[2021年]聴いたアルバム感想まとめ②(Creepy Nuts・超ときめき❤宣伝部・cinema staff)
どうも、僕です。
先日昨年に聴いたアルバムの感想記事を投稿しましたが、そのシリーズの第二弾です。引き続き主に過去の自分のツイートで触れた作品、そこで書いたものを再構成している内容です。
それでは。
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Creepy Nuts「Case」
(2021.9)
M1:「Lazy Boy」(好き度:☆☆☆☆☆)
M2:「バレる!」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆)
M3:「顔役」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)
M4:「俺より偉い奴」(好き度:☆☆☆☆☆☆)
M5:「風来」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆)
M6:「のびしろ」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)
M7:「デジタルタトゥー」(好き度:☆☆☆☆☆☆)
M8:「15才」(好き度:☆☆☆☆☆☆)
M9:「Bad Orangez」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆)
M10:「Who am I」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆)
M11:「土産話」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)
(総合:☆☆☆☆☆☆☆☆)
今やお茶の間の人気者、Creepy Nutsの新譜。
いつだったかタマフルの24時間TVの後夜祭に出てた頃はこんなんなっとるとは思わんかったよ。
梅田サイファー界隈も2015年付近から程々にチェックしててJapidiotのこの曲、荒削りながら良いなーと思いつつ(このユニットR指定居ないけど)こっちのメンバーもこんなビッグになるとは。(コマツヨシヒロ a.k.a. OSCAが一番好きです、ファーストテイク居なくて残念だった)
話を戻して「Case」、かなりの良盤でした。
過去曲で言う「よふかしのうた」「かつて天才だった俺たちへ」級のキラーチューンこそ無いかな、と思ったけどアルバムトータルではめちゃくちゃまとまってる良い作品だなーと。
正直ヒップホップガチ勢では無いのですが(ライムスターはめっちゃ聴いてます)、そんな自分のようなライトリスナーにも取っつきやすいというか。アルバムの構成がロックバンドのそれに近いのかもな、とも思いました。それがセルアウトと取られる要因の一つなのかもだけど。
ただトラックはゴリゴリに攻めてるしライミングもキレッキレ。それに加え「のびしろ」「Bad Orangez」のようなJ-POPリスナーにも優しい曲が良い順番で回ってくるように構成されており、日本語のラップの神髄かつ非常に間口の広い作品だと思いました。(M2「バレる!」はR-1の風評被害に合ってたけど普通に良い曲よね)
フルアルバムだけど全11曲で40分足らずでサラッと聴けるのも好印象。
個人的な楽曲の好みは攻め攻めのM3「顔役」が一番好きです。
作品を通しての印象は、「2人の今を切り取った私小説」かなと。
正直M1「Lazy Boy」は「はいはい売れた芸能人あるあるかよ、自虐風自慢ですか」と思ったけど、そんなリスナーの考えはお見通しとばかり、特にM8「15才」以降のリリックで誠実なアンサーを出してくるのが流石だなあと。正直しゃらくせぇな、と一聴して思った「Lazy Boy」が徐々に回収されていく構成はお見事。
現時点での彼らの立ち位置を自覚し、過去を踏まえた上で"ハッピーエンドのその先"を展望する「土産話」で締める。これはちゃんとアルバムの曲順で聴くべき。
言って「現況を歌う」ことについてはほぼテーマは終始一緒なのだけど、最初の数曲と後半の数曲のリリックでは解像度が全く違うというか。そのグラデーションこそがこの作品を形取っていると感じました。
そしてこの作品のリードがM6「のびしろ」なのも納得。
彼らの今のフェーズでちゃんと世に伝わりやすい楽曲を書いてなおかつ外さないという辺りが流石だなぁと。
自分は「Case」にDJ松永が尊敬するオードリー若林のエッセイ「ナナメの夕暮れ」的なものを重ね合わせていて。
売れた。スターになった。周りから色々言われた。その葛藤と閉塞感。そしてその先にある道。どちらかというと彼らの場合はまだ過程の「ナナメの夕暮れ(前夜)」なのかも知れないけど。
過去と今を踏まえ、自分達の歩む道、自分達の可能性を信じ「のびしろしかないわ」と高らかに宣言する事に確かな意味があるのだと感じました。この作品のリリックを通し、それは決して浮かれ気分ではない確かな彼らの「誇り」だと受け取りました。改めて楽曲、リリックともに彼らの最高傑作だと思います。
超ときめき❤宣伝部
「すきすきすきすきすきすきっ! 」
(2021.9)
M1:「すきっ! ~超ver~」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)
M3:「愛Song!」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)
M4:「ジャンケンポン」(好き度:☆☆☆☆☆☆)
M5:「超ステップアップ」(好き度:☆☆☆☆☆☆)
M6:「むてきのうた~2021ver~」(好き度:☆☆☆☆☆☆)
(総合:☆☆☆☆☆☆☆)
厳密にはこのアルバムちゃんとフルで聴いたの今年なんですけどね。最近とき宣の魅力に気が付いた人です。
もともと改名して超が付く前からこのグループ自体は知ってて、代表曲の「すきっ!」は聴いてたんですよね。毎年アイドル楽曲大賞で有名になったやつは一応メジャー・インディーズ問わずざっとチェックしてたりします。
ただ楽曲こそ良いとは思ってたものの、「コテコテの歌詞をいたいけな幼い女子が歌わされてる感」がなんかしんどくてそこまで追ってなかったんですよね。
で、昨年バズったタイミングでリブート版を聴いてみたらびっくり。
