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Voice of “usen for Cafe Apres-midi” Crew

2023 Summer Selection(7月10日~8月27日)

橋本徹(SUBURBIA)を始めとする

「usen for Cafe Apres-midi」の選曲家17人が

それぞれのセレクトした音楽への思いを綴る

「Voice of “usen for Cafe Apres-midi” Crew」


詳しい放送内容はこちら

D-03 usen for Cafe Apres-midi
http://music.usen.com/channel/d03/




橋本徹(「usen for Cafe Apres-midi」プロデューサー) Toru Hashimoto

夏到来という気分の高まりと共に、かけがえのない輝く季節の思い出が素晴らしい音楽とありますように、という心からの願いをこめて、今回もメロウ&グルーヴィーで心地よい楽曲を中心に、計34時間分を新たに選曲した。
月〜日を通してのTwilight-timeの特集は、例年であれば僕が選んだ2023年上半期のベスト・トラック集をお届けするところだが、次クールに温存して、今季のサマー・セレクションは前クールに続き、僕のコンパイラー人生30周年を祝してリリースされたコンピ3タイトルの発売記念企画として、これまでに監修・選曲を手がけた350枚におよぶコンピレイションの収録曲をシャッフル・プレイ放送で。ちなみに僕が選んだ2023年上半期のベスト・アルバム50枚とそれについてのコメントは、「Voice of “usen for Cafe Apres-midi” Crew」6/30分でご覧いただけるので、ぜひお読みいただけたら嬉しい。
その他の時間帯は、いつものように大充実だったニュー・アライヴァルのお気に入りを惜しげもなくエントリー。とりわけセレクションで重宝した48作(いずれも3曲以上をセレクト)のジャケットを、最初に3枚の僕のコンピCD、続いて特によく聴いた6枚(Gia Margaret〜Speakers Corner Quartet〜ANOHNI And The Johnsons〜Scott Orr〜Kelly Moonstone〜Alice Phoebe Lou)、そしてその他の作品をアーティストABC順で掲載しておくので、それらの中身の魅力にも触れていただけたらと思う。シングルのNo.1フェイヴァリットは、Speakers Corner Quartet(kwes.)との蜜月も素晴らしい成果として結実している、Samphaの「Spirit 2​.​0」だった。

V.A.『Merci ~ SUBURBIA meets INPARTMAINT "Cafe Apres-midi Revue"』
V.A.『Gratitude ~ SUBURBIA meets ULTRA-VYBE "Free Soul Treasure"』
V.A.『Blessing ~ SUBURBIA meets P-VINE "Free Soul × Cafe Apres-midi × Mellow Beats × Jazz Supreme"』
Gia Margaret『Romantic Piano』
Speakers Corner Quartet『Further Out Than The Edge』
ANOHNI And The Johnsons『My Back Was A Bridge For You To Cross』
Scott Orr『Horizon』
Kelly Moonstone『I Digress...』
Alice Phoebe Lou『Shelter』
Adriano Galante『Toda Una Alegría』
Aja Monet『When The Poems Do What They Do』
Angelo De Augustine『Toil And Trouble』
Asake『Work Of Art』
Baaba J『Okay Baby, Lets Do This』
Balmorhea『Pendant World』
The Breathing Effect『Eli & Harry』
Cheo『M​ú​sica Para Verse Bien』
Christine And The Queens『Paranoïa, Angels, True Love』
Cisco Swank『More Better』
d4vd『Petals To Thorns』
Devin Kennedy『California Rain』
Fabiano Do Nascimento『Das Nuvens』
Full Crate『A Kid From Yerevan』
Grand Eug​è​ne『Grand Eug​è​ne』
Greg Foat & Gigi Masin『Dolphin』
grentperez『When We Were Younger』
Joanna Sternberg『I've Got Me』
Joey Dosik『The Nostalgiac』
John Beltran『Serendipia』
John Carroll Kirby『Blowout』
King Krule『Space Heavy』
Luiz Millan『Brazilian Match』
Maeta『When I Hear Your Name』
Magos Herrera『Aire』
Maria Luiza Jobim『Azul』
Marquis Hill『Rituals + Routines』
Meshell Ndegeocello『The Omnichord Real Book』
Michael David feat. Classixx『Talking Book World』
Nico Georis『Cloud Suites』
Olivia Dean『Messy』
Paula Santoro『Sumaúma』
Pedro Ricardo & Dami​á​n Botigué『Un Nuevo Amanecer』
Pedro Rosa『Midnight Alvorada』
Reuben James feat. CARRTOONS『Champagne Kisses』
Ryan DeHues『Private Parlour (Bossa Vibes)』
Shafiq Husayn『So Gold』
Summer Walker『Clear 2: Soft Life』
Yosef-Gutman Levitt feat. Lionel Loueke『Soul Song』

