男が入院するということ
大の男、しかもおっさんが入院をするという事は、大変な事だ。
普段会社でふんぞりかえってても、いざ4人部屋とか入ったら新参者である。
低姿勢で臨まねばならない。
かと言って、オッサンばかりの4人部屋で会話がある訳ではない。
トイレと往診以外はみなシャーっとカーテンを閉めてしまい、薄い布切れ隔てた隣人をなかなか知る事はできない。
しかし、新参者はカーテンひとつ隔てた先住民の先輩達からの無言の重圧に耐える事になる。
咳払いひとつも、新参者に対する威圧の表れだと感じる。
その点、女性部屋は好対照だ。
同居人同士がまるで、旧知の親友の様に「うちの舅がボケてきて、、」みたいな極めてプライベートな話に花を咲かせている。
俺個人的には、そんなおばちゃん部屋の方が居心地良いのだが。