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「otsumami」楽曲紹介(前編)~未定の歌姫が咲かすもう一つの花~
まえがき
おつかれさまです。
散々にこのnoteや紐づいているXアカウントにて騒いでるので既知の方も多いと存じますが、北海道を拠点に活動しているアイドルグループである
「タイトル未定」を好きになりました。
その理由は「歌と曲が良かったから」です。それ以上の説明は必要ないと思っているのでみなさんも聴けばいいと思います。
下記リンクはわたしの好き曲順に並べているリストとハマった理由をごちゃごちゃ書いてる記事まとめ(2つですが)なので宜しければ。
そんな素敵な音楽活動をしているグループのメンバーの一人、冨樫優花さんがmikan名義にて参加しているクリエイターユニットotsumamiによるワンマンライブが今年5月に開催されるとのことで。
東京は下北と言えど、キャパが広いとは言えない会場で現在販売されている最速先行チケットが抽選受付なのでそもそも当選するか(行けるか)自体が心配ではあるんですが。
当方関東住まいのため北海道を拠点にする彼女を観れる機会そうそうないから絶対行きたいんですよ。
でも公式さんが拡散してくれと言うので。
5月22日の初ワンマンライブ開催に向けて、各SNSや公式ホームページで随時情報を発信していきますので是非フォローをお願いします、またリポストなど情報拡散にご協力いただけると嬉しいです!
— otsumami (@otsumami_staff) February 11, 2025
まずはXのフォローからよろしくお願いします。(Staff) https://t.co/qC8kicBkHo
たしかにこんな素敵な歌をうたってくれる方が現況の知名度でとどまっている意味が全くわからないので拙文とともにバラしちゃいます。
あとotsumamiに触れているnote記事数も少ないし。
〇おすすめ冨樫優花さんコーナー
じゃあその冨樫さんってどんな子なの、どんな歌うたうの?な貴方にわたしのオススメを公式アカウントさんからひとつまみ。
・タイトル未定『蜃気楼』(LIVE MOVIE)
.
— タイトル未定 (@MiteiTitle) May 14, 2024
2024.05.20 (月)
タイトル未定 ワンマンライブ 東京
「TETRAPOD」まで
あと『6日‼️』
ZEPP DIVER CITY TOKYO
OPEN 18:00 / START 19:00
チケット発売中🎫https://t.co/BUDQ0ZQNmP
「蜃気楼(LIVE MOVIE)」公開。https://t.co/KMVmtgyz8z#タイトル未定 pic.twitter.com/L0X3OBNLqf
動画冒頭~中盤で映っている、黒髪ボブでウィスパーボイスが印象的な方が冨樫優花さんです。素敵上ハモをしている谷乃愛さんと動画後半伸びやかボーカルで王道かわいいしてるあべはなさんも素敵なんですがそれはまたの機会に。
・タイトル未定『灯火』冒頭ソロラップ
(ワンマンライブ北海道 「SPOTLIGHT」より)
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— タイトル未定 (@MiteiTitle) February 4, 2024
灯火ラップ👏
\
タイトル未定 ワンマンライブ北海道
「SPOTLIGHT」ハイライト①#タイトル未定 pic.twitter.com/vYG9zuNMOb
清楚かわいい系と思いきやラップの才能もあります。新規ファンかつこの楽曲を通常verでしか生で観ていないわたしにとってこの動画は「いやいやまて何ソレ、そんなことできるの」と雷に打たれたような衝撃でした。あーびっくりした。イントロのピアノリフへの繋ぎも素晴らしいしこれもっかいやってくれませんか。3月にfishbowlとやる対バン行くので。
以降はご本人のアカウントよりわたしのすきカバー音源を。
・太田裕美『木綿のハンカチーフ』
木綿のハンカチーフ#いい推しの日 pic.twitter.com/TdAX8bkGPX
— 冨樫優花 (@Title_Yuuka) November 4, 2021
・aiko『カブトムシ』
カブトムシ pic.twitter.com/TnWd97LlvS
— 冨樫優花 (@Title_Yuuka) August 2, 2021
otsumamiでは彼女による名曲カバーも配信されています。
(上記リンク2曲は収録されていません)
