バファローズ・ブルーウェーブ合併の総括2
2004年の球団合併で、近鉄は救えなかったのに、なぜホークスは救えたのか?それは近鉄にお客さんが来なくて、ホークスにはパリーグ1集客が出来て、200万人越えていたと言われるぐらいお客さんが来たからでしょう。(当時は実数発表ではないので、ソースが記せないのが残念です)
もし近鉄に200万人集めることが出来たら、どこかの企業が買収して存続できたはずです。それだけの価値を持つコンテンツを企業が無視するわけがないです。もしどの企業も買収に動かなかったら、200万人入るチームなら親会社なき市民球団になることができたでしょう。
新日本プロレスの棚橋弘至はお客さんの来ない暗黒期に、「待っていてもお客さんは来ないから、自分から呼ばないといけない」とテレビ、ラジオからミニコミ誌に至るまで、あらゆる宣伝活動をやったそうです。
なぜ近鉄の選手がそういうことをやらなかったのは疑問です。「たいしてお客さんは多くないのに、年々1億円プレーヤーが増えて、マックス5億円プレーヤーが出来た。これで大丈夫か?」と思う選手はいなかったのでしょうか。立命館を一般で入った棚橋と、野球しかやってこなかった近鉄の選手じゃ頭の出来が違うんだね。としか思えません。余談ですが、前述の棚橋の話を聞いて、近鉄の選手に同情する気が無くなりました。
僕はプロスポーツに文化という言葉を使うのが大嫌いです。プロスポーツを表す言葉は興行という二文字だけです。人気のないマンガや、視聴率の取れないテレビ番組が打ち切られます。それと同じでお客さんの呼べないプロチームは潰れるしかありません。あの頃ファンがやるべきだったのは、「近鉄は価値のあるコンテンツ」ということを示すために、友達や家族などを誘って一人でも多くスタジアムに連れて行くべきでした。大量の署名を集めたところで、実際にお客さんが入っていないと「なぜ大量に署名が来るのに、スタジアムにはお客さんが来ないんだ?」と心に響かないでしょう。
文化という言葉が嫌いなもう一つの理由は、「危なくなったら国や企業が支援してくれる」というニュアンスが感じられるからです。僕が知る限り、プロチームが潰れるとき支援に動いた国など知りませんし、チームに価値があると判断しない限り、企業も動きません。チームを救えるのは、ファンしかいないのです。
僕は地元にあるJ3クラブ、鹿児島ユナイテッドの試合に行くのですが、行く理由の一つに「親会社なきユナイテッドは、お客さんを増やして価値のあるコンテンツであることを証明しないと、クラブは潰れる」という危機感があるからです。
最後にプロスポーツとはなにか?がわかる話で締めます。小川直也がプロレス転向したとき、猪木が小川に「プロレスとはなにかわかる?」と聞いたそうです。答えられない小川に対して、猪木は「興行だよ」と語ったそうです。
猪木は「柔道時代はお客さんの入りなんて気にしなくて、金メダルさえ取ればいい。という気持ちでやっていただろ?プロレスはお客さんが入らなかったら、潰れるんだよ」という意味で小川に話したと思うんですよね。