Dinner-time 土曜日22:00~24:00

Cafe Apres-minuit 日曜日0:00~10:00

Brunch-time 月曜日10:00~12:00

Brunch-time 火曜日10:00~12:00

Brunch-time 水曜日10:00~12:00

Brunch-time 木曜日10:00~12:00

特集 月曜日16:00~18:00

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本多義明(「usen for Cafe Apres-midi」ディレクター) Yoshiaki Honda


Michael Davidは、バレアリックでニューエイジ~エレクトロニックなアーティスト。以前にも『Melona』や『There In Spirit / Rain II』という、いずれも4曲入りのEPの曲がクールで心地よく、かなり気に入っていて暑いシーズンによく選曲していた。今回の新作EPも4曲入りで、以前から橋本さんにリリース情報を教えてもらっており、自分も気になっていたが、ようやく入手して聴くことができた。Sam WilkesやLaraaji、Kaitlyn Aurelia Smithといった、この「usen for Cafe Apres-midi」でもおなじみになっているアーティストたちがフィーチャーされており、やっぱりこのあたりのアーティストって、昔から知り合いなのか、最近知り合ったのかはわかりませんが、お互い共鳴し合っているんだな~と勝手に想像してうれしくなったりもしました。4曲ともこの夏の最高のチルアウトとしておすすめです。ちなみにジャケットのアートワークも好きですね。

Michael David feat. Classixx『Talking Book World』

Lunch-time~Tea-time 木曜日12:00~16:00

Lunch-time~Tea-time 金曜日12:00~16:00

Lunch-time~Tea-time 土曜日12:00~16:00

Lunch-time~Tea-time 日曜日12:00~16:00




中村智昭 Tomoaki Nakamura


ジェイコブ・コリアーの2022年デジタル・リリースのみだった素晴らしい楽曲が、先日のレコード・ストア・デイのアイテムとして7インチ化されました。これはコロナ禍におけるロックダウン中に書かれたもので、「世界は非常に美しく壊れやすい場所だという僕の思いを表現できたし、僕たちが過去や未来に対して感じている悲しみを、いろんな方法で昇華していくことができたんだ」と彼は語っています。その歌詞を想わせるイラストが描かれたジャケットをそばに置いて、真夏の夜にリスナーのみなさんと穏やかな時間を過ごしているようなイメージで選曲いたしました。B面に収録されているインストゥルメンタルのピアノ・ヴァージョンも、本セレクションのエンドロールとして真夜中にリフレインします。ぜひ耳を傾けてみてください。

Jacob Collier feat. Lizzy McAlpine & John Mayer「Never Gonna Be Alone」

Dinner-time 月曜日18:00~24:00

Cafe Apres-minuit 火曜日0:00~2:00




添田和幸 Kazuyuki Soeta


ついつい選盤が多くなってしまうサマー・セレクション。アルバム単位ではカリフォルニア州のピアニスト、Nico Georisのヘヴンリーな『Cloud Suites』に強い衝撃を受けましたが、曲単位ではスプリング・セレクションでもピックしたオーストラリアはシドニーのエレクトロ・ポップ・バンド、Mel Blueの「Driveway」を推したいと思います。タイトル通り疾走感あふれる夏の空気を吸い込んだグルーヴィーな1曲です。

Mel Blue『Sanctuary Point』
Matthieu Saglio『Voices』
Gretchen Parlato & Lionel Loueke『Lean In』
Kosmik Band『Tudo Está Bom』
Alogte Oho & His Sounds Of Joy『O Yinne!』
Lovd Ones & Benjah『Captivated』
Christian Mascetta『Respiro』
Antônio Villeroy『Banquete』
Rafael Pondé『Brazilian Reggae Experience Vol.1』
Angelo Cruzman & Jacoby『In Your Mind』
Ntjam Rosie + SMANDEM.『Elle (Reworked)』
Smokey Robinson『Gasms』
Claire Davis『Get It Right』
flyt『Slow Motion Soul』
Ninety's Story『Tears & Laughter』
Bernice『Cruisin'』
Harrison『Birds, Bees, The Clouds & The Trees』
Pebbl『Moonbeams』
Jonathan Schultz『Sucre』
Gareth Donkin『Welcome Home』
Tasha Angela『Who I Am』
Tigeroak『Living And Living』
Y La Bamba『Lucha』
Rudy De Anda『Closet Botanist』
Kara Jackson『Why Does The Earth Give Us People To Love?』
JONES『Magic In My Head』
Diego Gaeta『Fearlessly Accessing The Divine Spirit Of Freedom From Here On Out』
The Circling Sun『Spirits』
Nora Stanley And Benny Bock『Distance Of The Moon』
Anthony Naples『Orbs』
Golden Ivy『Kammarn』
Loris S. Sarid『A Tiny Reminder』
Jonny Nash『Point Of Entry』
David Horridge『Journey Within』
Nico Georis『Cloud Suites』
Jonathan Bockelmann『Sakamoto On Guitar』

