📝 フィンランドのクリエーター１８人を取材して

フィンランドのテキスタイルメーカー Lapuan Kankurit は、今年創業５０年の節目を迎えます。高品質な天然素材から生まれるユニークなテキスタイルプロダクトは、日々の暮らしに自分らしいこだわりや心地よさを身に纏う楽しさを届けてくれます。

ー プロダクトの先にある景色を見てみたい。フィンランドをもっと知りたい。

２０１９年に国外で唯一の路面店「Lapuan Kankurit 表参道」が東京・表参道にオープンしたことで、その願いが叶えられることとなりました。

LAPUAN KANKURIT｜note

Lapuan Kankurit 表参道は実店舗以外にもオンラインショップやwebサイト、ソーシャルメディアなどを積極的に活用し、自社製品の最新情報からイベントのお知らせ、フィンランドの暮らしや人、文化などを紹介するコラムまで、幅広いラインナップで情報を発信しています。そして大変光栄なことに、私も去年の夏から「フィンランドのクリエーター図鑑」という連載コラムを月に１本、Lapuan Kankurit 表参道 の note に掲載させていただいています。

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with LAPUAN KANKURIT｜Ayana｜note

フィンランド語学習のあゆみ

フィンランド語を勉強しはじめてからずっと、フィンランド語で取材をして記事を書くことを目標にしていました。まだまだ自分には程遠い。レッスンを受けるたびに力不足を痛感し、そんな風に思っていたある日、ちょっと腕試しをするつもりでフィンランドの人たちにインタビューする企画に挑戦してみました。そしたら、わずかではありましたが、手応えを感じられたのです。この取材ではたくさん失敗をしましたが、一度でうまく跳べなかったら、何度でもやり直して、最終的に自分の納得できるフォームで着地することが経験になるのだと学びました。

Lapuan Kankurit 表参道 さんから、お仕事として書いてみませんか？とお声がけをいただいたのは、こうしたタイミングでした。

このお仕事で、私は「フィンランドのクリエーター図鑑」を企画しました。

眩しく映るフィンランドの暮らし。私はフィンランドで長く暮らしたことはありませんが、足繁く通っているうちに現地に知り合いが増え、仲が深まるにつれて彼らの等身大の暮らしに触れ、きらきらしいのは、生活している人の心掛けなのでは、と感じるようになりました。日々の生活を大切にする土台のようなものがあるからこそ、困難に立ち止まることがあっても、しなやかに人生の舵を切ることができるのでしょう。美しい作品に宿る、クリエーターたちのこころを記事にして紹介したいと思いました。

毎月１本を公開していただくスケジュールでしたが、実際のところ、ひと月に３本分のコラムを同時に展開していました。最も時間をかけるのがリサーチで、コラムで紹介したいクリエーターを見つけたら毎回、直接自分でインタビューを申し込みました。決して流暢とは言えないフィンランド語でのインタビュー取材を一体誰が引き受けてくれるのかと、最初の頃はドキドキしながら取材の相談をしていましたが、どなたもフレンドリーで、プロフェッショナル。あらゆる心配事はすべて杞憂に終わりました。クリエーターの皆さんが Lapuan Kankurit のブランドを信頼していることが、インタビューを引き受けてくださる動機に繋がったのだと思います。

来日なさったLapuan Kankurit オーナーのヤーナさんと記念撮影。

インタビューではプライベートな話題に触れることもあり、クリエーターの皆さんとはほとんどが初対面でしたので、土足で踏み込んで傷つけることがないように現地の新聞などのインタビューで読めるものには全て目を通しました。そのうえで、質問しないこと、記事には書かないことを決めて、全ての取材をオンラインで行いました。

そして、お互いのことを少しずつ知っていくなかで、私のキャリアや創造性に興味をもち、信じてくれたクリエーターの皆さんが、この１年で私を大きく成長させてくれました。だから今度、フィンランドに行ったら会いたい人、訪れたい場所がたくさんあります。

私たちのコラムが選択肢の一つとして、日頃からフィンランドのニュースにアンテナをはっている方々のお役に立てたらいいなと思います。

追記

昨年末、１年半にわたって駆け抜けたコラムの旅が最終回を迎えました。寂しさもありますが、同時に、国内外を自由に往来することができるようになった今がまたとない潮時なのだと感じます。

このコラムでは、「フィンランドの人たちは」と大きな主語で語るのではなく、「メルヴィさんは」「ヴィルピさんは」「エイヤさんは」「マイヤさんは」と、一人ひとりの人生や日常に注目することで、フィンランドの新たな一面やクリエーターの等身大の魅力に改めて気がつき、そうした発見を皆さんと共有できたことが本当に嬉しかったです。メディアが報じる「フィンランドの人たち」の中には、実際のところ、フィンランド語を母語としない人たちもいるし、その土地に馴染もうと懸命に努めている移民の人たちも少なからずいらっしゃるんじゃないかなと思います。

１８人のクリエーターが私の挑戦に力をかしてくださり、そのうちの何人かとは今でもご縁が続いています。そしてこの夏、クリエーターを訪ねる旅を計画しています。コロナ禍にオンラインで出会った皆さんと、今度は顔と顔をつきあわせておしゃべりできるのが今からとても楽しみです。ヒンメリストのエイヤさんとはコラムの仕事の前に知り合ったので、毎月オンラインで２年近く顔を合わせているのですが、今年の夏はライ麦畑の前でお互いをハグし合おうと話しています。

コラムの旅のお土産に似顔絵を描いてカードにしました。