わたしが試されるとき
持病の関係で、半年に一度、眼科で検診を受けている。視力、視野、色相、眼底、眼圧、ひと通りの検査がある。
中でも、視野検査が苦手だ。
この検査、体験がある方もいると思うが、ざっと説明をすると、機器の中をのぞきこんで、1点をみつめて眼球を動かさないようにする。中が光ったら、手元のボタンを押す。という検査だ。
カチカチとリズミカルにボタンを押している間は気持ちがいい。
が、そのリズムがやけに続いていると、「まてよ?」という気になる。リズムに乗って、光っていないときも、うっかりボタンを押してしまうかもしれない。
この安定したリズムの継続は罠かもしれないので、油断ならない。
集中力や注意深さが試されるというわけだ。
次の光が出るまでの間隔が長いときも要注意だ。本当は光っているかもしれないのに、見逃している光があるのではないか。その可能性に不安をおぼえる。
そろそろ光ってもいいのではないか。ここらで、1回くらいボタンを押しておいてもいいのではないか。万が一、光っていないのにボタンを押してしまったとして、1回のミスくらいどうってことないだろう。
いやいや、仮に光っていたとしても、自分に見えていないのなら、それが私の検査結果、ということになる。
これは、視野検査と見せかけて、正直さや真面目さを試すテストなのではないだろうか?
などと考えながら、1点を見つめて光るのを確認し続ける、というのはなかなかエネルギーのいることで、この検査が終わったあとは、いつもぐったりしてしまう。