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ファッションの歴史〈古代編④〉
おはようございます。
今回は前8世紀〜146年頃の古代ギリシャの服装史についてお話ししていきます。
ギリシャの美学とは
特徴的な服装3種
この2つの内容についてご説明致します。
ギリシャの美学とは
ギリシャの服地はエジプトのリネン(麻)と同様、巧妙な薄手の生地が好まれました。
体の線が透けて見える半透明のものです。
現代でいうと、レース、オーガンジー、ジョーゼットのような薄さを想像して頂けると分かりやすいかと思います。
ギリシャの人々は、こういった薄ものの美学を大切にしていました。
では、この薄もの素材の服装としての造形効果は何なのか。
それは不完全透明と不完全陰蔽の二重効果です。
本ではこの二重効果について以下のように説明されています。
完全な透明では裸の王様と同じで、服装としての意味をなしません。また完全に陰蔽した服装といっても、着用する人間が全く布地にかくされているわけではなく、顔とか手、足などと適当な露出部分もあるし、服と体形との関わり合いによって体形は服に暗示されています。そこに人間は視覚を優先させた想像力をさまざまに働かせ、エロティックなシンボル性を土台とする美しいという情感をその対象である人間にいだくことができるのです。
簡単にお話しします。
衣服によって自身の体の形をはっきり見せすぎない方がより魅力的に見える
なぜなら、相手の頭の中にある理想像と結びつきやすくなるから
ということです。
服を着るのにその深い心理まで探求できるギリシャの人達凄くないですか!
美意識の高さが滲み出ています。
意図的か無意識かは分かりませんが、衣服によってこういった心理操作をしていたと考えると、自分の中の美意識だけではなく相手にどう見られているのかも凄く意識しているように感じます。
服装を選ぶ上での大事な要素のひとつですね。
ただ、男女共に同じ服装形式であることから純粋に人間としての美しさの探求のみが存在していると言われています。
男性らしい、女性らしい美しさとはまた別物ということです。
特徴的な服装3種
ペプロス
クラシック期(前5-4世紀)の女性の代表的な服装のひとつです。
布地はウールがメインで、一枚の大きな方形の布を上端で外側に折り返し、縦に二つに折って間に体を入れ、両肩のところで留針で前後をとめたものです。
前460頃からは腰紐を使用しウエストを絞っていました。
素材がウールで重厚ですが開放的なムードがあります。
もともとペプロスはアルカイック期(前7-6世紀)にドーリア人によって着用されてきました。
最初はもっとスリムな円筒型の固いシルエットだったそうです。
イオニア式キトン
クラシック期に着用されたイオニア式キトンは、もともとリネンのチュニックという意味をもつ東方系の服装でした。
幅広のリネンを大きな円筒にし、中に体を入れて上端を何箇所も前後でとめます。
さらに上からウエストを紐で絞めることによって細やかなドレープが表面に構成されます。
繊細で優雅な美しさがアテネ風です。
ペプロスもイオニア式キトンもドレーパリーの変形ですが異なった美しさを感じます。
ヒマティオン
ギリシャの人々が着用していた外衣です。
基本的にはイオニア式キトンの上に着用します。
学者、芸術家、政治家などのアテネのエリートは、社会的な身分のシンボルとしてヒマティオンを肌に直接巻きつけていました。
ちなみに、今回は学者タイプを描いています。
最後に
ファッションの歴史のお話も準備編を含めやっと5回分書くことが出来ました。
まだ古代、、、道のりが長い!笑
ファッションの歴史に詳しい方はご存知かと思いますが、実は1900年代〜2000年代にかけてデザイナーズブランド中心に本当に様々な面白い服たちが誕生していきます。
それくらい社会がぐっと動いていく時期なんですね。
本の内容も6割〜7割くらいその年代のお話です。
さて、、、そこまで書けるのか?
となっております。笑
やはり服好きの方々はその年代の服に関してかなり詳しいんですよ。
youtubeで解説されている方もたくさんいらっしゃいます。
なので!その時私が発信した方がいいかもと思えたらやります!笑
1900年代前までの服装史についてはこちらで発信していきますのでこれからもよろしくお願い致します。
次回は前753頃〜395頃の古代ローマの服装史についてご説明します。
今回もご覧頂きありがとうございました!