Dinner-time 火曜日18:00~24:00

Cafe Apres-minuit 水曜日0:00~2:00




中上修作 Shusaku Nakagami

日本の気候、いや全世界的に異常ともいえる熱波が到来しています。先般の大雨による被害をはじめ、いよいよ日本も亜熱帯化が顕著ですが、もう「慣れる」しかありませんよね(オゾン層の修復も進んできていますので、悲観的ではありませんが)。そのうち日本でも午睡が慣例化して、「もう昼間は働かない!」という風になればいいのに、と本気で考えています。

というわけで夏はアフリカのリズムが恋しくなります。強靭な筋肉から発せられる二拍三連のリズムは血流を活性化させ、すぐれたアフリカン・リズムを1曲聴けば、ゴッド・ハンドのマッサージのような効果を生み出すのはいうまでもないでしょう。戦時下のウクライナ、ハルキウ州で生まれ育ったローラ・マルティは、その美貌を生かしてモデルとしても活躍し、まさに「天は二物を与えた」のは間違いのないところ。彼女が今年にリリースしたアルバム・タイトル曲の「Africa」は、粘りのあるリズムとクセになるフレーズが、肩甲骨から背筋あたりを上手に刺激してくれます。フランスのピアニスト、ローランド・ウィルドが2012年にリリースしたキラー「Fe Fe Naa Efe」とぜひセットで聴いていただきたい。

Laura Marti『Africa』

Dinner-time 水曜日18:00~24:00

Cafe Apres-minuit 木曜日0:00~2:00




高木慶太 Keita Takagi


ボビー・コールドウェルがアメリカ本国でR&Bリスナーたちにいかに愛されていたか。本人からのラヴコールで自宅に招かれ共に曲作りをするも残念ながらお蔵入りしてしまったこと。そして、40年近いキャリアを通じて人前で初めてこの曲を歌うこと──インタヴュー記事にすれば数ページに渡りそうな情報量を短いMCの中にさらっと詰め込んで、久保田利伸が披露したのは「What You Won't Do For Love」だった。蕩けるようにスウィートなラヴァーズ・ロックに生まれ変わったそれは、数多あるこの名曲のカヴァーの中でも頂点を極めたもののひとつであろう。声質と相まってボビー・コールドウェルの向こうにスティーヴィー・ワンダーが見え隠れして、さながらダブル・オマージュのよう。継承の美学というソウル・ミュージックの本質に触れ、またその主が久保田利伸であることに心を動かされ落涙した。
深い深い余韻に浸ったまま夏を迎えようとしている。

Stevie Wonder『Hotter Than July』

Dinner-time 木曜日18:00~24:00

Cafe Apres-minuit 金曜日0:00~2:00




FAT MASA

「Weekend Girl」を聴きながら海辺のドライヴが気持ちよい季節になりました。
S.O.S. Bandがジャム&ルイス・プロデュース時代の傑作で、アルバム・テイクのイントロ部分のジョン・ルシアンのフリー・ソウル・クラシック『Rashida』収録「Would You Believe In Me」前につながる「Kuenda」をイメージさせる、波の音とアコギの心地よさに、思わず類似性を感じてしまいます。
とはいえ、時代はTR-808のマシーン・ビートにシンセ・サウンドなんですが、爽やかなハートウォーミングさを持つこの曲は、打ち込み同期ビートながらシンセは手弾きなゆえ、独特のグルーヴ感がたまりません。
インターネットや携帯電話普及前の時代、出会いの期待に週末まで待てない溢れる気持ち。
ラジオや雑誌など限られた情報の中で偶然知った曲を血眼に探して得た曲のように、同じような趣味を持つ素敵な異性との出会いを運命的に感じてしまう気持ちに、どこかよく似ていて。
ちなみにその後、やっとデートまで漕ぎつけ、気持ちはゴルフのカブリオレで迎えに行きたいけど、いつも仕事用の軽四だったなぁ(笑)。
もしくは、オリジナル・ラヴ「朝日のあたる道」PVの田島貴男さんが乗っていたマスタングのコンバーチブルに君を乗せ、強すぎる風を心地よく感じたかったものでした。

