ベビーライフ事件からみる支援事業の落とし穴
はじめに
私は子供時代の殆どを児童養護施設、児童福祉施設で育ちました。環境の悪い施設が多く施設内虐待もありました。
子供時代をふりかえると、この事件がとても気になって仕方がない。
元々大家族でしたが親の虐待で保護。その後、上の姉や兄とは面会出来ましたが、下の弟達とは連絡が取れない。連絡とる術もない。現在に至っては、両親も兄弟もどこにいるのかも分からない。
なぜ、保護という名で家族がバラバラに解体されてしまうのか?
ベビーライフ事件に限らず、この「家族解体」は日本の福祉の落とし穴です。(意図的な部分も多々あり)
私は、様々な虐待イベントなるものに参加してきました。時に観客席で、時に壇上に立ちスピーチもしました。
下記にリンクも貼りましたが「新しい社会的養育ビジョン」関連のイベントに参加したことがあります。
日本財団のスタッフが 児童養護施設の関係者に対して、抵抗勢力 と大きな声で叫んでいるのを見ました。
なぜ、親と暮らせない子供を養育する施設が「抵抗勢力」になるのでしょうか?
自分達の利権獲得の為には、邪魔と言うことか?
一般的には、児童養護施設が「抵抗勢力」この様な言葉、発想は出ないと思うのです。
社会的養護の子供達は、大人の金儲けの道具ではありません。家庭で育つ子供達と同じように、大切に育てられるべき存在です。
そして、まだはっきりしたことがわからずデータも少ない分野もあり、虐待への正しい情報も揃っていないのに、なぜ相談事業ばかりに予算がつくのでしょうか。
乳幼児の虐待死の防止策を考える上では、まずはデータ収集をし、基本的なベースを作り、長期予後を調査する必要があります。日本では、調査すらしていない。重要なデータは海外からのものばかりです。
日本国内での虐待のデータも少ないのに、なぜ相談事業や対策を語れるのでしょうか?
なぜ、日本が虐待先進国だと言い切れるのでしょうか?
素人の支援団体によりも、これらの調査にこそ予算をかけるべきだと私は思います。
国の虐待防止対策としては、多々ありますが、この様なものばかりです。
・NPOなどの民間の支援団体に相談
・各家庭に保健師を派遣
・精神科医や臨床心理士などをはじめとするこころの専門家に相談
・当事者で集まるお話会の開催
・育児に悩む親を精神科につなげ、カウンセリングや投薬治療を行う
・患者家族から集めた育児体験談をネットで公開
正しい情報が少なく、個々により様々な背景があり、まだよく分からない課題も多いのに、支援団体が相談を受け、何を答えるんですか?自分の思い込みを「答え」とするのでしょうか。
全てを「虐待の後遺症」「負の連鎖」と結びつけるのですか?
子育ての悩みや体験談の共有で心が軽くなるお母さんがいるのならば、それはそれで良いと思いますが、その様な場所に出向き、他人に相談できるお母さんは、そもそも壮絶な虐待を子供にはしない選択が取れる方だと思います。
相談に出向かない、行かないご両親程支援の手が必要なはずです。
ただ、その様なケースの場合、頑なに他人を拒み、親が他者の接触を阻止しようとします。時には、支援員が身の危険を感じる程でしょう。
実際、我が家もそうでした。
相談員が来ると、父親は刃物をチラつかせ怒鳴りまくる。母親は酔っ払って暴言を吐き、時に胸ぐらを掴み暴行。
その状態が数年続き、私達兄弟の未就学児のみの保護は何度かありましたが、姉や兄は放置されたままでした。その後、父親が児童相談所に怒鳴り込み子供達を強制連行。最終的に1番下の弟が死亡し両親が逮捕。
この様な家庭は、誰もが他人には相談しません。そして、社会からはあの家はおかしいと孤立していきます。保健師など来てもキ○○イの前では無力なのです。
頭を軽く叩く、強い言葉で注意をすることが、虐待と定義されてしまうと、子供の虐待死は防げなくなります。その程度なら子供な死ぬことはないと、思ってしまうからです。
実際、私の両親のようなキ○○イを相手にするよりも、相談事業の方が支援団体は楽でしょう。
この前置きを前提に、ベビーライフ事件を読み進めて頂きたいです。
ベビーライフ事件とは?