メンバーが年齢と経験を重ねたからなのか、楽曲の表現力が3年ちょいで爆上がりしてて聴いてて違和感(罪悪感とも言える)が全く無くなって完全にアイドルとして完成してた。歌もラップも超絶上手くなっとる。感動して昨年のベストソング記事でも「すきっ! ~超ver~」をTOP50に選定しました。
ただちゃんと他の曲を追ったのは今年に入ってからで。なんか再び同曲が聴きたくなって関連動画見漁ったり、たまたま聴いてたラジオで彼女達の別の曲が紹介されてたのきっかけで過去の音源含め色々聴きました。
で、このアルバムは冒頭3曲でもう勝ってますよね。
M1は勿論、M2の「ラヴなのっ」はサイサイの提供が完全にハマってる。最後のアホ転調重ねを乗りこなしてるのはお見事。
個人的にこのアルバムで推したいのはM3「愛Song!」。
ちょっと懐かしみもある王道ファンクポップなんだけどガールズラップとの親和性が抜群。
そして落ちサビからのラスサビ転調ハイトーン→怒涛のラップの畳みかけよ。BTSのButter聴いてる気分になったわ。
以降のM4~M6も良質なポップスで良い作品でした。この作品は過去曲のリブート含めたミニアルバムなので超名義でのフルアルバムも早く聴きたいですね。
他の彼女達の曲ではベタですが「トゥモロー最強説!!」これ死ぬほど良い曲ですね。何がすごいってパフォーマンスよ。この運動量で生歌のクオリティ維持して(この曲結構なレンジの広さだろ)笑顔でアイドルやってるトータルの完成度よ。もうこれアイドルという名のスポーツだろ…マジで今の日本のガールズグループでトップクラスの実力なんちゃうか…ってなりました。
メンバー全員、並みのグループに入ったら歌唱メンで扱われる感じしそうだけどセンターの赤の子がマジでレベチですね。ピンクの子も真っすぐな歌声で好きです。緑の子は歌い上げ系ではないけど安定感半端ないロリボイスタイプ。
(イメージカラー緑の子ってWUGといいダイアローグといいavexはそういうタイプの子を緑にあてがう風習でもあるのか)
ちなみに自分は一通り動画観て青の子推しです。単純にルックス好きです。この子だけ歌割少なくて台詞要因にされてる感あるけど。
新曲もすごい良かった。
cinema staff「海底より愛をこめて」
(2021.11)
M1:「海底」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆)
M2:「I melted into the Void」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆)
M3:「白夜」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆)
M4:「若者たち」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)
M5:「リバーシ」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆)
M6:「TOKYO DISCORDER」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)
M7:「動脈」(好き度:☆☆☆☆☆☆)
M8:「雨の日のヒストリア」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)
M9:「極夜」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)
M10:「storyflow」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆)
M11:「3.28」(好き度:☆☆☆☆☆☆)
M12:「はじまりの場所」(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)
(総合:☆☆☆☆☆☆☆☆☆)
これシネマ史上一、二を争う名盤なんじゃないか…?
なんなら昨年聴いたアルバムでもTOP5に入る出来だと思う。
良くも悪くも「great escape」のスマッシュヒット後、別のアニソンタイアップが付いてマス受けの楽曲をやったり、近年の無骨の極みのようなロックサウンドであったり、長年試行錯誤してた感が個人的に見受けられてたのだけど、ベスト出してキャリアに一区切りをつけてからの新譜。
上記の今まで辿ってきたサウンドに加え、インディ時代のどこか文学的な詞世界の要素を全て良いとこ取りしたようなまさにこのバンドの集大成のような作品でした。
冒頭リンク先の記事、髭男の「Editorial」もそうだけども単曲毎では星6/10の曲こそあるけどアルバム作品を通しての完成度は猛烈に高い。
小細工なし、結局真っすぐなロックがカッコいいんだと言わんばかり。
今の流行りに左右されず自分たちのバンドサウンドを突き進んでいくという決意表明のような気概を感じた名盤でした。
リードトラック「海底」をとにかく聴いて下さいという感じ。
そして、詞曲を担当しているメンバーの三島さんが実際に語っているのだけれども、詞世界が過去にタイアップした「進撃の巨人」を意識した楽曲が多い(なんと12曲中5曲)。
ただ、単に進撃のコンセプトアルバムになるのでなくシリアスなロックチューンのM1「海底」からラストの爽やかなサウンドが目立つM12「はじまりの場所」。これは元々今後の音楽の方向性に思案していた中コロナ禍が猛威を振るい、音楽活動が制限された現況(海底)から藻掻くように進み、光の指す地上(はじまりの場所)へ向かって行くというバンドのマインドが込められている。
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このアルバム、great escapeの時シネマ聴いてたよ、って人。もしくはとにかくストレートなロックバンドが聴きたいんだよ、って人に心からお勧めしたい作品。
自分的にcinema staffにはもう一度公式で進撃タイアップやってほしい。できれば「Name of Love」のようなバラードではなく真っすぐなロックチューンで。
以上、3作品触れて来ました。
下書き自体はそこそこあるので旧譜感想まとめ、ないしは今年聴いた新譜の感想記事を徐々に出していこうかなと思います。
それでは、また次の記事で。