S.O.S. Band 『Just The Way You Like It』

Brunch-time 金曜日10:00~12:00




三谷昌平 Shohei Mitani


この夏、聴きたいソウル・ミュージックを2作品ご紹介。まず1作品目はモッキーのライヴ・メンバーとしても知られるロサンゼルスのシンガー・ソングライター、ジョーイ・ドーシックの5年ぶりのセカンド・アルバム『The Nostalgiac』。本セレクションでは先行シングル「Make A Wish」をセレクト。ピアノに導かれるヴィンテージ感あふれるサウンドにソウルフルなヴォーカルが心地よい作品となっています。2作品目はニューヨーク生まれで現在はトロント在住のシンガー・ソングライター、キンゴ・ハッラの『Empty Hands』。彼についてはEarly Summer Selectionのコメントで本多さんもご紹介していらっしゃいましたが、あまりに素晴らしいデビュー作なので、あらためてピックアップさせていただきました。本セレクションでは「Mirage」と「Water In The Rose」をセレクトしましたが、いずれもノスタルジックなトラックにクールなヴォーカルが清涼感いっぱいでまさに夏に聴くにはピッタリな作品となっています。興味のある方はぜひチェックしていただければ幸いです。

Joey Dosik『The Nostalgic』
Kingo Halla『Empty Hands』

Dinner-time 金曜日18:00~22:00




渡辺裕介 Yusuke Watanabe


暑すぎるそして長すぎる夏。清々しい夏はサンセットからサンライズの時間。
太陽は僕の敵じゃなくて、太陽は我々の敵になってしまった、恐るべし近年の真夏。
そんな今年の真夏の金曜日の夜、皆さまどこで過ごしていらっしゃるのでしょうか?
春から初夏ですでに夏に憧れる選曲をしてしまうほどの、数年前だったら夏選曲。今年は、長すぎた夏から秋へのような選曲。そうなると、軽快なボッサのリズムに少し熟した目で心を揺さぶり心つかむヴォーカル・ジャズを選曲に。
そしていつもなら血が騒ぐハロルド・メイバーン・トリオの「Recard Bossa Nova」なんですが、長すぎた真夏の夜にはスペイン・バルセロナの若きジャズ・バンドSant Andreu Jazz Bandの一気通貫でありながら涼しげなボサ。
久々にジャズの魅力に痺れながらも、温度を上げ下げ自由なジャズに乾杯のビール。
そのままShaynee Rainboltの「Flyin' Free」へ。この爽快でワクワクする展開のジャズ・グルーヴをすっかり忘れてました。
そんなジャズから2023年を代表するフリー・ソウル・クラシックに立候補のジェシー・ウェア「Hello Love」。
そしてDingo BellsからDingoに改名したウルグアイに近いブラジル南部ポルトアレグレ出身のDingo(Dingo Bells)の究極のボサ・ワルツ「Eu Cheguei de Longe」でほんの少し秋に憧れる真夏の夜の選曲。
ワインに氷を入れて飲みたくなる時間になりました。
ごゆっくりお楽しみください。

Sant Andreu Jazz Band『Jazzing 7』
Shaynee Rainbolt『Charmed Life: Shaynee Rainbolt Sings Russell Garcia』
Jessie Ware『That! Feels Good!』
Dingo『A Vida É Uma Granada』

Dinner-time 金曜日22:00~24:00

Cafe Apres-minuit 土曜日0:00~2:00




富永珠梨 Juri Tominaga


フランス出身、現在はロンドンを拠点に活動する、Michael Liot(ヴォーカル、ギター)、Fabienne Débarre(ヴォーカル、キーボード)によるエレクトロ・ポップ・デュオ、 Evergreen (エヴァーグリーン)。彼らが2023年1月にリリースしたEPから、タイトル曲「Sign Out」をこの夏の1曲にセレクトしました。ひんやりと透明感のあるシンセのハーモニーと、ゆったりと波打つようなベース・ライン、浮遊感のある柔らかなヴォーカル。シティ・ポップとバレアリックの間を往来するような心地よさ。全曲通してメロウ&キャッチーなサウンドなので、夏のドライヴ・ミュージックにもおすすめです。太陽輝く真夏のデイタイムというよりは、夜景きらめくサマーナイト・クルージングがイメージ。