東京都の民間の養子縁組あっせん機関「ベビーライフ」が2020年7月に突然、事業を停止。篠塚康智元代表理事が事件前の2017年2月10日 13:30に、産経新聞の記事の中でこのように語っている。
なぜ、多くの国が認めていない「赤ちゃんポスト」を推し進めようとしたのか?
この流れについては、下記のまとめをお読み下さい。
【独自】日本から海外へ養子、9年で336人…政府は把握しておらず
2021/03/24 10:41讀賣新聞
メール1本で途絶えた連絡 養子縁組あっせん事業者が残した難題2021/3/18 13:00(最終更新 3/18 20:37)毎日新聞
【独自】事業停止「ベビーライフ」、養子あっせん前の乳児6人を無届けで産院預ける
2021/04/20 06:13讀賣新聞
【独自】ベビーライフ、海外養親から計2億円受領…国内あっせんより高額化
2021/04/21 06:30
子供1人あたりの手数料が、1件あたりでは13年度約254万円、14年度約282万円、15年度約326万円と年々高額化していた。
これ、なぜなんでしょうね?
手数料がなぜこんなにも高額なんですか?
フローレンスの手数料も高額ですが、なぜ?
ベビーライフ事件をまとめると、東京都の民間の養子縁組あっせん機関「ベビーライフ」が2020年7月に突然、事業を停止。
東京都によると、同団体が2012年~2018年度にあっせんした約300人の子どものうち、半数を超える養親が外国籍であったことが分かりました。
当時のベビーライフの公式サイトや東京都の発表によると、当事者の住所や電話番号、メールアドレス等の連絡先、生みの親の写真など、約四百件の資料の一部が所管する東京都に引き継がれたものの、相談に関する詳細な記録は「クラウドサーバーの契約が終了し、サーバー上から消去されました」となっていました。
東京都は、一般社団法人ベビーライフの代表篠塚康智氏と連絡が取れなくなったことで、ベビーライフを介して養子縁組を実行した養親・養子は、実親と接触することができなくなる可能性があった。
特別養子縁組あっせん児童保護法第3条
↓
「民間あっせん機関による養子縁組のあっせんは、可能な限り日本国内において児童が養育されることとなるよう行われなければならない」と定められています。
海外籍の親との養子縁組を禁止する法的規制はありません。
「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」21条
↓
「児童がその出身国内において里親もしくは養家に託されまたは適切な方法で監護を受けることができない場合には、これに代わる児童の監護の手段として国際的な養子縁組を考慮することができる」と認めています。
そのため、海外籍の養親から受け入れの希望があれば、国際養子縁組を進めることができます。
ただし「法の適用に関する通則法」第31条では「養子縁組は縁組当時の養親となるべき者の本国法による」ことが原則とされ、「養子となるべき者の本国法によればその者もしくは第三者の承諾もしくは同意または公の機関の許可その他の処分が必要であるときは、その要件も備えなければならない」と規定されており、日本国籍の子を外国籍の親の養子とするためには、養親の国の法律による手続きのほか、日本法(民法)所定の手続きが必要となるのです。
各報道によると、ベビーライフがあっせんした海外の受け入れ先は、カナダやアメリカが多かったようですが、真実は不明。
もともと、日本よりも欧米諸国では、富裕層や社会的地位のある者が社会福祉活動の一環として積極的に養子を受け入れる文化がありますので、日本国内よりも養親希望者が多く、受け入れ先が探しやすかった可能性も考えられます。
ただ、国際養子縁組には、「人身売買となる可能性」や「文化や言葉の違いをケアできるか」など、難しさも数多く指摘されていますので、日本では、表立っては積極的な養子縁組はされていませんでした。
児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」の第7条に、「できる限りその父母を知る」権利があると定められており、養子縁組をした子どもには「出自について知る権利」があります。
将来、「自分がどのように生まれたのか」「生みの親は誰か」などを知りたい場合に、その記録などを知ることができない可能性がある点が大きな問題です。
その後、東京都は代表の篠崎氏へ手紙を数度送ったと語るが連絡がないとその後の対応の続報はない。
■民間養子縁組あっせん機関の文書引継ぎの状況|東京都 (tokyo.lg.jp)
その後、小池百合子氏は、この問題を解決しないまま赤ちゃんポストの設置を進めました。なぜ、母親が匿名の赤ちゃんポストが重要な取り組みなのでしょうか?
