも、怖がってないでいらっしゃい」
彼女の笑顔に、二人も文の後に続いて家に入った。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「三人とも暑かったでしょう?ちょっと待っててね」
幽香は三人を机に座らせると、全員分の飲み物を持って台所から帰ってくる。
「それで、話って何かしら」
「不躾なんですが、幽香さんは、恋ってなんだと思いますか」
「あら、やけにストレートな質問ね」
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薄ら笑いながら幽香は座り直す
「それって普通の恋愛のこと?それとも情事の事かしら」
「あややっ!そういうんじゃなくってですね!」
「ふふふ、そんなに慌てなくてもいいでしょうに。顔まで赤くしちゃって」
からかうように言う幽香。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「でも、私にそんな色恋沙汰なんて無いわよ?」
「それでも、私たちよりは色々知ってるかなーって」
「そうねぇ・・・」
少し考えてからふっと笑みを溢す彼女。
「でも、そんな突拍子もないことを聞きに来るっていうのも貴方らしいわね、文」
「あややっ。そ、そうですか?」
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「普通の妖怪ならしないような事もしてしまうところとかね」
「それは、・・・誰かのおかげかもしれませんね」
少し、一瞬だけ寂しそうな笑みを作る文とそれを愛おしそうに見つめる幽香。
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そんな二人を見ていたはたてが、
「あのっ!幽香さんは、文といつ頃知り合ったんですか?」
「はたてちゃんでいいかしら。聞いてないの?文なら話してると思ったのに」
「いえ、話してくれなかったです」
ちょっとむすっとした顔ではたてが答える。
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「あらあら、拗ねてるの?」
「す、拗ねてないです!」
「ふふふ、ダメじゃない文。ちゃんと話してあげなきゃ。彼女、気にしてるみたいよ?」
「ちょっ!」
「あややっ!はたてそんなこと気にしてたんですか?」
「気にしてなんてっ」
「まぁまぁ落ち着きなさい」
幽香に指摘されて椅子に座り直すはたて。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「それじゃ、今日はそれをお話しましょうか。そちらの白狼天狗の子も気になっているのでしょう?」
「えっ!は、はいっ」
「ふふ、そんなに緊張しなくていいわよ」
そう言って幽香は一口水を飲む。
「それじゃぁまずは、何から話してあげましょうか・・・。そうね、あれは文がまだ幼かった頃かしらね・・・」
そう幽香が話し始めた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
初めて幽香と文が出会ったのはいつだったか、昔過ぎて覚えてはいないけれど。
私が夏にだけこの向日葵畑に足を運んでいた頃だった。
今日と同じように暑い日差しが地を照らすお昼時。
コンコンっと家の扉をノックする音が聞こえる。
今みたいにちゃんとした家ではなかったのだけれど、私はゆっくりと扉を開けた。
「どなたかしら?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「あ、あの!しゅ、取材をさせてください!」
「え?」
見た目まだ子供の少女が目の前に立っていた。
「迷子?」
「取材です・・・!」
「取材・・・?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
私はその時になって、少女の背中に黒い翼があることに気付いた。
「あなた、天狗?」
「え?うん、そうです、けど・・・」
「取材って言ってもね、まずは相手の人に連絡しておかないと」
「で、でも、あなたは最近この場所にやってきたみたいだから・・・」
あら、毎年来ているのに。
「しょうがない子。まぁいいわ。中に入りなさい」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「それじゃぁ、お邪魔しまぁす・・・」
そろそろと中に入る少女を私は席に座らせ、私は反対側に座る。
「それで、あなたの名前は?」
「あっ、射命丸文です!」
「新聞名とか、無いの?」
「えっと、その・・・考え中です」
はぁと、ついため息が出てしまった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「初めての取材なんでしょう?よくこんな辺鄙なところまで来たわね」
私はそれから少し少女の事を聞いていた。
どうやら少しでも大人だと周囲に認めて貰いたいらしい
「それじゃぁ、あなたの取材に答えてあげるわ。でも、聞かれたことにしか答えないわよ。ちゃんと質問を考えて聞きなさい?」
「は、はい!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
少女からの質問は何とも単純なものが多くて、「どうしてここに来たのか」とか「他の季節はどこにいるのか」とか他愛もない事だった。
それでも少女は私の話したことを熱心にメモして、真剣に聞いていた。
純粋な目だな、と思った。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「今日は取材に応じてくれて、ありがとうございました」
扉の前でペコリとお辞儀をして去っていこうとする彼女に
「また取材に来るときは先に連絡をするのよ。そうしたら、私は取材を受けてあげるから」
私の声に再びお辞儀をすると、少女は飛び去っていった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「それから何度か文は家に来るようになって・・・」
「あー!すいませんちょっと台所借りますね!!」
幽香の話を遮るように文が言いながら席を立つ。
「まったく、恥ずかしがっちゃって」
「そりゃ、自分の幼少期を話されるのは誰だって恥ずかしいんじゃ・・・」
足早に部屋を出ていく文の後ろ姿を見送る幽香と苦笑する椛。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「幽香さん。一つ、いいですか?」
「あら、それは取材かしら?」
「いえ、ただちょっと気になったことですが・・・当時の文は、翼があったんですか?」
「そうね。当時はあったわよ。翼があったから、天狗だって分かったって」
「じゃぁ文は、なんでそれを言ってくれなかったのかな」
小さく呟いたはたての言葉に一瞬幽香が固まる
「え?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「いえ。文は“元々無かった”としか言わなかったし」
「あ・・・そ、そうだったの」
はたてには、珍しく幽香が少しだけ慌てているように見えた。
「それについて、何か知っていたりは・・・」
「知っていても、それは本人から聞くべきよ、はたてちゃん。私からは言えないわ」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ちょっと、文の様子を見てくるわね、と言い残して幽香も部屋を後にした。
「何か、あったのでしょうか」
「さぁね。でも、私や椛には話してない何かがあるようね」
(ちょっと、また文について調べたくなってきちゃうじゃない)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
幽香が出て行ってすぐに、文と二人で部屋に戻ってくる。
「三人とも、今日はこのくらいで帰ったほうがいいわ。日が暮れ始めているし」
「そうですね。これ以上お邪魔しても幽香さんも大変でしょうし、今日はこの辺でお暇しましょうか」
幽香の声に文が頷く。
「ほら、椛にはたて、行きますよ!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
文が先に玄関をくぐる。
それに続いて椛、はたてと出て行くところで、
「はたてちゃん、ちょっといいかしら」
「はいっ」
幽香に呼び止められて振り返るはたて。
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すぐ近くまで歩いてきていた幽香の顔がスッと近づき、はたての耳に囁く
「あんまり文のことを深追いしないであげてね。じゃないと、あなたまで傷つきかねないわよ・・・?」
ゾワリをした感覚が背筋を撫でる。
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そのままの姿勢で固まるはたてから離れ、幽香は俯きがちに呟く。
「文のこと、大切にしなさいね」
その言葉で我に帰ったのか、はたてはぎこちない動きのまま幽香の家を出る。
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「今日の話は、まぁ恋愛ではなかったけど、一種の愛情の話だと思ってくれると嬉しいわ」
「話が聞けて良かったです。恥ずかしかったですけど」
三人に手を振る幽香とはにかむ文。
文達は再び向日葵畑の中を通り過ぎ、帰路に着いた。
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断章 弐