Evergreen『Sign Out』

Brunch-time 土曜日10:00~12:00




小林恭 Takashi Kobayashi


今回も新譜を中心に、この夏の季節にマッチする曲たちを選びました。
なかでもお薦めのアルバムは、Freeezeを率いてブリット・ファンクの名曲「Southern Freeeze」などを残している、ロンドンの古株John Roccaによる『Reflections Of The Sun』。その中から3曲を選んでいます。バレアリック感満載のアーバン・メロウなサウンドは、浮遊するような彼のマルチ・インストゥルメンタルやヴォーカルに加えて、甥のキーボードのBenjamin Rocca、サックスのJoel Roccaも参加し、アンサンブルに彩りをつけています。チルでリラックスした音空間に耳を傾けて、暑い夏の夜を楽しんでもらえたらとても嬉しいです。

John Rocca『Reflections Of The Sun』
John Carroll Kirby『Blowout』
Bruno Major「Columbo」
Giorgio Tuma『We Love Gilberto』
Les Imprimés『Rêverie』
quickly, quickly『Easy Listening』
kwes.『Rye Lane (Suite)』
Louis Cole『Some Unused Songs』
Dargz feat. Charlie Stacey「Annie's Tune」
Gareth Donkin「Whenever」
North Americans『Long Cool World』
Paula Santoro「Ê Lala Lay Ê」

Dinner-time 土曜日18:00~22:00




ヒロチカーノ hirochikano

2023サマー選曲では、「夏の海辺に連れていきたい現代版メロウ・グルーヴ」をテーマに、ここ数年世界中で好リリースが続いている、ネオ・ソウル系アーティストが奏でるメロウな好トラックを中心にセレクトしました。そんな中から、1曲目に選んだのは、南米ポップらしいアコースティック・ギターからの哀愁感あふれるストリングス・アレンジの重ね方が素晴らしい、ブエノスアイレス出身のインディー・ユニットNaftaの「Duele」。他にも、Eli RypやAdriana Evans、Lady Kingなど、海と太陽と冷えたビールにジャスト・フィットすること間違いなしの渾身の夏選曲をお贈りします。

Nafta「Duele」

Brunch-time 日曜日10:00~12:00




吉本宏 Hiroshi Yoshimoto


夏が来た! と今年思わせてくれたのはLAで活動するMichael Davidの「Double Meaning」。ビーチを吹き抜ける爽やかな潮風がSam Wilkesの軽やかなベースにのってビートと戯れる。さらに、昨秋のリリースから夏を待っていたのが、Lo Recordingsを主宰するJon TyeとイラストレイターのPete FowlerによるユニットSeahawksの「Beams Of Love」。たゆたうようなリズムが、ゆっくりとビーチに黄昏を運んでくる。そしてどこからともなく誰かの口笛が。