母親が赤ちゃんポストに入れなくても良いように、乳児院があるではないか。
なぜ、児童相談所や家庭相談センターに相談することを周知しないのでしょうか?
なぜ、素人の支援団体の相談事業ばかりを拡大するのか。私には、利権としか思えないのですが…
■2022/11/22 17:28
赤ちゃんポスト「重要な取り組み」 小池知事に理解求める
【証言】ベビーライフ突然の廃業何があった?元スタッフ語る養子縁組の現場
子ども中野円佳 [ジャーナリスト]
Apr. 06, 2021, 06:30 AM
山田太郎議員の発言
2021/05/20
2023/05/01
2023/05/10
2023/05/10
2022/11/22
2023/01/18
2021/03/23 05:00
【独自】養子あっせん300人の半数超、養親が外国籍…「原則国内」反故で多数の子供が海外へ
結果的に見れば、山田太郎議員もベビーライフ事件の解決向けて動いていたのではなく、子ども家庭庁の新設へ向けたネタとして使いたかったかのようにも見えてしまいます。
なぜ、ここまでの問題が放置され続けているのでしょうか?通常ならば、再発防止が先でしょう。
なぜ、小池百合子都知事はベビーライフ事件の問題解決をせずに、赤ちゃんポストを推し進めるのでしょうか。これ異常な事態ですよ。
浜田議員がこの様なツイートをされました。
「ベビーライフ事件」について詳しく知らない方も多いようですので、この事件に至る前の流れをまとめて行こうと思います。
児童福祉法改正までのまとめ
小池百合子都知事は、2016年9月よりNPO法人設立等に係る認証審査期間の短縮化に力を入れていました。
toseikaikaku.metro.tokyo.lg.jp/kaigi02/jirits…
「生活文化局 自律改革について」
生活文化局2016/09/29
↓
toseikaikaku.metro.tokyo.lg.jp/kaigi05/jirits…
「各局の自律改革について」2016/12/22
↓
【NPO法人設立等に係る認証審査期間の短縮化】
認証審査期間を4か月から2か月程度に短縮しました。
なぜ、活動家達の意見が通ってしまうのでしょうか?私達国民は、議員に投票しているのであって、活動家を選んでいないんですよ。
議員の方々は、自分達の利権ばかりに夢中の活動家のイチャモン意見に負けず、慎重に審議し跳ね返して欲しいものです。
「日本こども縁組協会」
ベビーライフは、日本こども縁組協会に参加していた団体です。
日本こども縁組協会の事務局は、駒崎弘樹氏のフローレンス内に置かれていました。
日本こども縁組協会
・「一般社団法人アクロスジャパン」→妊娠相談と特別養子縁組の支援を行う団体。
・「一般社団法人ベビーライフ」
・「NPO法人環の会」
フローレンスはこれらの団体と「日本こども縁組協会」を設立しています。
アドバイザリーボード
小澤 いぶき 児童精神科医
小田川 綾音 弁護士
小野寺 朝可 弁護士
白河 桃子 ジャーナリスト
慎 泰俊 NPO法人Living in Peace理事長
宋 美玄 産婦人科医
堀 潤 NPO法人「8bitNews」代表
松本 亜樹子 NPO法人 Fine理事長
渡部 幸治 ㈱ワタベアンドカンパニー代表取締役
こども@ホーム推進委員会
こども@ホーム推進委員会
代表:上田令子
事務局長:おときた駿
参加メンバーには、おときた駿氏の奥様の三次ゆりかさんもいらっしゃいます。
change.orgにて署名開始
開始日:2016年3月1日
厚生労働大臣 塩崎恭久 殿: すべての子どもがあたたかい家庭で育つ社会へ!児童福祉法の「抜本的」改正を応援しよう!