帰り道。夕日に照らされる景色の中。
「どうしたんですか、はたて」
「い、いやっ。別に何でもないわよ」
さっきから貴方の視線を感じているのですが・・・。
「あんまりジロジロ見られると気になって仕方ないですね」
「わ、私そんなに見てないわよ!」
「ど、どうしたんですか、はたてさん。さっきと様子が・・・」
ほら、鈍感な椛でも気付くくらい変ですよ。
「な、何でもないわ!今日はお疲れ様!ちょっと急いでるから・・・っ!」
「ちょっとはたて!」
あーあ。行っちゃいました。何か気に障るようなこと言ったかな
「どうしたんですかね、はたてさん。本当に用事があったんでしょうか」
「あの子に予定があるのかどうか」
でも付き合わせているのも事実なのだけれど。
文句ばっかりだけどちゃんと付いて来てくれるのは嬉しいわね。
「椛はどうするの?」
「今日は夜警の任務を任されてますけど、今帰っても時間が余りそうです」
「そうですか」
・・・・そんな風に見つめないでください椛。
あなたは気付かないようにしているのかもしれませんが、尻尾を思いっきり振っているではありませんか。
「はぁ。どこかで夕飯でも食べていきますか?」
「いいんですか?いいんですか!?」
そんなに興奮した目で見られたら断れないですよ。
「文さんのおすすめのお店っていつも美味しい所なので好きです!」
「外食するなら美味しいもの食べたいですし」
それに、貴方たちの嬉しそうな顔は見てて飽きませんし
「それじゃぁ、今日はスタミナの付きそうなものを食べに行きましょうか」
「はい」
私は椛を連れて夕食処を目指す。
それでも、はたてのことが気になったままだった。