Michael David feat. Classixx『Talking Book World』
Seahawks『Infinite Echo』

Dinner-time 日曜日18:00~22:00




高橋孝治 Koji Takahashi

前回のコメントで武田さんやワルツくんが坂本龍一さんを追悼する文章を書いていましたね。自分は武田さんやワルツくんのように教授についてそれほど詳しく知っているわけではないのですが、映画音楽の分野では教授の偉大な功績をリアルタイムで見てきたと思います。そのひとつである『ラストエンペラー』で日本人初のアカデミー賞作曲賞を獲得した教授ですが、この作品を監督したのがベルナルド・ベルトルッチです。そのベルトルッチが1970年に制作した『暗殺の森』はこのコメント欄で何度も取り上げ熱く語らせてもらった大好きな作品ですが、この『暗殺の森』にまつわるお話でずっと気になることがあります。それはYMO結成前の1978年の冬の日に、「細野晴臣が自宅に坂本龍一と高橋幸宏を呼んで、こたつに入ってYMOの結成をもちかけた」という有名なエピソードのときに、遅刻してきた教授が興奮しながら最近TVの深夜映画で凄い作品を観たと細野さんと幸宏さんに語ったというお話です。その作品こそが『暗殺の森』だったと。真偽のほどは確認できていませんが、このお話が真実だとすると『暗殺の森』がTVで初放送されたのは1978年だった可能性がありますね。そしておそらく日本語吹き替え版だったと思うのですが、現在ネットの中に『暗殺の森』の吹き替え放送の情報が乏しく、どのTV局で、どの番組(番組名)で放送されたのかなどはわかっておりません。今ではもう叶わないことですが、教授にこのエピソードにまつわるお話を少しでもうかがってみたかったですね。
さて夏の選曲ですが、まずはオランダのアムステルダムを拠点に活動する女性アーティストNadine Appeldoornの音楽プロジェクト、Mazey Hazeの4月にリリースされたEP『Back To The Start』のタイトル曲をセレクトしてスタート。続いてニューヨークの男性アーティスト、Scotch Mistの「Sink Into (Your Love)」や、イギリスのダンス・プロデューサーであるJam Cityがいろいろなアーティストとコラボして制作したアルバム『Jam City Presents EFM』よりピックアップした「Wild n Sweet」(Empress Ofとのコラボ)、イギリスはグラスゴウ出身のSwiss Portraitの「Before」など、清涼感のある作品をピックアップ。そして今回も最近のお気に入りデュオ、フィンランドはヘルシンキの男女Pearly Dropsの「Take Me Down」を収録したのは言わずもがな。ロンドン出身の女性アーティスト、yunè pinkuのスぺイシーでエレクトロ・ポップな「Heartbeat」、アメリカはユタ州で活動するÖslaの浮遊感のある「Afternoon」、良質なインディー・ロックの響きを放つカリフォルニア州フレズノの男性デュオ、Paradise Blossomの「Forever, With You」なども夏の夜に涼風を吹き込んでくれる爽やかな作品ですね。
ディナータイム後半は、グラミー賞2部門にノミネートされ、マーキュリー・プライズとブリット・アワードを受賞したイギリス出身のシンガー・ソングライターArlo Parksの、5月にリリースされたセカンド・アルバム『My Soft Machine』から「Blades」をピックアップし、続いてニューヨークの女性アーティスト、Avalon Emersonの「Astrology Poisoning」をセレクトして、ディナータイム前半からの爽やかな風を感じる流れを維持します。そしてThundercatとTame Impalaがコラボした「No More Lie」や、BeabadoobeeとClairoのコラボ・ソング「Glue Song」といった話題の作品も挟み、ロサンゼルスの女性アーティスト、Xelli Islandの「End Of Us」や、スウェーデン出身のWa'elがMax Kosteというアーティストとコラボした「All You Want To Do Is Love」といったアンニュイなテイストを持つ作品でアクセントを付けてみました。他にはオーストラリアはブリスベンの男性アーティストJoe Agiusの音楽プロジェクト、Rinseのニュー・シングル「Does It Feel Like Heaven」も、清涼感あふれる素敵な作品でとてもお気に入りのナンバーです。
ミッドナイトからの選曲は、Sidewalks And SkeletonsやCashforgoldのメンバーによるサイド・プロジェクト、Soft Sirenによる女性ヴォーカリストJacqueline Torgersonの透き通った歌声が清楚に響く「4am」をピックアップしてスタート。その清楚な空気感の流れを受けて、カナダの首都オンタリオ州オタワで活動するPrelovedの「Then It Goes」や、ニュージャージー出身の女性アーティストLindsey Radiceの音楽プロジェクト、Pynkieの「Spiral」、コネティカット州の男性アーティスト、Waveform*の「Antarctica」をセレクトしました。この時間帯の選曲にアクセントを付けるために選んだライトなダンス・ナンバーでは、ロサンゼルスの3人組Cannonsの「Loving You」や、ミネソタ州ミネアポリスの男性アーティスト、Sweet And Lonelyの「Ghost」が心地よいグルーヴを夏の深夜に運んでくれます。
そしてミッドナイト後半の選曲ですが、今回はコロナ禍以降続けていた「ベスト・セレクションとクリスマス選曲以外、一度セレクトした作品は以降の選曲で使用しない」という自身の決め事をやめて、コロナ禍前のミッドナイト以降の選曲で「ミッドナイト・スペシャル」と題して行っていたテーマを決めた選曲を復活しようと思います。コロナ禍中に「一度セレクトした作品は以降の選曲で使用しない」とした理由は、ロックダウンなどでライヴ活動ができなくなったアーティストを支援するために、Bandcampなどでリリースされる楽曲を1曲でも多く購入して少しでもアーティストを応援したいと思ったのがきっかけです。そしてようやく日本でもコロナの感染症法上の位置づけが5類へ移行したので、自分もこの決め事をやめようと思いました。ということでミッドナイト後半は、コロナ禍中に出会った作品の中でお気に入りの作品をピックアップして(ベスト・セレクションではありません)1時間の選曲をしてみました。Mammals「Calm Down」、Barrie「Darjeeling」、Tops「Perfected Steps」、Tennis「Late Night」など、名曲ばかりを繋げたセレクションはとても贅沢なものだと思いますが、なんと言ってもJordana And TV Girlの「Jump The Turnstile」とU.S. Girlsの「4 American Dollars」を繋げた流れは、自分の中では至福の選曲です。このセレクションの締めにCassandra Jenkinsの「Hard Drive」を選んだことも、コロナ禍を終えた今ではとても感慨深いです。
さて、冒頭でも教授のお話に絡めて映画のお話をしましたが、最後にもうひとつ映画話を。ここ最近「闇バイト」なる言葉と共に嫌なニュースを見聞きすることがあります。中でも「銀座ロレックス強盗事件」は現在の日本で白昼の人通りが多い時間に堂々と行われたことに衝撃を受けました。そしてこのニュースを見たときにすぐに思い浮かんだのが、ダスティン・ホフマン主演の1978年制作のアメリカ映画『ストレート・タイム』です。以前にもこの映画のことを書きましたが、この作品はダスティン・ホフマンが自らのプロダクションを率いて制作に参加し、ウール・グロスバードにその座を譲るまで当初は監督を務めていた(ダスティン・ホフマンは撮影途中で自分には監督の才能がないと感じたそうです)、幻のダスティン・ホフマン監督初作品です。この映画の中でダスティン・ホフマン演じるマックスと、ハリー・ディーン・スタントン演じるジェリーが宝石店を襲うシーンがまさに「銀座ロレックス強盗事件」でした。ハンマーで次々にショウケースを叩き割る姿はニュースで見た実際の事件と全く同じです。この作品はアメリカン・ニュー・シネマの傑作で、原作の小説をタランティーノが「レザボアドッグス」の脚本を書くとき何度も読み返し参考にしたという話は有名です。残念ながら日本では、オンデマンドでDVD化されたことがありますが、今や入手は困難で簡単には鑑賞することができません。海外では画質の素晴らしいブルーレイがリリースされているのですが、国内でリリースされる予定は今のところはないようです。もし高画質の国内盤ブルーレイがリリースされるなら、ぜひダスティン・ホフマンを佐古正人さん、ハリー・ディーン・スタントンを原田一夫さんが担当した、激レアな吹き替え音声も収録してほしいですね。

