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『地面師たち』にハマった私の居抜きオフィス移転奮闘記

iCARE公式ブログをご覧のみなさん、おはこんばんちは。Netflixの話題作『地面師たち』にどハマりしている中野雄介です。

『半沢直樹』『VIVANT』『梨泰院クラス』などにハマったことのある人は漏れなくハマると噂の『地面師たち』ですが、このブログに辿り着いた稀有なみなさまもまた、しっかりハマっているのではないでしょうか。

そんな今日この頃、iCARE社は1ヶ月ほど前の8月26日に恵比寿から五反田へとオフィス移転をいたしました。場所はなんと『地面師たち』の題材になった土地のすぐ近く。ライフやピーコックは近くないのですが、奇しくも時事性に富んだ場所に引っ越すことになりました。

ちなみに今回の移転は、恵比寿オフィスを居抜き退去し、五反田オフィスに居抜き入居をしました。どちらか片方だけ居抜きというのは昨今多いようですが、退去も入居も居抜きというのは珍しいらしく、退去時の原状回復費用と入居時の内装費用を大きく浮かすことができたのは、幸いなことでした。

というわけで、今回は居抜きによるオフィス移転の奮闘記をしたためてみたいと思います。アドリブで。

居抜き入居 〜狙うべきは、小さな山でも大きな山でもなく、妥当な山〜

居抜きによるオフィス移転において、一番肝心となるのは次のオフィスを探すことです。まずは、ターゲットとなる立地・坪単価・内装条件など、自分たちの希望に合った条件を社内ですり合わせていきます。ターゲットは大きければ大きいほど狙いやすいわけでもなく、自分たちの希望条件に合った場所を見つけられるかどうかです。

諸条件が決まったら、実際に候補となり得る物件の内見を始めていきます。自分たちの希望条件が本当に適切かを確かめるためにも、私は少々的外れな物件にも積極的に訪れるようにしました。この時はとにかく脚を使うフェーズなので、青柳部長になったつもりでどんどん脚を使っていきましょう。

そうしてるうちに諸条件が固まってくると同時に、目ぼしい物件にいくつか巡り会うようになってきます。居抜きでの入居は早い者勝ちであり、さながら戦争のようなものなので、速やかに入居希望を出し、審査を進めるスピード感が大切です。その際に求められるのは、思い切った決断力とその決断に至るまでに積み重ねておく調整力。物件選びは社長案件にもなるので、社長の現地視察も急ぎ足で済ませるようにしましょう(当社の場合は社長視察をすっ飛ばしました)

小さな山よりは大きな山、容易い山よりは困難な山。そんなことを考えずとも居抜きでのオフィス移転はすでにスリリングなものですから、自分たちに合った妥当な山を狙うことをオススメします。

居抜き退去 〜肝心なのは、リアリティ〜

居抜き入居と並行して、現オフィスの退去についての居抜きも進めていきます。まずはビル管理会社さんとの交渉を行いつつ、仲介会社さんにも協力をしてもらいながら、我々のオフィスをお譲りする企業さんを見つけていきます。

興味を持ってもらった企業さんには、現オフィスの内見をご案内します。この際に意識していたのは、現オフィスのアピールポイントを伝えることは勿論のこと、こういったところは使ってて不便だったというポイントもしっかり伝えることです。大切なオフィスをお譲りするわけですから、次の企業さんにも長く使ってもらえるよう、プラス面だけではなくマイナス面も含めたリアリティを伝えるのが肝要です。

また、現オフィスをお譲りする企業さんが決まった後は、それまで使っていた備品・什器をその企業さんにお譲りする交渉も行います。この交渉の前には、現オフィスにある数多の備品・什器をリストアップし、移転先に持っていくもの、次の企業さんにお譲りするもの、レンタル品として返却するもの、廃棄するものをひとつずつ選別していくヘビーな作業が発生します。これは言ってしまえば、誰でもやれるようなことをチマチマとやる、つまらない作業です。ただ、何かを得るには何かを失うのが常ですから、ここは粛々と作業を進めるに尽きます。

移転作業 〜足を引っ張るのは、敵でも味方でもなく、自分〜

次の入居先が決まり、退去の目処が立ったところで、実際の移転作業となります。引越し業者さんの指示に従い、荷造りは社内全員に手伝ってもらいながら、プロジェクトメンバーで手分けをして引越し作業を進めます。

この時に注意したいのは、目的まであと一歩という時に足を引っ張るのは、敵でも味方でもなく、自分だということです。オフィス移転にまつわる膨大な作業量を自分一人でこなることはほぼ不可能であり、必ずと言っていいほどミスや手違いを招くので、周囲のメンバーを頼りながら上手くタスクを分担していくようにしましょう。

また、このフェーズで大切なのが社内稟議です。凄まじい量の契約書や書類の押印、発注品の数々、役所への届出処理が押し寄せてきます。稟議を都度上げるこの作業は本当に骨が折れるのですが、とはいえ会社にとっては大切なプロセスです。決して疎かにしてはなりません。

さいごに

スタートアップの成長の歴史は早い話、オフィス移転の歴史です。Amazon社の週5日出社切り替えも話題になっている昨今ですが、スタートアップの知恵がサービスを創り出し、素晴らしい世界を創り上げていく過程に不可欠な善行が、オフィスを所有することだと私は思っています。

しかしながら、オフィス移転にかかる費用は高騰の一途を辿っており、コロナ禍後のオフィス回帰需要による相場高騰、建築資材の高騰、職人不足による人件費高騰など、私がオフィス移転に臨んだ際には、あらゆるものが高騰化し始めている状況でした。この流れは今後も続くことでしょう。

およそ物の価値というのは、その時々で変わるものですが、いつの時代においても居抜きによるオフィス移転というのは、最もフィジカルで、最もプリミティブで、最もフェティッシュな選択肢なのかもしれません。

もうええでしょう。今日はこのへんで筆を置きます。
そしてここまで読んでくださった方、iCAREの新しいオフィスで私と組みませんか?


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