【不動産女子が過ごした20年】新規クライアント獲得格闘編①
久しぶりの「不動産女子〜20年」シリーズ更新です。
実は今年の3月ですでに22年目に入っているんですが、いろいろありまして(すでに旧Twitterの垢もない)「不動産女子☆きゃぴ☆(キモw)」とか言ってる場合じゃなかったんですよね。
で、タイトルも20年にするか22年にするか迷ったのですが、今回のお話は私のサラリーマン時代の回顧録なので、20年のままにしておきました(かなりどうでもいい)。
ただ、この「新規クライアント獲得格闘編」は、自分が死ぬ時に不動産業界人生を振り返るときにおそらく「出した成果ランキングTOP3」には入るお話で、note再開のためにもちょっとテンション上げていこう、ということで書き始めております。
それではいきましょう。
約340通のDM送付で39棟のPM受託を獲得
見出しに書いた成果を見て「嘘つくなwww」とツッコミ入れた人。
ハイ、アナタはこの業界「千三(せんみつ)」と言われる成約率の低さをよくご存知ですね。
「せんみつ」というのは「アプローチに対する成約確率が0.3%」という意味。
この業界の古くからの体感的な成約のアベレージとして言い習わされてきた数字です。
一定の属性に絞り込んだ謄本をたよりに、昔ながらの「ダイレクトメール」で郵送した「チラシとA4レター1枚」で全くの新規顧客に対してアプローチって、ネット集客全盛期のこのご時世にしては超古典的手法でしかないにも関わらず、結果フタを開けたらこの数字。
歩留まり10%以上。
ちなみに成約としてはDM経由でご契約頂いたオーナー様からのご紹介も多少入っていますが、
・年間反響→41件
・年間商談→32件
・DM経由総契約→39棟(お一人で複数棟所有からのバルク受託、ご紹介含む)
・商談したけど契約至らず→3件(諸条件でのお断り含む)
後生大事に営業成果の手書きメモ&当時の手帳のリフィルを持ってる私。
(ええ、大昔の彼氏をなかなか忘れられないタイプです、はい笑)
※本編の再現性は「有る」っちゃあるし「無い」っちゃないです。ノウハウ系noteではないのであしからず。
タイミングが超重要!
この数字を叩き出したのは2018年から2019年にかけてのことでした。
実はこの時期というのは、収益不動産に関わる人間にとってはいろいろとネタの多い時期なんですよね。
そう、悪名高い「スルガスキーム」が白日の下にさらされるきっかけとなったコレです。
スルガ銀行の不正融資問題は立場や業務内容その他いろいろと見解の相違があるところなので、詳細についてここでは言及しませんが、スルガ銀行の当時の貸出残高3兆1,500億円のうち、2兆円ぐらいが不動産投資絡みの融資という信じられない時代がつい最近あったのです。
※2兆円ぐらい、は記憶でエビデンス探したら記事(しかも伝聞のあやしげなやつ)しか探しきれませんでした。
※私は決算書関連書類でエビデンスを見た記憶があるので、どなたかご存知でしたらご教示くださいませ。
この時期、スルガスキーム(いろんな「形態」があるので詳細は割愛します)を使ってボロ儲けしていた一棟収益不動産売買仲介会社が次々と破綻しはじめました。
他社の窮地<<<オーナー様の苦悶
他社の破綻、というのは不動産業界長いとまぁ「慣れる」んです。
逆に自分(の仕事)がいつ無くなってもおかしくないという自覚でもあるんですけど。
で、破綻の原因は、スルガの融資が受けられなくなったことによる売上の激減だけではないんですよね。
原因は、個人投資家のオーナーに物件を販売した業者の「サブリース」にも隠れていました。
前述の「隠れてた」どころの話ではなく、普通に考えたらわかる話なんですけどね。
つまり、「所有している物件の管理が行き届かないことに困っているオーナー様」が特定の属性の物件に大量発生してしまったわけです。
前職の会社は、数十年にわたって(相続による世代交代も乗り越えて)同じ物件を管理している実績も体制もあり、使命感で盛り上がってしまった私は、当時新規管理受託のインセンティブフィーもなかった(途中で当方の激務を見かねた同僚が、会社に直訴してフィー制度を作ってくれた…ありがとう(泣))くせに、「このオーナーさんたちにアプローチしてみたら?」という社内の提案にガッツリ喰い付いて、「住所しかわからないオーナーさんにどうすれば『管理会社のあるべきプロパティマネジメント』の内容をお届け出来るか」を猛烈に調べ始めました。
ダイレクトメールって面白い!!