暗界の歌 編

よく晴れた日の早朝。
私はいつものように歌を練習していました。
ガサッ。
どこかから草を掻き分けるような音。
(誰だろう・・・。リグルちゃんかな?)
そう思って振り返った先には見ず知らずの男性。
「・・・誰?」
この時、私は初めて彼と出会ったのです。

「ん?さっきまで歌ってたのは君?」
「・・・そうだけど」
「まぁ他に誰もいないようだしな」
そう言いながら笑う彼。
いきなり会ったにしてはやけに馴れ馴れしいというか。
そもそも私は妖怪なんだけど。
「君、歌上手いな。いつも練習してるのか?」
「まぁ、そうだけど」
「ふーん」
彼は特に私に警戒することもなく近くの木陰に座る。
「・・・・」
「・・・・」
「歌わないのか?」
「なんであなたはそこにいるの?」
「聞くくらいいいだろ」
「・・・・」
確かに誰かいたってあまり気にはしないし、練習をやめる気もないけど。
なんなのだろう、この人。
私は誰かを鳥目にした記憶もないし、第一今昼間だし。
まぁいいか。
新曲の練習でもしよ。

「・・・ふぅ」
しばらく歌っていたし、だいぶ喉が渇いちゃった。
それにしても。
「あなた、まだいたの?」
「別に気にしなくていいぞ」
「いや、そうじゃなくって。・・・暇なの?」
「そうだな」
即答されたら聞いた私が困るじゃん。
「暇になっちまっただけだよ」
「そうなんだ」
私が気にすることも無かったか。
まだ頭上まで行かないが、日がだいぶ昇ってきた。
今日はそろそろお開きとしましょう。
私は普段の寝床へ向かおうと歩き出して。
「ん?帰るのか?」
「うん、そうだけど」
彼は空を眺めたまま動かない。
「あなたもそろそろ帰ったら?」
「あぁ、そうだな・・・」
結局私が見てる間、彼は動かなかった。
なんとなく最後の言葉だけ寂しそうだった。

私は今までと変わらず湖畔へと練習に行く。
最近仕入れた新曲は静かな曲で、今までの歌と違って歌いにくいから。
でも気付いたら、知らぬ観客ができてしまった。
あの日見に来た彼は、毎日では無かったけどよく湖畔に来るようになった。
その度に自分のことは気にするなって言って。
いつも同じ木の下で。
いつも何も言わずに私の歌を聞いていた。

そんな風に数日が過ぎて。
「今日はもう練習終わりにするよ?」
私の声に彼は反応しない。
まぁ時々そういうこともあったし、いつもぼーっとしているけど。
「仕方ないなぁ・・・」
今日くらいは起こしてあげようかな。
「ねぇ、寝てるの?もう私帰るよ?」
近寄ってみて分かったけど、寝てるよ。
人の練習見ながら寝てるとか。
「ほら、起きて。起きなよー」
少し肩を揺すってみると小さく呻くような声。
「あぁ、寝てたか・・・」
「私は起こしたからね。もう行くよ」
「あぁ、もうそんな時間か」
彼が顔を上げ空を見る。
それは風のイタズラか。
彼の下ろしている前髪が風になびき。
私には彼の両目が革製の何かに覆われているのが見えた。
両目を覆う眼帯。
一瞬声の掛けようを迷ってしまう。
「そ、それじゃぁ、私は行くね・・・!」
結局、いつもと同じような声を掛けるしかできなかった。
だって、私には関係ないもの。