・RADWIMPS『セプテンバーさん』
セプテンバーさん pic.twitter.com/EaPnfyU2PC
— 冨樫優花 (@Title_Yuuka) September 29, 2021
冨樫さん、ギターも弾けるみたいです。
・松田聖子『SWEET MEMORIES』
SWEET MEMORIES pic.twitter.com/EGKilJedrk
— 冨樫優花 (@Title_Yuuka) July 16, 2023
と思ったらピアノも弾けるみたいです。弾きながら歌ってます。
・PUFFY『愛のしるし』
愛のしるし ♥️ pic.twitter.com/fXfipPhJhW
— 冨樫優花 (@Title_Yuuka) October 18, 2023
動いてます。かわいいです。生で観たいのでやっぱりnoteで宣伝するのやめようかと思いました。愛のしるし♡じゃないんだよ。
〇 otsumamiとは
公式サイトのバイオグラフィーがイラスト画とともに「otsumamiです。音楽をやっています。」の一文オンリーな中々にストロングスタイルな感じなので過去インタビュー記事とかを漁りました。
活動開始は2022年2月、これまで配信シングルとして20曲、同曲のインストミュージックが収録されたアルバムが2作、5曲入りのカバーミニアルバムが2作リリースされております。
ネットの海を漂う中で、上部リンクの記事がユニットについてかなり詳細に語られていました。
タイトル未定、48グループ、坂道シリーズなどへの曲提供でも知られている青葉紘季(aokado、A-NOTEなどの別名義でも活動)さん率いる”teamOUCA”が楽曲制作。また、全てのアートワークを福井伸実さんが担当。そこにフィーチャリング・ボーカルとして冨樫優花さんがmikan名義で加わった(2023年の6月まで、デビューから1年以上はボーカルが冨樫さんであることを明かさなかったみたいですが)クリエイターユニットが「otsumami」ということらしいです。ちなみに音楽チームはotsukuriというらしいです。
ユニット名の由来は、「“好きなことを好きな人と好きなように”そうやって出来た作品たちを好きになってくれた人が、好きなものを選んでつまんでいっていただければ」とのこと。
ここで語られている青葉さんの「分かりやすくて何が悪い!いいものはいい!と半ば開き直ってJ-POPの王道を突き進んでいます」「結局分かりやすいものが好きで、“痒いところに手が届く音楽”につい心を動かされてしまう」という所にわたしは共感しかなく、だから彼の楽曲に動かされてしまうんだなあと思いました。
別noteで取り上げている「坂道シリーズ」で好きな楽曲は彼が携わっているものが多いですし、タイトル未定を知ったきっかけの曲もこれまた青葉紘季ワークスである『花』。その青葉さんがメインで活動されるにあたりボーカルに迎えた冨樫さん(mikan)にわたしが惹かれたのは必然なのかもしれません。
楽曲紹介(前編)
というわけで、弊noteを普段から読んでるよ~な物好き読者さまにはおなじみのいつものやつです。全曲シングルレビューやります。
さすがにここまでだらだら書いて20曲全部やるのはしんどいものがあるので、公式で「第一章」とされる楽曲のうち6曲の感想をリリース順にざっと書いていきます。このエントリを書くにあたりはじめて聴いた曲がほとんどです。お手柔らかに。
『きみのものにだけ』(2022.2)
記念すべきデビュー曲。なんといきなり12ヵ月連続リリースとかしてたらしいです。
いや冨樫さん(a.k.a mikan)楽曲オンリーで言うとむしろこっちのがアイドルしてませんか?なかわいいミディアムバラード。2サビ終わりに恋愛模様真っ最中なポエトリーが入るのも印象的。「あれ?マジで社交辞令?」がマジ切れしててよいですね。
全体を通して「きみ」を純粋に想う感情がボーカルに乗っててきゅんきゅんです。ちゃんと読むとこの娘けっこう重いけど。
好きポイントは、Dメロ終わりの大サビ。1フレーズ歌ってからのピアノを挟んでキー上げ転調からの改めてサビ繰り返しです。(この鍵盤が布石になってるので転調に唐突感がない、直後のウィンドチャイムのキラキラサウンドと合わせて王道かつドラマティック展開ですよね~)いわゆる「言い直し転調」ですが詞も相まり、フレーズ途中での転調ではなく転調後サビメロをもう一度やり直すことによって「想いが届いた!」感がありますよね。たぶんみんなもここ好きでしょ。
初聴でも耳触りが心地いい、とにかくシンプルに良メロ楽曲!
