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私的「飲み会解禁基準」を考える

人と会って飲む機会がめっきり減ってしまい、それにも慣れてしまった今日この頃。気が付くと、いわゆる「まん防」も解除されたし、世の中でも、割と普通に「飲み会」が行われているような気配である。
久しぶりに行ってみるか!という気分にもなるが、政府が「よし」と言ったからというのも何だし、みんなが行っているからというのも、もっと何である。
そこで、私的「飲み会解禁基準」なるものを考えて(計算して)みることにした。


あたり前だが、自分で納得するための計算なので、鵜呑みにはしないで頂きたい。あー、そんな考えもあるね、くらいで笑ってもらえれば幸いである。


以下、もし対面で会食を行った場合に、一回あたりどれくらいの可能性で死に至るかを推定して、他の事故などの可能性と比較してみたい。おおよその計算はこんな感じだろうか。

死亡確率=感染者と向き合ったときの感染確率×会食者の中に感染者が存在する確率×感染による死亡率×リスクファクター

感染者と向き合ったときの感染確率

理研がスーパーコンピューター富岳を使って計算したところ、1メートル以内でマスクなし15分の会話で感染確率は60%とのこと。会食をしながら頻繁にマスクを着け外しをすることは難しいから、感染者と一緒に2時間程度会食すれば、ほぼ確実に感染すると思われる。
「マスクなし15分間の会話で感染確率は60%」──理研、富岳でオミクロン株の感染リスクをシミュレーション(1/2 ページ) - ITmedia NEWS

感染者の存在確率

ややデータは古いが、一般の人に対して、唾液PCR検査を実施し、陽性率を調べた調査がある。これによると陽性率と、新規感染者数の間には、極めて高い相関があり、新規感染者数から、全体の陽性率を推定できそうである。
唾液PCRによる一般人口のCOVID-19モニタリング検査の意義(1) | COVID-19有識者会議 (covid19-jma-medical-expert-meeting.jp)

X(全国の新規感染者数)、Y(市中の陽性率:パーセンテージ)として、以下の式が示されている。
Y = 5.45 * 10のマイナス61乗+0.0112

唾液PCRによる一般人口のCOVID-19モニタリング検査の意義(1) | COVID-19有識者会議 (covid19-jma-medical-expert-meeting.jp)

2022年4月13日時点で、全国の新規感染者数は、57758であるから、市中の陽性率は0.3%程度と推定される。だとすると、もし4人で会食したときには1.2%程度、5人で会食したときには1.5%、6人で会食したときには1.8%くらいの確率で、誰かが陽性という可能性がある。

感染による死亡率

下記記事によると、オミクロン株による致死率は、0.13%程度とのことである。
オミクロン感染の致死率は「インフルより高い」0・13%程度…厚労省助言機関 : 医療・健康 : ニュース : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

また、基礎疾患がある場合は、死亡率は5.6倍に上昇するとされている。自分自身が、肥満気味などを考慮すると、この程度の死亡リスクの上昇がみられてもおかしくないと思われる。
【新型コロナ】年齢や基礎疾患による死亡リスクが判明 基礎疾患があると死亡率は5.6倍に上昇 慢性腎臓病は14% | ニュース | 保健指導リソースガイド (tokuteikenshin-hokensidou.jp)

全国感染者5万人規模で、6人の飲み会をしたら、0.013%の確率で死亡

感染者と向き合ったときの感染確率(100%)×感染者がいる確率(1.8%)×死亡率(0.13%)×リスクファクター(5.6倍)として計算すると、約0.013%となる。1万回に1回くらいは死ぬわけである。
さて、これが高いのか、低いのか。飲み会にしては意外に高い気もしなくはないが、毎日飲んでも、30年に1回なので、ほとんど考慮に値しない数字なのか…

航空機事故の150倍危険?

東京海上日動リスクコンサルティング株式会社による『航空機・列車における重大事故リスクへの対応(リスクマネジメント最前線)』という記事によると、西側製(ボーイング、エアバス、エンブラエル)の機体の場合、飛行度数100万回あたりの全損事故発生率を0.83回としている。0.000083%である。
Microsoft Word - RM最前線2014-2.docx (tokiorisk.co.jp)

全損事故が、主な死亡事故をカバーしているとすると、0.013 ÷ 0.000083 = 156.62 で、新規感染者数が5万人規模の段階では、1回の飲み会は、1回の飛行機搭乗の150倍は危険である、といえるかもしれない。

同記事によると、航空機の安全性を決定づけるのは、機体の製造国と運航区域という話で、機体が東側性(ツポレフなど)の場合、全損事故発生率は約14倍にはねあがるという。また、アフリカ、ロシア・CIS諸国では、同じ西側の機体を使っていても、北米・北東アジア・欧州では100万回あたり1以下なのに、アフリカ・ロシア・CIS諸国では6以上の数値を記録することがあるという。欧米や北東アジア以外で航空機に搭乗するのは、欧米や北東アジアに比べて、ざっくりと10倍くらいは危険なのかもしれないが、それでも平気で遊びには行くので、このあたり(西側の飛行機の10倍危険=0.00083%)が基準値かもしれない。

全国新規感染者5000人レベルが解禁値?

ちょっと表にして検討してみると、全国の感染者数が5000人を切ってくると、数人で長時間会食したと仮定しても、死亡率は0.00083%を下回ってくる。

東京の人口が大雑把に10分の1だとすると、東京都の新規感染者数で500人/日のレベルで、2021年の9月以降年末まで、といったあたりの水準である。

その他の考慮事項
ここまでの考察は、自分のことしか考えていない。小さな行動が積み重なって、大きな感染の広がりをもたらすので、少なくとも「上昇トレンドに入ったと判断したら控える」ことは必要と思われる。

結論

私的飲み会解禁基準は、東京都で新規感染者数が500人程度以下であり、上昇トレンドにないこと、となった。ずいぶん適当なので、もちろん、事の軽重に応じてバーは適当に上げ下げすると思う。


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