でもそんなふうに思っても、一度見てしまったら気になってしまう。
はぁ。明日からどうすればいいのか。

今日も今日とて私は練習に湖畔へ向かう。
私が着いた時に彼はいない。
今日は来ないのかもしれない。
そんな風に思っていたところで。
「よう。今日も相変わらず早いな」
「え、うん。練習は、しないと」
どうしても彼の方を見て話せない。
なんだか歌う気にもなれない。
「どうした?」
「いや、なんでもないよ」
「ふーん」
特に問い詰めることもなく、彼はいつもの木陰に座る。
私もなるべく気にしないようにして歌う。

1曲歌い、2曲歌い。
「やっぱり、今日はダメ・・・」
いつものように声が出ない。
「お前、風邪でも引いたのか?」
「いや、そうじゃなくて」
いっそ聞いてしまおうか、その方が楽になれるかもしれない。
「あのね、あなたのその、眼帯、見てしまって」
「あぁ、これか?」
彼は何の気なしに髪を分ける。
確かに見間違いなんかじゃなく、両目が覆われている。
「あぁ、もしかして気分悪かったか?そりゃ悪い事したな」
「待って!」
立ち去ろうとした彼を、気付けば呼び止めていた。
「別に、私は気にしないけど。でも、あなたは?」
「俺?俺もあんまり気にしてないけど」
「え?」
「これはこれで最初は辛かったけど、慣れりゃいいもんだ」
彼はそう笑う。
座り直した彼の横に私も腰を下ろす。
「その眼、最初は見えていたの?」
「そうだな。確かに見えてたけどな。気付いたらだんだん見えなくなっててよ。なんでもそういう病気らしくてどうにもできなかったらしい」
それから彼は話してくれた。
自分の身の上話。
聞いてるうちになんとなく思った。
彼は、なんとなく私に似ているなって。
見えぬ目を指摘され同じ人間から敬遠される彼と、派手な歌過ぎると同じ歌妖怪から煙たがられる私。

一通り話し終えたのか、彼は木に背を預ける。
「それじゃぁ、今度は私が・・・」
「いや、無理に話すことはないぜ」
私が話す前に彼が言ってくる。
「話したくないことを無理に話すこともない。俺も見たくないもんは見えなくて満足してんだからな」
「そう・・・」
「そうだ、これだけは聞いておきてぇな」
「な、何?」
彼はその顔を私の方に向けていう。
「お前の名前、なんて言うんだ」
「名前?私は、ミスティア。ミスティア・ローレライ」
「そうか。んじゃこれからはミスチーとでも呼ばせて貰おうかな」
そう言う彼の顔は笑っていた。
いきなり馴れ馴れしいのね。
そう思いつつ、私もつられて笑っていた。

その日、彼の名前を聞き忘れたのを思い出した。

それから彼は毎日来るようになった。
私もなんだか悪い気はしなくなっていた。
時には練習を休んで二人で話すこともあったし、二人で寝てしまうこともあった。
でもそのどれもが、一人だった今までとは全然違うもので楽しかった。
なんとなく、彼の眼帯のスペアも作ってあげた。
彼は手触りだけで下手って言ってきたけど、それでもありがとうって言ってくれた。
時々歌い方に口を出してくるようにもなったけど、私も自然とその言葉を受け入れていた。
他の歌妖怪の言葉なんて全然聞く気にもなれなかったのに。
そうやって、彼との時は数年にもなっていた。

そんな風に気付けば時間も経って。
私の歌う歌もまた別のものになったある日。
彼が来なかった。
一日なら彼にも用事があったんだろうと思ったけど。
でもそれから数日経っても、彼は一度も来なかった。
さすがに心配になって、私は少しだけ里に降りてみた。
人間のために人里に下りるなんて初めて。
人里に着いて、私は近くにいた人間に彼のことを聞いてみた。
でも、皆知らないと言うだけ。
彼の姿を最近見ないというだけだった。