Mazey Haze『Back To The Start』
Scotch Mist「Sink Into (Your Love)」
Jam City & Empress Of「Wild n Sweet」
Swiss Portrait「Before」
Yunè Pinku『BABYLON IX』
Ösla「Afternoon」
Arlo Parks『My Soft Machine』
Avalon Emerson『& The Charm』
Thundercat & Tame Impala「No More Lies」
Beabadoobee & Clairo「Glue Song」
Xelli Island「End Of Us」
Wa'el & Max Koste「All You Want To Do Is Love 」
Soft Siren「4am」
Preloved「Then It Goes」
Pynkie「Spiral」
Waveform*「Antarctica」
Cannons「Loving You」
Sweet And Lonely「Ghost」
Jordana And TV Girl『Summer's Over』
U.S. Girls『Heavy Light』

Dinner-time 日曜日22:00~24:00

Cafe Apres-minuit 月曜日0:00~2:00




山本勇樹 Yuuki Yamamoto

毎年楽しみにしている夏の選曲ですが、今年はより一層にその気分の高鳴りを感じてなりません。選曲を終えて、ちょうど夏休みの計画を立てていて、今年こそは南の方へ家族そろって出かけようかと、すでに皆のテンションも高く、海や遊び、食べ物やお酒など、とにかく今から話は尽きません。今回のサマー・セレクションは、そんな旅のBGMにも似合う、爽快で高揚感の溢れる内容になったのではと思います。僕も、さっそくですが今回の選曲をプレイリスト化して、ドライヴのBGMにしようかなと考えています。そして、旅先で訪れたカフェやレストランで、流れていたら最高かも、なんて想像も膨らませたりしています。ジャジーなボサノヴァから、グルーヴィーなソウル~R&Bまで、夏らしい曲をいろいろ揃えましたが、その中でも特におすすめしたいのはロンドンのシンガー・ソングライター、エド・パトリックで、ジェントルな歌声とアコースティック・ギターのマイルドな響きが、夏の午後をメロウに演出してくれそうです。

Ed Patrick「Leaf」

Lunch-time~Tea-time 月曜日12:00~16:00




武田誠 Makoto Takeda


ジョニー・デップのタトゥーからとったそのバンド名、そしてデビュー曲のタイトルは俳優のミハイル・バリシニコフと、なんだか少し好感の持てる映画好きの若者の寄り合いかと思わせるカナダ・ヴァンクーヴァーのWinona Forever。当初からそのメロディー・メイカーとしての優れたセンスを垣間見せていたバンドでしたが、今年4月にリリースされた3作目のフル・アルバムでは、よりメロウなテイストが際立ったギター中心のアンサンブルによる楽曲が、甘酸っぱいネオアコ的疾走感とあいまって、かけがえのない夏の風景に清々しく寄り添ってくれそうです。
とはいいながらも、夏至をすぎて、もうこの日をさかいに日がだんだんと短くなっていってしまうんだなと考えると、すでに夏の終わりを感じてしまいます。そんな淡い寂しさみたいなものや、まだまだ清涼感を求めてしまう気持ちが同居しているような、まあ映像的には、やがて翳りゆく夏空、といったイメージに今回の選曲は落ち着いた感じでしょうか(カフェですごす夏の午後もイメージしながら)。
それでは、みなさまのもとへ素敵な夏が訪れますように。