このときのDMという古典的手法は「これしかなかった」という消極的手法であったことは間違いないです。
だって登記簿謄本が頼りだもん(謄本データのソートは掛けましたが)。
所有者の住所が移動してても郵便物の転送かけてるかもなんて淡い希望が持てるっていうのも良いところ。
まぁ、当時から少し年数が経っているので、Google先生のサジェストとかも変わっているだろうから今更云々言いませんが、一説によると郵送物の反響率って1%切るらしいですね。
そりゃそうです。
ざっと契約までの流れを書いてみます。
*******************
郵送物がポストに届く
↓
自分に必要がないやつならエントランスのゴミ箱にポイ
(家にすら上げてもらえない郵送物があるってこと)
↓
相手にとって重要なお知らせであることが「封筒の体裁←めちゃくちゃ重要」からしてわかるようにしないとダメ
↓
開封してもらう←ハードル激高
↓
連絡したくなる内容
(こちらとしては電話がほしい、話をしたい)
↓
電話掛かってくる!でヒアリング
(だいたい40分ぐらいが多数)
↓
お会いする約束をする
(電話から1週間以内がマスト)
↓
アポが決まったらどんな仕事も押しのけて、面談予定のオーナー様の物件の現調→その日のうちに現時点での報告書作成
↓
報告書を携えて面談
☆当時の行脚行程は北海道から熊本県南部まで全国どこにでも会いに行きました(大声で言いにくい病気←誰でもなるやつです、を押して出張にいき、バカみたいに痛み止め飲みすぎて胃潰瘍になったのはまた別の機会にでも)
↓
レントロールの精査&BM見積もりからの収支計画策定→提示
↓
いろいろあるけど書かないのでぶっ飛ばし
↓
祝♡契約
*******************
長えなオイ笑
さらっと書いていますが、ダイレクトメールで一番最初&最重要なのは「どうやって開封してもらうか」なんですよ。
つまり「これを開封して、レターとチラシに目を通して『電話してみよかな』と思ってくれるお客様」を限りなく具体的に想像して、その人に「まっすぐ」届ける必要があるわけです。
「具体的に想像できるかどうか」が全て
どんなポストで、
郵便局の方がどう配達するか、
ポストの中でその郵送物がどういう存在感を放つか、
それを手に取ったときにどこを見るか、
眼の前の「エントランスにあるゴミ箱」に突っ込むか、それとも家に持って上がるかの逡巡する気持ちに至るまで想像するんです。
そうすると、DMの体裁も内容も自ずと決まってきます。
私は、自分が「コレしかねえ!」というレベルまで作りこんで発送したDMに社内からいろんなツッコミを頂きましたが「絶対にこれで反響取ります、成約します」と言い切って押し切りました。
※校正にだけ目を通してあとは自由にさせてくれた元上司には感謝しかありません。
具体的に想像しまくると、ターゲットは自ずと絞られて件数も少なくなるから、大量アプローチしたい人には不安になるかもしれませんが、アプローチにかかるコスト(金銭的にも時間的にも)が下がるので、今もゼロベースのアプローチが必要な営業にはこの考えで取り組んでいます。
というわけで、「一体どんなDM送ったんだよ!!!」と思ってくださる方がいらっしゃるかいらっしゃらないかはわかりませんが、長くなりましたので今回はここまで。
いやー、3,500字超えまでいってしまった(汗)。
なるはや更新しよ…
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