結局なんの成果もなく私は山に引き返してきた。
彼の来なくなる前日の会話が思い出された。

「ねぇ、毎日歌を聞いてるだけって退屈じゃないの?一緒に歌えばいいのに」
「いや、俺じゃミスチーの足元にもおよばねぇよ」
「そんなの関係ないじゃん。そうじゃない?」
「確かに、そうかもな」
「?」
「でもさ、今の俺にとって、ミスチーと一緒にいれるってのが一番なんだよ。・・・こんなにも、誰かに“忘れられたくない”と思ったのは初めてだよ」

「・・・勝手に、いなくなっちゃうくせに」
私にとっては、とうの昔に忘れられない人になっているのに。

「で、その男ってのは結局いなくなっちゃったってこと?」
「はたてさん、口悪いですよ!」
「いいじゃないのよー。本当に思ったことなんだからー。ねー」
「ちょっ、はたてさん酔いすぎです!」
森の中の焼き鳥屋に三人の天狗が押しかけていた。
「あはは。椛さん気にしないでください。酔っ払うともっとひどい方もいますから」
店主のミスティアは笑う。
「それにしても・・・、文さん?」
「・・・・」
「文さーん!」
「ん?あややっ、呼びました?」
「いや、なんだかいつもと違って静かだなぁって」
「そそそ、そうですかねぇ?」
「文、挙動不審過ぎでしょ」
「酔っ払いに言われたくはなかったですね」
「私はまだ酔っ払ってないわよー!」
「はいはい。ところでミスティアさん」
「ミスチーでいいですよ。文さん常連客ですし」
「ではミスチーさん。その方が消失したのっていつ頃でしたか?」
「えーっと、すいません、正確には覚えていなくて。でもどうして?」
「いえ、少し気になっただけです。取材癖なだけであまり深い意味はないですよ」
「それよりも、ただ男がいなくなってハイオシマイじゃないんでしょ?」
「私も、続きが気になります!」
「あんたたち、急かさないであげなさいよ」
「あはは・・・。でも、そうですね。彼がいなくなってから1年弱、そのくらい経ったあとの事でした」
ミスティアは話し始める。
彼が、帰ってきたことを。

あれから1年くらい経ったか経たないか。
私はあれからも毎日湖畔へと足を運び、毎日歌を練習した。
それでも、なんだか気分が晴れないままで。
「ミスチー。最近元気ないんじゃない?」
「え?急に何よリグルちゃん」
「いや、なんとなくそんな風に見えたんだー」
「そんなことないよ」
「それならいいんだけどねー」
また今日の夜に、そう言ってリグルちゃんは湖畔を去っていく。
最近はリグルちゃんもここによく訪れるようになった。
一人じゃなくなったのは少し嬉しい。
でも。
「私、あれから・・・」
少しは、歌、うまく・・・。
「歌、上手くなったんじゃないか?」
えっ?
「いやー、耳のいい俺だから聞き取れる違いかもしれねぇけどな」
私は勢いよく振り返る。
そこには私より身長の高い男性。
両目を眼帯で覆っている彼。
服や外見は少し変わってしまっているけど。
「ん?どうした?」
突然の事に声が出ない。
「俺のこと忘れちまったか?」
そんなこと、あるはずないのに。
「それなら。ほら、これ」
彼は前髪を分ける。
そこに見えるのは、私が彼にあげた眼帯。
「案外お前からもらったのが一番丈夫でさ。ありがたく使わせてもらってるよ」
「・・・バカ」
最初に出てきた言葉は無意識だった。
「バカ!私心配したんだよ!いきなり来なくなっちゃって、里の方でも姿を見てないって話で。こんな森の奥まで来るんだし、途中で妖怪に襲われたりしてたらとかいろいろ考えちゃうし・・・」
私の言葉に、彼は一瞬驚いた顔をしたけど。
その表情はふっと緩み。
「・・・ごめんな。心配、かけちまったな」
そっと、頭に手を置いてくる。
「・・・うん」
私は純粋に嬉しかった。
これで、また一緒にいられるって、そう思った。
思ったんだ。