Gia Margaret『Romantic Piano』
Scott Orr『Horizon』
rean「Seasons Change」
Winona Forever『Acrobat』
Rudy De Anda『Closet Botanist』
John Andrews & The Yawns『Love For The Underdog』
John Carroll Kirby『Blowout』
Bebel Gilberto『João』

Lunch-time~Tea-time 火曜日12:00~16:00




waltzanova

オープニング・クラシックは、『威風堂々』で知られるイギリスの作曲家、エルガーの『チェロ協奏曲』です。なぜこの曲なのかというと、先日鑑賞してきた映画『TAR/ター』でこの曲が取り上げられていたんですね。ベルリン・フィルの常任指揮者である主人公、リディア・ター(ケイト・ブランシェット)の運命を狂わせる女性チェリストが得意としているという設定の曲で、ここではもっとも優しい印象の第3楽章をエントリー。映画自体は心理的にかなり怖い話なので、後味はあまり良くないかもしれませんが、とても観ごたえのある作品でした。クラシック界の裏側も描かれていて、いわゆる小ネタが満載なので、そういう意味でも楽しめます。それに続けて、以前から温めていたXTCの「Summer’s Cauldron」。この曲が収録されている『Skylarking』は、言わずと知れた80年代を代表するポップ名盤のひとつですが、メンバーのアンディー・パートリッジとプロデューサー、トッド・ラングレンの関係はレコーディング中にかなり険悪だったというエピソードは有名ですよね。今回、アルバムを聴き直してみて、やっぱり素晴らしいと思いを新たにしました。

6月の上旬に中国人の母とアイスランド人の父を持つ女性シンガー・ソングライター、Laufeyのライヴもブルーノート東京で観てきました。こちらも心に残るライヴでしたが、新曲「From The Start」は彼女らしさが全開の会心ボッサ・チューン。新曲だとサンダーキャットとテーム・インパラの「No More Lies」もイイ感じのアーバン・チューンに仕上がっていましたね。両者の魅力が掛け合わされて倍加しているナイス・コラボです。デンマークのサックス奏者Oilly Wallaceの「Time Has Flown」もライト・メロウな好AORナンバーで、マイケル・フランクスやアウディー・キムラと並べてかけたくなりますね。

さて、橋本徹さんのコンパイラー人生30周年記念コンピ『Gratitude ~ Free Soul Treasure』『Merci ~ Cafe Apres-midi Revue』が、『Blessing ~ Free Soul × Cafe Apres-midi × Mellow Beats × Jazz Supreme』に続いて5月末にリリースされました。『Merci』は「ベスト・オブ・usen for Cafe Apres-midi」という趣もあるので、ペドロ・ベルナルド「Circo Marimbondo」、ギャビー・ヘルナンデス「Mangoes And Pears」をピックアップ。どちらも橋本さんのコンピ『Seaside FM 81.4』に収録されていた曲ですが、このコンピレイションは僕にとって特別な意味を持つ一枚なので、感慨もひとしおです。

ブルーノ・メジャー「Columbo」に続いてラスト前に置いたのは、haruka nakamuraがTHE NORTH FACE sphereのために制作した作品からの「讃美歌ひとつ」。このプロジェクトは四季をテーマにした四部作になっていて、この曲が収められている『Light Years』は夏から秋への移り変わりが紡がれています。夏の夕暮れどきを思わせる涼やかなエレクトリック・ピアノの音色がたまりません。今年の夏の終わりにはこの曲がどのように響くのか、今から新しい季節への期待感が高まっています。このセレクションが皆さまの2023年ロング・ホット・サマーの素敵なBGMとなることを願いながら。

Sheku Kanneh-Mason, London Symphony Orchestra, Sir Simon Rattle『Elgar』
V.A.『Merci ~ SUBURBIA meets INPARTMAINT "Cafe Apres-midi Revue"』
Thundercat & Tame Impala「No More Lies」
Mato feat. Ethel Lindsey「What You Won't Do For Love (Mato Mellow Reggae Mix)」
De La Soul『De La Soul Is Dead』
Linda Lewis『Not A Little Girl Anymore』
Aaron Parks, Matt Brewer & Eric Harland『Volume Two』
Alfa Mist『Variables』
Laufey「From The Start」
Oilly Wallace『Flowers Of Your Youth』
Bruno Major『Columbo』
haruka nakamura『Light Years』

Lunch-time~Tea-time 水曜日12:00~16:00

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