このメロに乗るのが青葉さん印の爽やかなギターとピアノの音色。『灯火』もそうだけどイントロでピアノのフレーズをオクターブ上下で繰り返すの好きフレーズ。ボーカルもストレートだけど実はしれっと色々やってきてて歌心ありまくりです。しれっとなのがいいですよねこれ。
聴いたほうがいいよ。2300回くらい(Spotifyは3000ちょい)しか再生されてないの謎だよ。スタジオライブ映像も観たけどこんなん一曲目に冨樫さんに歌われたらたまんないでしょ。
(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)
『花曇り』(2022.3)
小さな頃に夢を叶えてくれる神様へ裏拍クラップをしたくなるような爽やか春ソング。…と思いきや詞はけっこう切ない。失恋、別れ、旅立ちがテーマの詞ですが、こういうのを明るい曲調でやってくれるバランスがとても好きですね。(前曲からの流れで言うとこいつら一か月で別れたんかと思うけど)(まぁ節目迎える年度末タイミングで恋人できたときありがちな短期破局ケースではある、わかる)
1番のアコースティックセットから2番で本格的にバンドサウンドが顔を出して好き勝手やっているのが面白い。この詞の流れで唯一の性描写である「初めてキスをした日も」でバンドのキメが入るのが遊び心といいますか。
間奏のセッションが"俺たち音を楽しんでる!"感満載でとても聴いてて楽しいです。いい意味で作り手である「mikanを後ろで支えるバンドメンバーのおじさんが楽しくやってます」が見えるんですよね。めっちゃいい笑顔で。
そしてラスサビ後の流麗なピアノフレーズが、まるで春の風に乗って新しい季節へと走る主人公を想起させるかのようですね。これは生バンドで聴きたい~。
(好き度:☆☆☆☆☆☆)
『さよならメロディ』(2022.4)
「こういうのでいいんだよ!」を良いクリエイターでやったら「こういうのが良すぎるんだよ!!」になった曲といいますか。
ロックサウンドに開けたメロディ、ベタと言われようがわたしはこういうのがシンプルに好きです。こういうのを衒いなくやってくれるアーティストが好きです。otsumami入門、はじめの一曲目としておすすめ(実際これ書く前から知っていた曲だし)。
青春小説のような詞(サビで「e」母音での放り投げるようなフレーズがアオハル)、軽快かつ余韻のある譜割、サウンドもロック一辺倒ではなく引くところは打ち込みサウンドやリバースエフェクトでうまく引いてる。
そう、終始この曲エフェクトがずっといいんだよな…コーラスの入れ方と音作りが奥行きあって、そこもまた儚さの演出。Dメロでボーカルにエフェクト重なってハモリでコーラスになって、大サビで前述した全ての音が襲ってくるの最高すぎます、聴いてて気持ちいい。
あと「やっぱり俺アコギ好きだわぁ~」になりましたこれ聴いた時のわたし。
この曲のアニソン感、フライングドッグ感とでも言うんでしょうか?
(例に挙げるなら坂本真綾、北川勝利、やなぎなぎ)そういうの好きな方は間違いなく刺さるのでオススメします。
(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)
『煌めく夜に』(2022.5)
爽やかソングが続いたなか、いきなりサビ始まり「鬱陶しい」で始まったのでイヤホンで流してたわたしはマジびっくりをかましました。
ふーん、エッジじゃん。
それでもキレ具合が可愛いげあるヤダヤダ感といいますか、ティーンにSNSでバカ受けしてもおかしくないような楽曲。
なんか「らったったー」って聞こえたな?って思ったら本当に言ってたし。
アウフタクトで「召しませ」「遊ばせ」とか言ってるのがかっこつけててかわいい~ってなりますよね、Adoがバリバリ巻き舌で歌ってても成立する気がする。
それでもやはり「キャッチーであることから逃げない」のがこのユニットの矜持なのだなあと受け取りました。フォーキーでシリアス寄りなこの楽曲ですが、鳴ってる音は前3曲と変わらず爽やかバンドサウンドなんですよね。
余談ですが公式ではこの曲名『煌く夜に』なんですが各種配信だとどのサイトも『煌めく夜に』なんですよね。オフィシャルだし前者で合ってる?タイトル不明?
