クリスマス・キャロルと義経千本桜

おはようございます。今日は2022年12月17日の土曜日、クリスマスまであと八夜です。はやい。
アープラのアドベントカレンダーも半分を折り返しました。この時間経過が早いと思うのは新しい経験による刺激がないからだというのをどこかで知り完全に納得してしまってから、早いな~と思うたびに切なくなったりしてしまう。やめよっかこの話。

さっそく12月17日をフックに12月17日の話をしていこう。
12月17日といえばなんだろう?
そう、イングランドの誇る小説家チャールズ・ディケンズの作品『クリスマス・キャロル』の刊行日

じゃないんだよな~~~~~~

ヴィクトリア朝の大家ディケンズの『クリスマス・キャロル』は1843年12月19日、クリスマスの一週間前に刊行され、実は今日はそのことにかけて色々書こ~~と思っていた私なので資料を調べ直した途端憶え間違いが発覚してしまった悲しき化け物~~~~~!
とは言えディズニーの映画版しか見たことがなかったので、小説版を読むきっかけになってよかったと思う。映画もだいぶ前に観たきりだったのでストーリーは憶えていても登場人物の名前はきれいサッパリ忘れていたし……。
そして一人夜中に君の名は。が開催された。そうだ……君の名前は……スクルージおじさん……!

17日は自分が知っている範囲だと『テムズ河の人々』の作者ペネロピ・フィッツジェラルドのお誕生日、そして大坂の竹本座で人形浄瑠璃『義経千本桜』の初演があった日らしいということ。
言わずと知れた文楽の名作だけど、初公演がいつであったかは考えたことがなかった。というか千本桜と言うくらいなので勝手に初春くらいだと思ってた。ド冬なんだ……。
エアプの時から既にいかついイメージで、実際この義経千本桜を観ることになった時も段(小説で言う章)の名を見てやっぱいかついな……と思いながら全体をさら~っと流し読みしていたら、ある段で目が止まる。

初段「大序 仙洞御所の段」「北嵯峨の段」「堀川御所の段」
二段目「伏見稲荷の段」「渡海屋・大物浦の段」
三段目「椎の木の段」「小金吾討死の段」「すしやの段」
四段目「道行初音旅」「蔵王堂の段」「川連法眼館の段」
五段目「吉野山の段」

え? と思って流してた目を戻して確認した。いやいやまさかね……そんなね……と何に対してか保険をかける気持ちで。

三段目「椎の木の段」「小金吾討死の段」「すしやの段」

なんかかわいいのいる~~~~~~~!!!!!
初め、なん言うとるかわからんは……の中にはっきり脳が聞いた「すしやの段」のかよわさ、いとけなさ、そして字面のかわいさ。いかつい漢字の連打がコンテナの波みたいに押し寄せる中で見つけた「すしや」は光を放っていた。誰もドーベルマンの群れの中に野生を忘れたハムスターを見つけるとは思わないでしょ。ドーベルマン見るか……と身構えていたら中に一匹だけもっちり溶けたハムスターがいたら誰だって沸き立つでしょ。そういうことです。
その時間違いなく、「小金吾討死の段」と四段目の「道行初音旅」に挟まれて震える「すしやの段」が見えた。すしの幼体が震えていた。かわいい。「すしやの段」これは明らかに寿司じゃんと誰もが内心、絶対違うんだろうなと諦めつつ可能性を見出さずにはいられない中、私も誰にも聞けない気持ちとハムスターが可愛いという事を誰かに伝えたい気持ちを持て余しつつ見ていたら、なんと、ちゃんと、「すしやの段」は寿司だった。今の色んな種類のお寿司!(パーティのおと)ではなくて発酵させる原種のすし属なれ寿司科すし亜目のおすし(ぶんらくのおと)、だった。舞台にお鮨屋さんが出てくるからすしやの段なんですね~~~。と心のなかでムツゴロウさんが言っていた。
そうして『義経千本桜』で一番印象深いのが「すしやの段」になってしまって以来、未だに更新できないまま今年ももう終わろうとしているの段なワケ。
この『義経千本桜』に存在する獅子身中ならぬドーベルマン身中のハムスターを誰にも共有できず幾年を過ごし、『義経千本桜』の文字を見る度に、え……すし……? ってなった人がどれくらいいるんだろう、と思いを馳せてばかりいた。
アドベントカレンダーがきっかけになりようやくこの概念を表出することができて、数年抱えていた荷物を降ろせたようでなんだか嬉しい。
そして今なにより強く思うのは
寿司食いてえ~~~~~~~~~!

――流れ出すイントロ――
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空腹の時に書くとこうやって知能が全て消えていくんだよ。
クリスマスにはお寿司食べませんか? 私は食べんけど。

アープラアドベントカレンダーはまだまだ続きます。お楽しみに!
https://adventar.org/calendars/8048


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