でも。
ゲホッと、急に彼が咳き込む。
その咳に彼の顔が苦痛に歪む。
口元と、胸を抑える。
「え?ちょ、ちょっと!」
私が寄ろうとすると、少しだけ彼が離れる。
「寄ると、感染るかも、しれねぇかr・・・」
再び咳。
喀血。
地面を赤黒い色が染める。


・第一巻『今を吹く風』←出だし
・第二巻『花舞う丘で』←幽香
・第三巻『』←妹紅&慧音
・第四巻『』←

・『』←文の過去回想
・『』←過去(幻想島)語り
・『』←過去返済
・『』←休憩回
・『』←天狗社会(白狼天狗の立ち位置)
・『』←文の過去(アルビノ少女)語り
・『』←現旧大天狗&大天狗補佐役
・第巻『花散る先に』←紫&幽香
・最終巻『未来に吹く風』←最後、締め
・外伝(案)『闇声遠く、歌ゑ乙女』←ルーミア&ミスチー
・外伝(案)『』←はたての実家

・外伝で月面戦争の時の射命丸編をやりたい

「今に新しい風を吹かせる・・・、それでこそ、風神少女でしょう・・・!」

登場人物

射命丸文

公式設定

個人設定
・椛、はたてよりもさらに前に生まれている
・幻想郷ができる以前、鬼もいる時代に生きていた
・旧大天狗とは仲が良かったし、いろいろ付き合いも長かった
・文の家は妖怪の山の山中(山の中の洞窟ではない)
洞窟が掘られ、天狗の主要部分が移動したのが文の行方不明中だったため
これには文も反対していない(むしろ地上がいいと言っている)
・過去に関しては大方心の整理ができている(と思っている)
時に過去体験したことに似たような情景に出会うと悲しげな表情になる
記憶の周期が巡ってきても、完全に忘れられたわけではない
・あまり人を攻めることはない
・自分は自分、他人はあくまで他人で(取材以外では)深く干渉しない
・自分の失敗は棚に上げているようで実は反省している
・心が乱れると長続きするタイプ
泣き出すと止まらない

個人設定(経歴)
・幽香が最初の取材相手
・紫から『幻想島の状況調査』を任される
紫から『人間と妖怪は共に暮らせるのか』確認させられた
・その際に、取材相手の男性と恋に落ち、結婚、妊娠、出産
・子供を持ったが故に、村で暮らすようになるが、村人からの多大なる反対、暴言暴行で心身ともに窶れる
・そんな最中に夫の突然死(病死&ストレス)。死の直前まで共に過ごした
・夫がいなくなってから村での暴行が悪化。ついには羽を折られる始末
・その際、息子や妹紅に助けられ、なんとか永遠亭に辿り付き、手術
・命に別条はないものの羽を失う
「これで、人間のようになれましたね」と涙を流しつつも笑う
・それでも自分の愛する息子のために共に生活をするが、なおも続く虐待
・息子にその悲劇を味わわせないためにも、夫側の親族へ息子を預ける
・その後もしばらく村の家に住んでいたが、日々やつれていく
最中、大天狗補佐役が訪ねてきた際は家に入れず
幽香が家を訪ねた際は中に招き入れ、すがりついて泣いた
・ある日、自分の家を焼き払い、そのまま行方知れずに
行方知れずの間、以前自分の行ったことのある『幻想島』に行っていた
・帰ってきた時、最初に立ち寄ったのが幽香の家
・その時に情に狂い、一夜の過ちを犯す
終わった後、泣きながら謝り続ける
・その後しばらく療養のために幽香の家で暮らす(旧大天狗も許していた)
・心の整理も付き、だいぶん良くなったところで、妖怪の山内にある自宅へと帰省
・そこで親友(幼馴染)のアルビノ烏天狗の少女と再開する
・その少女は数人のまだ幼い白狼天狗の少女たちを連れていた
その中の一人が、やがて椛となる
・アルビノ烏天狗の少女が白狼天狗に真実を伝えようとしていたために追放
・少女がいなくなってから、文が彼女の代わりに白狼天狗の世話をする
・そのうち、一人また一人と離れていったが、椛だけは文のもとに残る
・しばらくして、文も隠れて、文字の読み方等を教えるようになる
・幼少期が過ぎ、椛も警備隊の訓練に行くようになってから、ふたりの関係は途絶える
・しかしある時、文々。新聞の内容について抗議しに来た椛と遭遇、再開
でも椛の方は文が文字を教えてくれたことを忘れている
・椛が新聞を読めていた事が上層部に伝わり、文のことがバレる
・そして上層部から椛、文へ仕事の依頼が来る
・文は遠くまで遠征させられ、椛は無理難題とも言える依頼
・文は従い仕事に向かうが、椛に任された仕事の難しさを知っていたため、すぐに終わらせ椛のもとへ駆けつけ、助ける(風神録)
相手は霊夢
・文は依頼を完了していたため、特にお咎め無し
・数年の禁固生活を言い渡された椛に、文はにとりを紹介
・それから何事も起きずに数年して、新聞社会に少しずつ戻り始めた文
・その取材中に、初めてはたてと出会う
・はたては旧大天狗に育てられていた(椛よりちょっと年下)
・旧大天狗の要望でそのことは秘密にし、文はそれからしばらく合うことはなかった
・はたてが新聞を出すようになって、少しずつ上位に上り始めた頃、文の元に本人が現れる(ここでダブルスポイラー)
・その後二人は話すようになり、椛も加えて三人でよく話すようになった