(好き度:☆☆☆☆☆☆)
『タイムカプセル』(2022.6)
なんかこの曲だけ飛びてて再生数多いぞ。調べたらタイアップが付いてるそうで。テレビ番組『部活ピーポー全力応援!ブカピ!』のエンディングテーマとのことです。そうか、ブカピ!の曲ならそうだよな(観たことない)。
そしてこの楽曲、mikanが初めて作詞に挑戦したとのことで。非常に尊みポイント爆上げ案件です。「夏の賞味期限はジェットコースター」ってワードめちゃくちゃ詞的表現として美しいです。そして3Bメロ(けっこう特殊構成だよね)のこの詞。
泣いたりしたっていい
壁に ぶつかればいい
遠回りしたっていい
全部私だよ
「タイトル未定」からこの曲に辿った身からすると、同じ道の上を歩んでいるように感じて心にくるものがありますよね。本人作詞というのも合わせ。
作りとしてとてもシンプル、王道バラードを堂々とやっているこの楽曲に乗るフレーズとしてはあまりにも誠実。
すみませんなんか冒頭でちょけてて。
謝意を込め晒しますがわたしが16の時に初めてバンドでオリジナル曲を作詞曲した時のAメロ初手フレーズは"眠りについた騎士"です。そっとタイムカプセルに隠しましょう。
(好き度:☆☆☆☆☆☆)
『3373』(2022.7)
タイトルの読みは「漣(さざなみ)」。
これまでの楽曲では一番メッセージ性が強いのではないでしょうか。
過ぎ行く夏、そして海岸線の情景が浮かぶ爽やかな夏ソング。
…として流し聴くこともできますが、それだけでは勿体ないとも感じる曲。
何も変えられないかもしれない、ただ「何かはできるかも」しれない。
必死で歌い、叫んだその姿がせめて、漣のような小さな波を起こせるかもしれない。
このバランス感がいいですよね~。wishでもdesireでもなくhopeといいますか。
「めちゃ好きポイント」を挙げると、ここです。
見上げた空が青くなくたっていいんだ
"でもいつだって見上げた空は青い"といったアバウトな希望ではなく、「誰かに届いていない自分」を肯定しつつそれなのに、それでも生きている自分は実際に起こせるかも分からない漣を信じるんだという、非常に現実に寄り添った応援歌でもありますし、わたし自身の価値観とも近いと感じます。
そして、楽曲を構成する要素として「単純にいい」のは勿論なんですが、
これもまたリバースエフェクトが多用されてるんですよね。この残響が
「歌え 叫べ」が波及した証の音色なら、とても素敵なことだと思います。
いやそう、単純に良い曲なんですよ。漣で終わっていいわけがない。
Bメロ「日々は 日々は 日々は」の節回しなんて流し聴きしても耳に留まらざるをえないフレージング。
ボレロ風のリズムに合わせ希望を歌う所ではタイトル未定『黎明』と共通するものがありますが、あえて比較するとこの楽曲はmikanのソロということもあり、空気感が等身大、自然体ですよね。
中の人を知ってから拝聴する形ではあるので後出しになってしまいますが、グループでの歌唱より良い意味で力が抜けている気がします。
そしてやっぱり発声、節回しでどうしても『さよならメロディ』に続き坂本真綾さんを想起してしまうんですよね。全曲ではないのですが、otsumamiのバンド色が強い曲になるとそう感じてしまうのかも。グループでは一切思わなかったんですが、ふしぎ。
(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)
あとがき
以上、otsumami全曲シングルレビュー(前編)でございました。
いかがだったでしょうか?
当初は第一章12曲ぜんぶやっちゃおう~なんて思ってたんですが、書いてるうちに思いの外筆(キーボードタッチ)が進み半分でやめとこうと思いました。読む側も大変でしょ。
そんなわけで、タイトル未定の冨樫優花さん(mikan)がボーカルで参加しているユニット「otsumami」による1stワンマンライブ『開花』が5月22日(木)19:00~より下北沢MOSAiCにて開催されます。現在先行抽選受付中、締め切りは3月5日(水)までなので気になった方はこの機に是非。Tシャツ付の限定チケットもあるんだってさ。
(なんかこのエントリ、局所的に案件みたいな文になるけどただ良い音楽を紹介したいだけのオタクが一方的に喋ってるだけです)(だって詳細情報ぱっと見で届くとこに少ないんだもん)
配信もあるらしいよ~遠方の人もどぞ。
それでは、(中編)へ続く~。