赤ちゃん養子縁組の先駆的団体
「NPO法人CAPNA」代表:萬屋 育子
日本こども縁組協会の立ち上げ人の1人である。、
※フローレンスも、赤ちゃん縁組に早期から携わっています。
■CAPNA の Twitter アカウントのフォロー欄
日本財団
奥田知志
若草プロジェクト
Spring
若草プロジェクトの「オンラインアウトリーチアカウント」
日本フィランソロピー
セーブ・ザ・チルドレン
山本昌子
上田令子
【概要】
日時:2013年5月24日(金)10:00~17:00
場所:日本財団ビル2階会議室(東京都港区赤坂1-2-2)
主催:日本財団
共催:公益社団法人 誕生学協会
後援:厚生労働省(依頼中)
協力:認定NPO法人フローレンス、NPO法人タイガーマスク基金、認定NPO法人CAPNA、(一社)アクロスジャパン、医療法人聖粒会 慈恵病院、Stand for Mothers、NPO法人Fine
定員:200名
参加費:無料
プログラム:
総合司会 大葉ナナコ(公益社団法人誕生学協会 代表理事)
10:00~10:15 開会挨拶 尾形武寿(日本財団 理事長)
10:15~10:45 プレゼンテーション「すべての赤ちゃんが愛情深く育てられるために」
パネルディスカッション
赤ちゃんの福祉と特別養子縁組
コーディネーター 駒崎弘樹 (認定NPO法人フローレンス代表理事)
パネリスト
・萬屋育子 (愛知教育大学教職大学院特任教授・元愛知県刈谷児童相談所所長)
・大羽賀秀夫 (一般社団法人 命をつなぐゆりかご代表理事)
・安藤哲也 (NPO法人タイガーマスク基金 代表理事)
・綾賢治 (厚生労働省 家庭福祉課課長補佐)
・後藤啓二(弁護士、シンクキッズ代表理事)
2017/01/24 ニッポン教育応援団 シンポジウム『日本の未来を支える子どもたちの教育格差をなくそう』
大葉ナナコ氏のFacebook
2014/03/25
日本財団『「特別養子縁組」との出会いから促進キャンペーンへ』
まとめ
2020年7月にベビーライフが突然廃業。
その数年前に、日本財団主導で様々な支援団体や有識者、議員達がゴリ押しで進めた「特別養子縁組」事業。
ここまで、見て頂けたら分かると思いますが、日本財団が出資、活動家や支援団体がゴリ押しの政策提言、上手くいかなければマスメディアを巻き込み炎上騒ぎ。
この炎上バズらせ問題については、こちらの記事を参照下さい。
この様なムーブメントで、社会的養護の子供達の人生を、深く考えている大人がどれだけいたでしょうか。
私には、おもちゃのように利権獲得の為に扱われているようにしか見えません。
実際に、私が高校生の時には様々な支援団体から声がかかっていました。
各団体の講演会や勉強会で、私の体験を話せと言われたり、選挙前に議員から声がかかることもありました。
その度に、施設内虐待について相談しましたが、「つらいね、大変だね」いつも返答は同じ。
NHKのテレビ取材では、子供達を泣かせる為に、職員が3歳児を足で蹴っても止めない。
私の映像も残っていると思いますが、1人で遊んでいる姿を映し「可哀想な子供」とテロップ。
子供達の為?
自分達の利権の為なのではないですか?
ベビーライフ事件は、まさしくこの様な作られたムーブメントをゴリ押しした結果だと私は思います。
米国では、養子縁組による子供達の悲劇も大問題となっています。
子供達の為と言うならば、ベビーライフ事件の二の舞にならぬよう、慎重な議論をすべきです。
私達、社会的養護の子供達や出身者は、支援団体の為に生きている訳でありません。
そして、なぜ、いつものメンツが毎回この様なムーブメントを起こし、ゴリ押しで法案が通せてしまうのか?
私達国民も情に流されるのではなく、なぜこの様な事態を招いてしまうのか?に注目して欲しいと願います。
【おまけ】マンガ燃やしの誕生学協会の大葉ナナコ氏の主張
東京都青少年問題協議会の席上で、この様な発言をする方が有識者として出席し発言していました。これらは、ラディカルフェミニストの間では今も尚受け継がれているようですね。
メディアと活動家の繋がり等まとめました。ご興味のある方はこちらのリンク集をご覧下さい。
薔薇棘勉強会リンク集
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