敏腕交渉人・栗山英樹
先日WBCメンバーが発表されました。驚いたのはMLB組が5人招集されたことです。MLB組は2013年は0人、2017年は1人しか招集できなかったので、「アメリカ、ドミニカ、プエルトリコはメジャーリーガーを多数招集できるのになぜ?日本の課題は交渉力」と思っていたので、栗山監督はどんな手を使ったのか?と驚いています。WBC招集について驚きを感じた選手を以下書いていきます。
ダルビッシュの招集には驚きました。ダルビッシュ(37歳)はサッカーで言えば本田(37歳)、長友(37歳)と同い年なので、「本田のように代表を辞退するかもしれないし、長友のように代表入りを希望するかもしれない」とギャンブル的にオファーを出したことが想像できます。
「年齢を考えると例年より早く体を作らないといけないWBCに参加するのは体への負担が激しいし、シーズンに集中したい」と辞退してもおかしくなかったので、参加してくれたダルビッシュには感謝しかないです。唯一優勝を経験した選手であるし、チームのまとめ役として期待されているところもあると思うので、ダルビッシュの活躍が楽しみです。
佐々木朗希の招集にも驚きました。佐々木は規定投球回数未達(129.1回)と、中六日を守ってフルシーズン投げたわけではなく、まだ体作りの段階と無理をさせない方針と聞きます。球団から「代表はフルにプレーできる人が入るところだし、佐々木はまだ体作りの段階だから」と難色を示してもおかしくはありません。
おそらくですが、栗山監督は「WBCで経験を積ませるのは佐々木本人のためでもあるし、ラウンド間で入れ替え可能だから、佐々木が投げるのは一回だけ」と球団が妥協できる条件を提示して口説いたと察します。さすがの一言ですね。
ヌートバー招集にも驚きました。いくら実力があるといっても、チーム合流からWBC本選までたくさん時間があるわけではないので、誰とも面識のないヌートバーがチームに入って機能するか?を考えると、選出をためらってもおかしくなかったと思います。
栗山監督はヌートバーとオンラインで面談したと聞くので、「彼ならすぐチームに馴染める」と判断したのでしょう。栗山監督はファイターズを率いていたときから、「俺の責任」が口癖だったので、「ヌートバーがチームに馴染めず、機能しなかったとしても俺の責任」という覚悟を感じます。
日本は過去二回のWBCはベスト4で負けているので、日本の立ち位置はアメリカ、ドミニカ、プエルトリコに次ぐ第二グループの先頭だと思っています。栗山監督はファイターズで日本一を経験した勝負師でもあるので、アメリカ、ドミニカ、プエルトリコと戦うベスト4以上では策を用意しているでしょう。優勝を果たした栗山監督を敏腕交渉人ではなく、希代の勝負師と書くのを楽しみにしてます!
追記 00年世代で注目を集めていた根尾、藤原、小園を差し置いて戸郷が選出されるとは2018年ドラフトの時点では誰にも想像できなかったと思います。思わぬ選手が世代のトップに立つのもプロ野球の面白さですね。それについては過去記事を読んでもらえたら嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?