第一回神ひな川小説大賞 序盤ピックアップ六選
みなさん進捗いかがですか? どうも、神崎ひなたです。
第一回神ひな川小説大賞、企画開始から約1週間が経ちました。現時点で34作品のご参加をいただいております。序盤からかなりのハイペースで参加していただいておりまして、主催としては嬉しい限りです。
またありがたいことに、投稿作品を読んで感想を投稿している方もいらっしゃいます。そちらもぜひ参考にしつつ、お気に入りの作品を見つけてもらえたら嬉しいです。
というわけで、この1週間で投稿された作品の中から、個人的に「おっ」と唸った作品、そしてもっと読まれてほしいと感じた6つの作品をご紹介したいと思います。今回対象となるのは、8/21~8/28の間に投稿され、かつ完結済みになっていた作品です。
これはあくまで主催の独断で選ばれたものですから、必ずしも受賞や大賞の選考に影響するわけではありません。期間はまだまだありますし、謎の評議員は全員で3人いますからね。
それではさっそく発表いたします! ドン!
男性同士の関係が描かれたお話。ぼくはいわゆるBLというジャンルに造詣が深くありませんが、それを抜きにしてもこのお話は非常にいいなぁと感じました。というのも、登場人物の息苦しさ、緊張感、不安がひしひしと伝わってくる筆致が素晴らしくて、とくに言外の内に主人公の心情を語るのが非常に上手だと感じました。色やアイテムを用いたお話の展開も上手で、とても読みごたえがありました。まさにハッピーエンドというお題に真っすぐ向き合って描かれた作品といえましょう。
「呪われた脳みそ」というタイトルがバッチリ決まっている作品。こちらも非常に面白かったです。とくに情景描写は、まるでいま目の前にその光景が広がっているかと思わせるほど鮮明に描かれおり素晴らしかったです。また注意深く選び抜かれた「とける」という言葉の使い方も印象的で、そうして描かれる心情、物語との一体感は、一読者としてただ圧倒されるばかりでした。幸福な思い出を胸に寄り添いあう二人の姿は、確かにハッピーエンドとしてひとつの結末を真摯に、そして優しく描きっていたと、強い説得力を伴って訴えかけてくる作品でした。
生活感を感じさせる描写や、説得力のある心情風景を描くだけでなく、短編小説におけるメソッドをしっかり押さえているため小説として読みごたえがバチッと決まっています。とくに導入でインパクトのある文章を持ってくる点、前提をひっくり返してまた叩きつける、この二点を上手に使っていると感じました。ハッピーエンドというお題に対していまいち説得力が欠けると感じている方の参考になるのではないかな、と思いましたし、お話自体もぼくに強く刺さったので非常に好きだと感じたところです。
読んで思わず泣きました。講評を書いている時にも泣きましたし、いま思い出しただけでも泣きそうです。最後に交わすなんの変哲のないやり取りに、そっと背中を押すような優しさが、それ以外の言葉にならなかった心境が、ぐわっと詰め込まれていて、読後感に押しつぶされそうになりました。だからこそ、こんな風に二人が出会えたことはハッピーエンドなのだと、そう思わせる説得力が非常に強く、そして鮮烈な印象が残ったお話でした。
これだけ短いお話によくぞここまで……と思わせるほど詰め込まれたディティール、お話としての構成、タイトルの回収力、どれをとっても綿密に作りこまれていると感嘆せずにはいられない作品でした。そしてハッピーエンドというお題にもしっかりと説得力がある。もっと読まれてほしいと強く感じたお話です。
いわゆるSF風のお話。ぼくはこのジャンルにも決して造詣が深いとは言い難いのですが、お話の中で示されるハッピーエンドには思わず感嘆の息を漏らしました。思わずぼくも「はやくこの人たちのようになりたい」と思ってしまいました。読後感が初めて体験する類のもので、非常に新鮮に感じられて面白いなぁと感じました。
というわけで、主催の独断による序盤ピックアップ六選でした。
これから挑戦をしようと思っている方は、ぜひこれらの作品を参考にしつつ打倒するつもりで頑張ってほしいですし、二作目の投稿を考えている方も、引き続き頑張っていきましょう!
レギュレーションをしっかり読んで、ルールを守って楽しくデュエル!
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