犬走椛

公式設定

個人設定
・真面目
・真面目すぎて冗談が通じない時もしばしば
・命令には従順
・自分の気持ちよりも他人の依頼を優先するタイプ
あまり嫌だと言えない

個人設定(経歴)
・生まれてからずっと山の麓で暮らしていた
・よく遊ぶ数人の友人と一緒に、山へ遊びに行くことはあった
・いつものように遊んでいる最中に、自分たちと同じような色のアルビノ烏天狗の少女に出会う
・少女に出会ってからは友人と一緒にその少女の話を聞くようになった
・しばらくして、その少女が真剣な顔で何かを話してくる
当時の椛は何を言っているのか理解できていない
・それから、椛が彼女と出会うことはなかった
・その代わりに、今度は普通の烏天狗(文)と出会い、一緒に生活することが多くなった
・しばらくすると、友人たちは警備隊の訓練のために会うことが少なくなり、最後には文と会っているのが自分だけになってしまう
・それが嫌でしばらく会わないようにし、修行に励んだ
その間に徐々に記憶も薄れ、いつしか文の顔も朧になってしまった
・警備隊になり、椛は自分に与えられた仕事をこなしていた
・ある時、任務先で見かけた文々。新聞の内容に目が止まり、編集者である文の家へ抗議に向かう
・その一件で椛は文字が読めることが上層部に知られ、消すように令が下る
・椛はいつも通り与えられた任務をこなそうとしたが、身に余る難問で、任務の途中で文に助けられる(風神録)
その後天狗界隈ではなく永遠亭へ運ばれ、そこで治療
・命は助かったもののどちらにしろ、任務失敗で禁固生活を強いられる
・そんな生活の中で文からにとりを紹介され、それからはにとりと共にいることが増える
この時に、一緒に将棋をするようになる(文字が読めると珍しがられた)
・禁固生活も解け、晴れて警備隊に復帰したが、それからもちょくちょくにとりの所へ来るようになった
・気付けば文とはたてが一緒にいる中に、椛も混ざり、天狗三人で生活することが増えた

姫街道はたて

公式設定

個人設定
・自分が興味を持たないと行動しないタイプ
・時々ずぼら
・自宅の整理整頓掃除はきちんとしてる
・意外と料理は文よりも上手い
・彼女自身は自分を育ててくれた旧大天狗を親だと思っているし、元々大天狗の役職だったことを知らない。

個人設定(経歴)

アルビノ烏天狗

個人設定

個人設定(経歴)

大天狗

公式設定

個人設定
・大天狗の役職は、元々大天狗(種族)が引き継いできていたが、いつからかその名前が役職名になり、その役職に“山伏天狗”“烏天狗”“鼻高天狗”の中から選ばれるようになった。
・現在の大天狗は山伏天狗
・天狗界隈の改革派
・旧大天狗失踪後に着任した
・現在は古参の説得に勤めている

個人設定(経歴)

旧大天狗

個人設定
・以前大天狗だった烏天狗
・文の知り合いでもあり、アルビノ烏天狗のことも知っている
・比較的自由人な性格の持ち主
・やるところはきっちりやる(リーダー的ではある)
・過去の大天狗の中でも長い間その役職を行ってきた一人
・幻想郷が出来る前から出来上がり、妖怪の山が一端落ち着くまで
・白狼天狗への優遇、平等化を行っていたがために、古参からの圧力も あり、政策が落ち着いた後失踪
・天狗界隈の改革派で、白狼天狗にも洞窟入りを許可するなどしてきた
・大天狗の地位を下りてからは、旧大天狗補佐役と隠居生活をしている
・居場所は妖怪の山の中、隠れ家のような場所
・失踪後の居場所を知っているのは数人
・姫海棠家からはたてを託され、わが子のように育てた
・はたてには親だと名乗り、自分が元々大天狗だったことも伏せている
・彼女に携帯(?)を渡した
・姫海棠家とは古くから改革派の仲間として交流があった
・紫の幻想郷構想に一役かっている
現場での取材などの役に文を勧めた

個人設定(経歴)

旧大天狗補佐役

個人設定
・旧大天狗の補佐をしていた(現在は違う)

個人設定(経歴)

八雲紫

公式設定

個人設定
・一度『忘れられると招き入れられる結界』の前に『忘れられたいと願うと招き入れられる結界』を作った。
・幻想郷は元々『幻想島』を作る予定だったものを変更した案
・旧大天狗とは深い繋がりがあり、旧大天狗から文のことを勧められる

個人設定(経歴)

・文に『幻想島の状況調査』を任せる
・文に『人間と妖怪は共に暮らせるのか』確認させた

風見幽香

公式設定

個人設定
・誘い受け
・文の初取材の相手
・怖がられながらも、実は面倒見がよく、文の相談相手の一人
・文は特に怖がってはいない
・客人はもてなす。部外者は排除
・気の弱そうな相手を苛めるのが好き
・紫から文が受けた仕事内容を知っている一人

個人設定(経歴)

上白沢慧音

公式設定

個人設定
・妹紅大好き
・生徒の前ではしっかりしているが、妹紅と二人きりになると凄くデレる

個人設定(経歴)

藤原妹紅

公式設定

個人設定
・慧音の付き添い人
・慧音のことは好いてはいるが、自分の身の上から素直になれない

個人設定(経歴)

・文の羽の怪我の際、永遠亭まで運んだ(怪我のことを知っている)

輝夜

公式設定

個人設定
・妹紅のライバル兼理解者
・時々妹紅と二人で話し込む時もある

個人設定(経歴)

・一度地球を離れ月に帰るものの、蓬莱の薬の服用がばれ地球に飛ばされる。そこで永遠亭に住み、妹紅と知り合った後に、永遠亭の時を止めて社会から孤立していた

八意永琳

公式設定

個人設定
・輝夜の付き添い人
・文の手術をし、羽の切除を行った
・そのことに際して、文用の羽付きの服をにとりに要請した張本人

個人設定(経歴)

博麗霊夢

公式設定

個人設定

個人設定(経歴)

ミスティア・ローレライ

公式設定

個人設定

個人設定(経歴)

ルーミア

公式設定

個人設定

個人設定(経歴)

その他

先代博麗の巫女

霧雨魔理沙

レミリア・スカーレット

フランドール・スカーレット

十六夜咲夜

パチュリー・ノーレッジ

紅美鈴

チルノ

大妖精

リグル・ナイトバグ

メディスン・メランコリー

レティ・ホワイトロック

サニー・ミルク

スター・サファイア

ルナ・チャイルド

守矢諏訪子

東風谷早苗

八坂神奈子

四季映姫・ヤマザナドゥ

小野塚小町

西行寺幽々子

魂魄妖夢

八雲藍

石橋パルスィ

星熊勇儀

古明地こいし

古明地さとり

火焔猫燐

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